15話 Battlefield Ⅲ
アクセス50万、ユニーク10万突破。これもひとえに読者の皆様のお陰です。有り難うございます。
これからも面白いと思わせる話作りをするため、精進していきたいです。
アルトリーゼ・ルジツカはこの世界で面白おかしく生きていく事をすでに心に決めていた。
往く手に立ちはだかるあらゆる障害は力ずくで破壊して、自侭に世界を蹂躙可能な能力。それだけの力を手にしており、力があるという事はそうする義務と権利があると彼女は考えていた。
良い意味でも悪い意味でもアルトリーゼは自分自身の能力に自覚的なのだった。
彼女がS・A・Sに所属する理由はごく単純で、面白おかしく生きていくのに都合の良いチームだったに過ぎない。おそらくは他のチームメンバーに所属理由を尋ねても彼女と似たり寄ったりの答えが返ってくるだろう。
あのチームはそういう人種の集まりみたいなもの、と他ならないアルトが感じ取っている。だからこそ居心地が良いとも言えるのだが。
ピンクブロンドのビジュアル系美少女というオタク趣味が入った外見のアルトではあるが、元の世界でも彼女は正真正銘の女性で女子高生だった。
サブカルチャーとロックをこよなく愛するごく普通の少女、その内面は猫のように気まぐれで残酷で繊細だった。
彼女の来歴を簡単に纏めてしまうと、ささいな切欠で学校に行きたくなくなり、家族に白眼視されながら家に引き篭もるようになり、ゲームに没頭するようになって今がある。この不意打ちに訪れた世界転移という天変地異は、彼女にとって心を弾ませるイベントに過ぎなかった。
思う様に振るう超常の力は快感をもたらし、新しい身体は羽根のように軽やかで心地よい気分にさせてくれる。
もっと力を、もっと快楽を、もっともっと――だからこういうのはちょっと無い。
「なによ、アレ。撃滅とか言ってくれたのに逃げるの」
この世界に来て好敵手になるだろうと感じていたハズの黒い小柄な少女。その背中が街の広場の向こう側に消えていったのを見て、彼女は酷い脱力感に襲われた。
力を自侭に振るうのは大好きになった。けれどあっさりと片が着いてしまうのも面白くない。蹂躙は好きだが、歯ごたえが無いのはイヤだ。少女は歳相応に傲慢かつ我が侭なのだった。
快楽の一環で戦いを楽しんでいるが、転移してからこっち真実楽しめる戦いとは出会えていなかった。ハイエンドまで育て上げた『アルトリーゼ』というキャラクター、その能力に対抗しうる相手は滅多にいない。
正直に言えばアルトはここ最近の戦いに飽き始めていた。力を振るうのが楽しくても、そればかりでは面白くなくなってしまう。だから「撃滅してやる」と正面きって言い放った黒い少女には期待感を持っていたのだ。なのに――
「拍子抜けも良いところだわ」
少し本気を出してみたらアッサリ逃げてしまった。
巻き上がる火災旋風の竜巻を近くに侍らせて、熱風になびくピンクブロンドの髪を押さえつつ溜め息を吐く。
少女の逃げ足は存外に速くてすでに通常魔法の射程外、姿は街路の向こうへと消えてしまった。召喚魔法を使ったり街ごと広域破壊しつつ追いかけていく方法もとれるが、そんな気力は消え失せている。
炎の竜巻に向かって手を振って散るように命じる。それだけでアルトの忠実な下僕は速やかに退去した。後には炎と豪風の無残な爪痕が残るだけだ。炎に焼かれて熱が残る廃墟が彼女の気力を一層削り取ってもう一度大きく溜息を吐いた。
――充分に距離があることを確認。ポジションに着いて準備を始める。
「あ~……ダルくなっちゃった。義理は果たしたんだし、もう帰ってもいいよね? いや、もう帰る」
魔獣を捕獲し興奮剤代わりの『ベルセルク・ミスト』を与えて街に向かって『暴走』させる。チームから与えられた任務はこれだけだ。
後は街で略奪しようが、虐殺しようが構わない。もちろん拠点のジアトーに帰ったところで問題ないだろう。アルトはこの後、街で色々と楽しむ予定があったが興が削がれては楽しめない。街の襲撃は暴走した魔獣がやってくれるのでこれも大丈夫。
一緒にアストーイアに来たシャスアというチームメイトがいたが、彼も子供じゃない。一言念会話で帰還を告げるだけで充分だろう。
――姿勢を整え、ボルトを引き装填。まだ日があるため夜間のような視界は得られない。スコープを使用する。キャップを外し、接眼レンズを覗けば四〇〇M先の人物が目に映る。
もうアルトはこの町に興味はなくなった。さっさと帰還して今夜は早めに寝てしまおう。不貞寝だ。
今後チームの活動範囲が広がればゲームで見た雄大な風景、強力な魔獣、まだ見ぬ未知の領域が見られる。アルトはその未来を信じている。だから今日の様なつまらない出来事は早々に忘れてしまうつもりだ。
軽く広場周辺を警戒して、生き残りが居ないと確かめたアルトはマントを翻してその場を去ろうとした。
――問題は標的の展開する障壁だが、これが上手くいけば守りを貫通できる。セレクターを操作し、スコープの向こうで体をターンさせる標的に照準を合わせた。風良し、リード良し、タイミングはぴったり。後はトリガーをゆっくりと絞った。
バシッと衝撃音がすぐ傍で起こった。アルトは考えるより素早く身構え、その方向に目をやる。反応速度は凄まじく早く動きは水際だったもので、これまで実戦で培った経験とゲームで育成されてきたキャラクターの能力が高次元で融合されていた。
彼女が見たのは自身の身を守る障壁の魔法に弾丸が命中した瞬間だった。これはさっきも見た光景で、犯人も同一人物だろう。
無駄な事をする、とアルトは一瞬の思考の中で思う。マジックユーザーとしてハイエンドまで育成した『アルトリーゼ』が常時展開する障壁は、大抵の攻撃を防げるだけの堅牢さを持っていた。それはさっきの事で向こうも理解したと思っていたが、思い違いだろうか。
「そんな攻撃効くわけ……え!? んきゃ!」
相手の無駄さ加減に言葉が口から出てきた。が、言い切る前に強制的に黙ってしまった。障壁を貫通してきた弾丸がアルトの肩を軽く抉り、激痛を彼女に与えたのだ。
思わずその場にうずくまり、肩に手を当てる。ヌルリとした感触が手に伝わってきた。鼻には鉄の臭いが入ってくる。痛みはただ熱いという感覚に変わり、アルトは火の棒で打たれた気分を味わう。
「一体何が、どうして?」
そう言いながらもすでに何があったか分っていた。その目でしっかりと決定的瞬間を捉えていたのだから。
十発以上の弾丸が障壁のほぼ一点に集中して着弾し、魔法の守りを強引に削り取ったせいだ。障壁には防御で削れた部分を回復する機能があるはずだったが、回復する間を与えない連続攻撃には対処できず、開けられた穴に弾丸が入りこんできたのだ。
こんな真似を可能とする戦技をアルトは素早く考える。精密射撃? エルフショット? でもそれらにしてもこれは極まり過ぎている。
「フ……ふふっ。なによ、ヤルじゃない」
口元が歪んで、喉から悦びの吐息が漏れてきた。肩に当てていた手を目の前に持ってくると、血で真っ赤になった手の平が目に飛び込んできた。
舌でペロリと血をなめる。アルトのその仕草は酷く艶めかしく、仮に近くに男性がいたとしたら妖艶さに身じろぎしただろう。
口の中に広がる血の味に彼女は気の遠くなるような恍惚を感じた。
弾丸が飛んできた方向に目を向ける。港の方向、普通の視界でははるか遠くに見える荷揚げ用のクレーンが夕日の逆光を受けて黒い影になっている。おそらくはあそこから。距離にしてざっと四〇〇M、繰り返すがアルトの『通常』魔法の射程外からの攻撃だ。
肩には痛みがあるはずなのに不思議と不快じゃない。回復魔法で傷を癒すのは簡単だけどまだ使う気になれない。アルトにとってこの痛みが愛おしい。
この世界に来て初めての痛みに、彼女は生きている実感を総身で感じていた。
◆
「……外れた」
必殺を期した連射狙撃の成果は標的の肩を浅く抉っただけに留まった。
殺人を忌避して外したつもりはない。戦闘状況にある中で感情の切り替えは出来ている。相手をただの標的として射貫くつもりだった。防具を着込んでいるため、狙いは頭部の真ん中、上手くいけば脳幹に弾丸が突き刺さって即死させるはずだった。
肩の痛みは引いている。痛みで照準が狂った感触もないためこれもない。
では、フルオートで狙撃しようという試みが無謀だったのだろうか。改めて自分の今の姿勢を確認した。
タイプ・14ライフルの二脚を展開して、それを裸足になった足の指で挟んで押さえ込み、クレーンの床に仰向けに寝そべった姿勢から銃を構えていた。足の力でフルオートの反動を押さえ込むのがこの姿勢の目的だ。
昔、漫画の影響から一度試した事があった。その時は体の硬さからロクに出来なかったが、『ルナ』の柔軟な身体なら可能だろうとやってみたのだ。
相手の障壁を射貫くには、極めて短い時間内に同一の箇所を攻撃する一点突破が有効と考えた上で出した回答がこれだった。
結果、四〇〇m離れて弾倉一個分十八発全弾を三㎝円内に着弾させる驚愕的な集弾に成功。ほとんど一点に集中したライフル弾は標的の障壁を食い破り、標的に命中させるまでは上手くいったと考えている。つまり試みも成功、今とれる手段の中でもベストに近い方策だった。
必殺弾が外れた原因はひとつ、避けられた。ほとんど反射に近い動きで首が反らされ、頭に来るはずの弾丸が肩へと逸れたのだ。一秒未満の瞬間的な緊急回避を標的はやってのけた。
標的が生きているなら反撃に備えなければ。目はスコープに固定したまま、手は機械的に次の弾倉を硝煙の臭いが濃く残るライフルに差し込んだ。今度は守りを固めてくるだろうし、同じ手は通用しないと思った方が良いだろう。
さっきの連射で出た空薬莢の幾つかが体の上にのっていて熱を感じる。構うことなく構えは解かない。
「笑っている」
スコープのレティクルに捉えた標的。アルトリーゼという少女の口元は笑いの形になっている。
肩からの出血で着ている鎧と衣服、滴り落ちて路面さえ赤くしている。痛みだって相応にあるはずなのに彼女は笑っているのだ。それを見ていると、狩猟でクマを狩った時には感じなかった得体の知れない感覚が胸の内から込み上げてきた。
何なのだアレは?
知らずトリガーにかける指が凍ったように止る。
おもむろに立ち上がった少女は手の杖を背中にしまい、代わりにあの真っ赤なギターを取り出した。
初見ではごく普通の赤いだけのエレキギターにしか見えなかったが、再び目にしてみると距離を隔てても背筋が寒くなる感触を覚える。禍々しいという言葉はこういう時に使うものなんだと思い知るほどだ。
鮮血に染まったように見えるギターは、アルトリーゼから出る血が目立たない位に鮮明な存在感をもっていた。彼女はストラップで首からギター本体を下げ、ネックを掴み、構える。
――まずい、凄く嫌な予感がした。得体の知れない悪寒に体を鷲掴みにされる。
具体的に何が起きるのか分るわけもないが、アルトリーゼがギターを構えた瞬間から危険を感じた。これがもしかして殺気なのか。
いままでは遊び半分で、これからが本気。まるでそう言わんばかりだ。
仕留め損なった獲物に逆襲されて死んだ知り合いのハンターの事が頭をよぎった。逆上した獲物に詰め寄られて次弾を撃つ間もなく殺されたソイツは、狩る側が狩られる側に回ったことに気付くことなく死んだ。それが今、自分の身に起こってしまうような予感がした。
ピックを持った手が振り上げられ、弦が弾かれようとする。悪寒は最高潮だ。もう一度撃つか、逃げを打つか一瞬迷い――直感は逃げを選んだ。
ライフルを跳ね上げ、寝そべった体勢から体を転がす。仰向けからうつ伏せ、そしてクレーンの床を手の平で叩いて一気に立ち上がった。その次の瞬間には高音の弾ける音と一緒に衝撃がクレーンを襲った。
クレーンのガラスが割れ砕け、突風が吹き抜ける。猛烈な突風に体を押され、立ち上がったはずの体が転がった。
「ぐ、がぁ」
口から呻き声を漏らしつつ、パラパラと体に降りかかったガラスの破片を払い除けながら身を伏せた。
ここまで届かないと見積もったはずの攻撃が襲ってきた。まだまだ自分はあのアルトリーゼという敵を甘く見ていたようだ。ゲームと違い、ここまでを射程圏に収めるとは脅威に過ぎる。
伏せた状態から再度ライフルを構えてスコープを覗けば、向こうにニコニコ顔の赤と白で彩られた少女がいる。どうする? このままここであの敵と撃ち合うのか。
次の行動を決めかねていたら、頭に声が響いてくる。
『貴女……いいわ。最高よ』
「――っ!?」
念会話だ。相手はレティクルで捉えている敵から。今まで焦点が定まっていなかった目が合っている。すでに向こうも完全にこちらを捉えたようだ。
伝わってくる声は表情通りに楽しそうだ。幼い女の子の声で艶やかに言葉を紡いでいく。
『まだまだ可愛い貴女と殺し合いたいけど……残念、行かなきゃ』
『……逃げるの』
『ええ、お暇させてもらうよ。使えないと思っていたのが、真実使えないと分かったからね』
軽く挑発をした言葉を飛ばしてもアルトリーゼは受け流して、いたずらっぽくウインク。あざといはずなのに彼女のそれは実に様になっていた。
続いて軽く弦を弾いてワンフレーズ。物悲しい調子に聞こえる音楽は別れを惜しんでいる事を表しているつもりか。魔法は飛んでこないものの演奏がここまで聞こえてきた。
必殺を期したものが外され、仕留めきれなかった以上は撃滅は難しい。となると『殺し』に持ち込む事は出来ず、逃げようとする敵を追うのは不可能事だ。
アルトリーゼの手がさらに音を刻み、同時に彼女の周囲の地面から濃厚な煙が噴き上がった。こちらの目を塞ぐ煙幕だ。屋外での煙幕はすぐに薄れて効果が薄いのが普通だが、魔法で作られた煙はその場に濃く立ちこめたままだ。
『あ、そうだ一つ貴女に聞きたいことがあったんだ』
『…………なに?』
『名前、教えてくれないかな』
広場に広がりだした煙幕の向こうから声がした。敵と楽しく会話する趣味など無いつもりだ。けれど、この時はなぜか思念は飛んでいた。
『……ルナ。ルナ・ルクス』
『また会おうねルナ。今度は楽しく殺し合おう』
この思念を機に煙幕が薄れていって、広場から煙幕が晴れた時にはスコープの向こうに彼女の姿は消えていた。
引き金から指を離して、スコープから目を外した。仕留めきれなかった後悔が胸から込み上げてくるけれど、今は一番の脅威が去った安堵の方が強い。頭を下げて肩を落として脱力してしまう。クレーンの金属床にべちゃりと伏せてしまい、構えていたライフルの銃身が下がり軽く床を叩く。
どうにも常識外の魔法攻撃を向けられた圧力は、思いのほか精神を消耗させるらしい。
緊張が解けて、気が抜けそうになっている。でもダメだ。耳にも魔獣の声が聞こえており、ここはまだ戦場だ。
このままだと気が抜けて眠りそうになっている意識に活を入れて、のろのろと体を起こした。
クレーンから見下ろすアストーイア。日没間近の明かりと炎で赤く染まる町は、朝までは平和な港町だったとは思えないほど変わり果てていた。
魔獣の蹂躙と広域に影響のある攻撃魔法は街を傷付け、人を喰らっている。時間が経過するほどに街の傷口は広がっていき、膿んでいく。
「まずはレイモンドと合流か」
行動方針を口に出して自分を叱咤させ、だるく感じる体を無理にでも動かす。夜になれば活力が漲ってくるのだから、それまで辛抱すれば良い。
懸念があるとしたら下の状況だろうか。
クレーンの手すりで体を支えながら真下を見れば、そこにはランドラプター、軍隊狼の群れがたむろしだしている。彼らはこっちを獲物として見ている様子だ。
確かにゲームだったらこれらモブエネミーはプレイヤーを襲うために見境無しだ。けれどここでは彼らも生物の一種であるはず。この見境のなさはまるで興奮している様だ。
魔獣の様子に違和感を覚えるものの、自分の退路が閉ざされたのは変わりなかった。
「ふぅ……本格的にホイットマンごっこに突入かな? 参ったな、どうにも」
連射狙撃に必要な場所として港のクレーンに陣取ったにすぎなかったが、魔獣に降りた先を塞がれてしまっては籠城戦をするしかない。
周囲に跳び移れる場所もなく、魔獣を蹴散らしつつホテルに向かえる火力もない。となれば、力が増す夜を待ってその上で脱出を計るか増援を要請した方が良策だろう。
この二択が頭に浮かび、即座に一方を採った。
金網床の上に座り、手すりに背中を預ける。他人の手を煩わせる気はないので、日が沈むまではここで待つと決めた。脱出までは体力を温存しよう。
こういう時、無性にタバコが吸いたくなる。あれは身体に悪くても気分が紛れるものだった。ポケットの中にはジアトーで拾ったタバコが一箱だけあったが、体力を温存する時にわざわざ体調を悪くさせるのも馬鹿らしいと思える理性は残っていて取り出すことはない。酷く口寂しい気になっていても辛抱するだけだ。
ライフルを肩に立て掛けて、ホルスターにあるトカレフのグリップを握る。ここはかなり高所になるので下にいる連中では上がって来られないと思うが、用心のためだ。
下から獣臭と咆吼が立ち昇って落ち着ける環境では決してないが、身体は休息を欲していたようで素直に脱力できた。まだレイモンドとジンに連絡する用件が残ってはいても、もう数分だけ休みたかった。
「また会おう、か。願い下げだ」
煙幕の向こうに消え去った白い魔法使いの言葉を思い返して、独りつぶやく。殺し合いを楽しみ愉悦する感性は持ち合わせていない。だからあの少女との再会は真に願い下げだ。
ああいう風につけ狙われる可能性があるから初見で仕留めたかった。少年漫画みたいなライバル云々なバトル展開は肌に合わない。ここでキチンと仕留めなかったしっぺ返しは、何時やって来るか今から不安だ。
河に目を転じれば、河口湾に傾いていく太陽が海面を美しく照らして輝いている。こんな事件に遭わなければゆっくりと鑑賞していたいほどの光の華だけに非常に惜しい気分にさせる。
現実逃避と分ってはいても、レイモンドと連絡をとるまでの数分間しばらく輝く河口を見詰めていた。
夜が来るまでは後もう少し。
「ああ、脱いだブーツ探しておかないと……」
まだ裸足の自分がポソリと呟いた声は、魔獣の吠える声にかき消された。
ルナに連射狙撃(ハシタナイの図)をやらせたかった。ホットパンツだからハシタナイ度は幾らか落ちるでしょう。
ルナのライフルの二脚もハリスタイプと想定しています。