1話 Lizardman
目覚めた視界の先には、ここ一ヶ月程で見慣れた宿の天井があった。外はまだ暗いが、それでも朝の気配を匂わせている。今日もこの世界での一日が始まった。
寝巻きからトレーニングウェアに着替えて外に出る。通りがかったフロントは無人で、宿もまだ目覚めの時間ではないと知れた。
屋外に出れば冷気が身を包み、澄み切った空気が肺に入り込んでくる。季節は初夏と聞いているが、夜明け前の時間帯ではまだまだ冷え込む。だが、この冷えた空気が俺には爽快感があって好ましい。
一〇分ほどストレッチをして体を温めた後、夜明け前の街に向かって走り出す。
ランニングはあらゆるフィットネスにおける基礎だ。多くのスポーツにとってかかせないもので、俺がかつてやっていたスポーツにとっても欠かせないトレーニングの一環だった。
そのスポーツから退いた後も体型と健康の維持のためにトレーニングは止めていない。それに現在の身体と昔の感覚をすり合わせるのにも一役買っている。
「おはようレイモンドさん。今日も早いね」
「おはようチャック。そうだ、一部欲しいんだけどいいかい?」
「あいよ」
通りがかった顔見知りの新聞配達青年から新聞を買い、足を緩めて軽く一面を読む。書かれている文字は日本語で読み書きに不自由がないのは良い事だが、周囲の欧米風の雰囲気がある街並みには似合っていない気がした。
軽く新聞の内容を読んでみれば、北の都市ジアトーとの連絡途絶が取り上げられている。さらにゲアゴジャに現れた謎の武装集団が起こす事件で街の治安が急速に悪化、各地に出没している謎の凶悪生命体による被害といった記事が載っている。
暗いニュースに滅入る頭を振るい、再びランニングに専念する。新聞は腰に差して、後でゆっくり読む事にしよう。
一六㎞の距離を走りきり宿に戻れば、フロントには人がいた。この宿の業務が開始されたようだ。
「おはようございます、グレイさん。確か朝食は抜きで宜しかったですよね?」
「おはよう。ああ、外で食べる予定だ」
「畏まりました。では、本日も良い一日を」
「ありがとう」
フロントに着いている気の良い男性に声を返して自分の部屋に戻る。ランニングが終わってもトレーニングはまだ終わらない。残りのメニューは自室で出来るものだ。
部屋に戻り、体が冷めない内にトレーニングメニューの消化にかかる。筋肉トレーニングを中心に基礎を積み上げる行程を踏んでいくのだ。
現在の身体になって驚異的な身体能力を獲得してしまい、一般的な筋トレでは負荷が少なくなってしまった。そこで一工夫を入れる。腕立て伏せ《プッシュアップ》は普通のものではなく倒立して行うし、腹筋運動も脚の動きを加えて負荷を上げていく。ダンベルなどの器具がこの場にない分、身体の動きで負荷を調整していくのだ。
それらが終わればシャドーボクシング。壁にかかった大きな鏡と向かい合い、動きを確認しつつ昔の俺とのすり合わせをしていく。
鏡に映っているのは今現在の俺。『勝又太一』ではなく、『レイモンド・グレイ』という人間の姿だ。いや、厳密には人間と呼べるのかすら疑問がある。
何しろ『レイモンド・グレイ』の身体は、暗緑色のウロコに覆われた一八〇cmほどの二足歩行のトカゲであるからだ。この世界でいうリザードマンと呼ばれる種族の肉体が俺の体だ。
トカゲといっても変温ということはないし、尻尾も無い。人間と同じ感覚で生活できるところからして、トカゲなのは見た目だけだろう。
二つの拳を構え、ファイティングポーズから入る。俺のスタイルは今も昔もサウスポーだ。
基本のジャブ、ストレート、フック、アッパーとかつて身に刻んだ業を繰り返し繰り返しなぞっていく。身長が伸び、リーチも伸びたことで感覚が変わった。腕は鞭のように強靭で、リストも強い。下半身のバネも強く、昔よりもハードなパンチを繰り出せる。放つパンチの空を切る音が鋭く、耳に余韻を残す。
誇張でもなんでもなく、今ならヘビー級の王者すらマットに沈められそうだ。
たっぷりと入念なトレーニングをしていると時間は早く進む。ベッドから起きた時は夜明け前の薄暗い空が、トレーニングを終える頃には太陽が東の空から顔を出して街を照らしていた。
窓から街を見下ろすと、太陽の照り返しを受けてキラキラと光る水面、そこに向けて下っていく街並み。俺が逗留している『アストーイア』は大河の河口に出来た坂の町だ。
ここはゲームにも存在する町で、『初心者用のチュートリアル』のあるプレイヤーにとってスタート地点のひとつだった。初心者から脱したら後はイベントも特にないため、プレイヤー達は早々に近くの大きな街へと移ってしまい熟練のプレイヤーほど記憶に残らない。そんな位置づけの町だった。
俺も初級者の域は脱していたため、こんな事がなければこの町を思い出すことがなかっただろう。
リアルな視点で見る街並みに目を細めた俺は、トレーニングの汗を流すためシャワールームへと向かった。
さあ、今日も一日を生きてゆこう。
◆
坂の町で河口に拓けた港町であるアストーイアは、海と河の両方から物資が集まる港湾都市だ。海からは国内外の物資、河からは上流にあるゲアゴジャからの物資、加えて漁業も盛んで町中には缶詰工場もあり、小さいながらも栄えている町になる。
港の朝は早い。夜も明けない内から働き始めるため、朝食はほとんどランチ感覚だという。そして彼らを相手に商売をする食堂の朝も当然早い。
港近くの通りに並ぶ食堂の中の一軒も俺が来た時にはすでに営業しており、すでに多くの客が食事を終えて出払っていた。
「いらっしゃい。やあ、レイじゃないか調子はどうだい?」
「おはようミック、調子は悪くないよ。フィッシュバーガーとポテトサラダ、あとミルクを」
「OK。今日は試合だろ、お前には期待してるぜ」
「ありがとう、期待に沿えるようするさ」
「はっはっ! 待ってな、とびきりのバーガーをくれてやる」
席に着くなりガタイの良い店長の熱烈な歓迎を受ける。元が港湾労働者らしい筋骨隆々とした店長は、元の俺よりも幾分年かさに見える。ついでに言うなら今の俺のファンでもある。どういう形であってもファンがいてくれるのは嬉しい話だし、彼が作るバーガーは日本でも滅多に味わえないほど絶品で、俺はすっかりこの店を気に入っていた。
ここ一ヶ月、この店に通う機会が多い俺はすでにここの常連となっている。
朝食を待っている間、軽く店内を見渡す。二〇ある席のほとんどは空いており、忙しい時間帯は過ぎた事を示している。今いる数人は漁師らしく、水揚げを終えて一息ついているところみたいだ。こんな中でビジネスマン風に茶色のスーツを着ている俺は浮いていた。
だが、よほど場違いでなければこの世界でもスーツはあらゆる街中で溶け込みやすい服装なのだ。ゲーム中に装備していた防具も手元にあるが、街中ではこちらの方が望ましいと判断して新調した。着込んで日が浅い吊るし売りスーツは、身体と同じくまだ馴染みきってはいない。
少しキツク感じるネクタイを緩めて、身じろぎしていると唐突に横合いから声をかけられた。
「はよ、レイさん。今日はゲアゴジャ行きかい」
「って、クララか。心臓に悪い声のかけ方をするな」
「ニャハハ、ゴメン。あ、てんちょー、あたしにトマトバーガーとコーヒーをお願い」
カウンター席に座る俺のすぐ横に、栗色のフサフサな髪と尻尾が印象に残る女性が唐突に出現していた。
犬人族の女性、こちらで知り合った元プレイヤーのクララだ。こちらに転移して間もない頃に知り合い、彼女の勧めでゲアゴジャからアストーイアに移り住んだ経緯があり、俺にとって恩のある人物になる。
デニムのパンツにシャツ、作業用の革のエプロン、腰には頑丈な作業用手袋まで突っ込んでいる色気の無い風体を見るに、工房から直接ここにやって来たようだ。
さらに目の下にクマが出来て、尻尾と髪の毛がボサついているところから徹夜明けだろう。
「また完徹か?」
「うん、実は二徹目。依頼された仕事は終わったんだけど、趣味を始めたら止まらなくて。ここで食べ終わったら寝る」
「昼夜逆転しているぞ。体壊すから程ほどにしておけ」
「ん、ご忠告感謝。でもねー、こっちで物を作るのが面白くて面白くて。つい時間が経つのを忘れちゃうよ」
「職人だなぁ、お前さん」
クララはこの世界に早くも馴染み始めている。詳しく話を聞いたことはないが、元々はゲアゴジャでアイテム製作をする大手生産系チームに所属していたらしい。それが転移をきっかけにチーム内が混乱して派閥の対立、チームメイト同士のにらみ合いといった内紛が起こった。
ゴタゴタを嫌った彼女はチームから抜け、この町に居を構えて町の住人相手のアイテム作りを始めたのだ。河川敷近くの下町にある小さなブレードショップ兼ガンスミスの店は、町の口コミで早くも話題になりつつある。
日本では特殊な需要だろうが、アメリカに似た風土のハイマート大陸では銃と刃物は生活必需品だ。それとなく住人に聞いたところでは、クララのカスタムするナイフと銃の評判はかなり良いらしい。
何と言うか、どこであっても腕一本で生きていく彼女の逞しい精神は見習いたいところだ。
「ほい、フィッシュバーガーとポテトサラダ、それにミルクだ」
「あ、ありがとう。先にお代を渡しておく」
「はいよ。クララ嬢ちゃんはトマトバーガーとコーヒーだったな、もう少し待ってろ」
「はーい」
ここで注文したものがやって来た。皿に載せられた熱々のバーガーに、新鮮なサラダ、ビン入りのミルクが次々と目の前に置かれる。
出されたバーガーとサラダはどちらもアメリカンサイズ。付け合せのフライドポテトも考えると結構なボリュームだ。作りたて、揚げたての料理から立ち昇るジューシーな匂いが鼻をくすぐり、食欲をかき立ててくれる。
昔と違って減量を考える必要はないので、遠慮なくバーガーにかぶりつく。港町らしく捕れたての新鮮な白身魚のフライがサンドされたバーガー、自家製ソースと相まって食欲が増進する美味しさだ。
「で、さっきも聞いたけど今日はゲアゴジャへ行くの?」
「ああ。試合で稼ぎに行くのと、息子の情報がないか聞きにな。……って、人のポテト食うなよ。もうすぐ自分の来るだろ」
「だって、お腹空いちゃったし。ちょっとくらい良いじゃない」
「いやしい真似するなよ。俺より金があるくせに」
横合いからクララの手が伸びて、付け合せのフライドポテトをひょいひょい摘み取られていく。ゲーム時代からの貯えとこの町に来てからの稼ぎで、彼女の資金は俺よりもあるはずだ。なのに時々妙な部分で貧乏性だったり、いやしんぼだったりする。憎めないが疲れる相手だ。
友人としては良いだろうが、恋愛対象に絶対なりそうにない。第一、俺には妻と息子がいる。
そして、俺はこの世界に転移したであろう息子を探す一人の親なのだ。
俺には体を動かすこと以外に、テレビゲームの趣味があった。古くは初代ファミコンから始まった俺のゲーム経歴は、途中で結婚や育児により何度か中断を挟みつつも続いてきた。MMORPGの『エバーエーアデ』もそんな中で手を出した一本になる。
きっかけは高校に入ったばかりの息子がプレイしているところを見かけたからで、興味を引かれて息子にあれこれと教わりプレイしている内にのめり込んだのだ。
ただ、当の息子は父親と一緒にゲームをするのが恥ずかしいらしく、パーティを組む事はなかったし、ゲーム内で連絡を取り合うとこもなかった。今思えば、多少強引でもどんなキャラクターでプレイしているのか聞き出しておけば良かったと後悔している。
「んぐんぐ……ねえ、ゲアゴジャ行きの定期船だけど、今日は早く出るんじゃなかったけ?」
「あ?」
「そうだな。港の連中が確か時刻表の改正がなんたらと言っていたな。急いだ方がいいんじゃないか、レイ」
「ほ、本当か!? 何で早く教えてくれない」
「いや、あたしも今思い出したところ」
「すまんな、オレもだ」
「なんてこった」
唐突に出された話に焦る。アストーイアとゲアゴジャを結ぶ定期船は日に二便あるが、朝の便を逃せば次は昼過ぎまで待たなくてはいけない。
二つの街を結ぶ交通機関は定期船以外はバスしかなく、こちらは一日一便。余裕ある行動をしたければ自家用車を持つか、定期便の時刻をしっかり把握しておくべきだ。
しかも最近は『事情』があって陸路は使えない。選択肢はないのだ。
バーガーとサラダの残りをロクに味わうことなく口に詰め込み、ミルクで胃袋に流し込む。急ぐ俺の横で、やって来たトマトバーガーを優雅に食べるクララに軽く殺意を覚えるが無視だ。
どうにかこうにか朝飯を胃袋に詰め込んで、席を立つ。代金を先に払っておいて良かった。
「じゃあなミック、今日も美味かった」
「おう。今夜は応援してるぜ」
「いってらー」
「そっちはもう帰って寝ろ」
ミックの店を飛び出して、定期船の乗り場へ駆け出す。手首に巻いた腕時計に目を落とすが、何時発かは不明だ。いつもより早い出航なら、時間的に余裕はない。急がなくては。
スーツの上に薄手のコートを羽織り、髪の毛の代わりにウロコが生える頭にソフト帽をかぶる。日本と比べて寒暖の差が激しく、乾燥と日光が厳しいこの地ではこの位の装備は必要だ。
もし息子がここに来ているなら体調を崩していないか心配になる。だが、物思いは一瞬だ。高い身体能力にものを言わせ、俺は猛然と船着場へと走っていった。
◆◆
エカテリーナ・フェーヤは思い切り弱っていた。照りつける太陽の光が彼女の力を抑えこみ、指一本動かすにも労力を必要としている。
もっと分かりやすく言うなら全身がだるく重い。夜に生き、夜と共に在る月詠人は日の光の中ではその能力を大幅に削られてしまう。日の光を前にした低位の月詠人は、この世界の数ある種族の中でもとりわけか弱い存在になってしまうのだ。
エカテリーナも下された使命がなければ、好き好んで日光の下に出ようとは思わない。
「あー……うー……茹で上がりそう……」
こんな声を上げてはいるが、彼女の外見は怜悧な紅い瞳が印象に残る美女である。ショートヘアにしたブルネットの髪とパリッと着こなすスーツもあり、日本では社長秘書とかキャリアウーマンに見えることだろう。ただし、現在日光に当てられてダレているが。
月詠人のエカテリーナは主君と仰ぐ人物から命を下され、住処のアストーイアからゲアゴジャへと移動するところだ。
本来なら夜の内に主君の所有している船で向かうはずだった。なのにうっかり乗り忘れる大ポカをしてしまい、やむなく普通の定期船に乗り込む破目になっていた。
朝なら日光も弱く大したことは無いだろうとタカをくくっていた彼女だったが、見込みは甘く予想以上の光の強さに早くもダウンしそうだった。
アストーイアから出航し、コラッド河を遡ってゲアゴジャへ向かう定期船。その甲板上から見える風景はなかなかに見ごたえのあるものだ。
町から一歩は離れると、草原と荒野が広がるのが大陸西側の一般的な風景だ。コラッド河の流域では、これに加えて広大な森林地帯や渓谷が船に乗る人の視界一杯に広がる。水辺に集まる生き物も多く見られ、甲板の上では乗客たちが楽しそうに外の風景を眺めていた。
日光に当てられているエカテリーナはこの中では数少ない例外だ。彼女が乗っている定期船は、河川の短い航路で運用することを念頭に置いた造りをしており、長距離航路の客船のような上等な船室は存在しない。日光を遮るものがあまりなく、月詠人にとってキツい環境だった。
甲板に設置された幌の下にあるベンチに体を預け、ぼけーっとするしか彼女にすることはなかった。
「せめて新鮮な血が飲みたい」
ぽつりと呟く言葉は、エカテリーナの切実な欲求である。血液は月詠人にとって嗜好品と同時に活力源になる。だけど、見境無くそこらの人間から血を吸うのは、国の法律と一族の掟の二重のルールに反している。
このルールはこの国で月詠人が生きていくのに必要なものだ。見境の無い吸血鬼に社会は厳しい態度をとってくる。
普段のエカテリーナだったらここまで血に飢えることはない。しかし、日中の活動は彼女の予想以上に能力を制限して力を削ぐものであった。
「君、具合が悪そうだけど大丈夫か?」
「ふぇ?」
声をかけられたのでそちらの方向を向くと、一人のリザードマンの男性がいた。他種族には彼らの年齢を外見から判断するのは難しいが、落ち着いた物腰をしているところから結構歳をとっているのではないかとエカテリーナには思える。
スーツに薄手のコート、ソフト帽と街にいる男性が好んでする服装をして、片手には新聞を持っている。多種族国家デナリでは良く見かけるタイプの紳士だ。
「だから具合が悪いのか? 船員に言って薬とか持って来てもらおうか」
「ああ。いえ、大丈夫です。ちょっと日光に当てられて……じゃなくて船酔いで。休んでれば大丈夫です」
「そうかい? なら良いのだけど」
「いえ、本当に何かあったら船員に言いますから。お気遣いありがとうございます」
面倒事を嫌うエカテリーナは、礼を言ってリザードマンの紳士を見送ることにした。多種族国家であっても、特定の種族を嫌う人は意外に多い。外見は人族に見える月詠人を嫌う人間もいるので、彼女は進んで自身の種族を明かすことはしなかった。
立ち去る男性の体を観察してみたが、どうも何かの格闘技を修めている風だと思えてそれが余計に面倒事の気配と感じられた。警官か軍人だろうか、と類推してみるエカテリーナだったが、日光で茹で上がる思考は思うように回らなかった。
ゲアゴジャに到着するまで後二時間、この調子でずっと続くと思うと憂鬱になれる。せめて下された命の事だけを考えて時間を潰そうと思った。
「金眼の同胞を探し出す、か。あんなに大きな街で一人の人間を探せなんて、クリス様も無茶な注文してくれますよ」
その命はゲアゴジャに近い内に現れる金眼の月詠人を探し出し、主人の前に連れて来る事。
エカテリーナが口にしたように、一人の人間を何万もの人の中から見つけ出すのは無理難題だ。『コンパス』が無いわけではないが、かなり厳しい仕事になるだろう。それでも主命は主命。きっちりとこなすのがエカテリーナの誇りだ。
とりあえずはゲアゴジャに着いたら血を調達しよう。そう心に決めた彼女は、さんさんと光を降らせる太陽を睨みつけた。