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横顔  作者: 水上実結
3/5

confusion

☆☆☆ 坂本歩


初めてみた。悠のこんな顔。

固まっちゃってるよ。


他人にほとんど興味を示さない悠が、舞ちゃんの部活を知ってたことがまず意外。

しかも、何かきっかけがあって知ってたのかもしれないけど、それでも口にだしてわざわざ俺に教える必要ないもんねぇ。

黙ってたってわかんないんだから。


つーか、いつまで見つめ合ってんの、このふたりは。


☆☆☆ 小嶺桃


「歩、おはよー!」

私の声に、歩の肩がはねた。


「おはよ」

「なに、どしたの?」

「あぁ、あれ」

歩の目線の先を追うと、


あ、悠と、舞?


「ふたりともおはよー!」

「おいっ・・・」


「あ・・・桃ちゃんおはよう」

少し頬を染めた舞ににこりと挨拶をされると、同性の私もどきりとする。

一方の悠は、まるでずっと息を止めていたかのように、ふーっと長い息を吐いていた。


「にらめっこ?」

「なわけないでしょ」

私の呟きに歩の突っこみが入る。


わかってる、でもここ、妙に緊張感があって。


「一条さん、顔色悪くない?保健室行こうか」

聞こえてきた悠の声に驚いて、歩と顔を見合わせた。


☆☆☆ 時田遼


教室とは逆方向へ舞が歩いていくところを呼びとめた。


「もうすぐチャイム鳴るけど、どこ行くの?」

「あ、遼ちゃんおはよう」

「うん、おはよう。で、どした?」


「一条さんの顔色があんまり良くないから、保健室に連れていこうかと思って」

うん、まぁ確かに、ちょっと顔色が悪い。


ワンテンポ遅れて、わ、と驚く。

広澤くんがいたの気が付いていなかった。気が付いていなかったいうと語弊があるかな。舞といるためにここにいるとは思わなかった。が正しい?

「広澤くん、おはよう。舞、大丈夫か?」

「うーん、顔色悪いかな?」

「多少な」

「そっかぁ、昨日あんまり寝てないからかなぁ」

「被写体どうするか考えすぎたのか?まだちょっと時間あるんだから、あんま根詰めるなよ?」

「あ、うん・・・」


シン、としてしまった。俺、まずいこと言った?


「時田くん。そろそろ」

「あ、引き留めてごめんな。舞、ゆっくり休んでこいよー」

「うん、ありがとう」


ふたりに「それじゃ」と挨拶し、俺は教室へと急いだ。

教室に入る間際に、廊下の先をみつめる隣のクラスの男女に気が付いた。

つられるように俺も視線を向けたが、そこにもうふたりの姿はなかった。

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