覚醒
ここは、貴方るがいる世界とはすこし違う世界。
この世界では「魔法」という文化が発達していた。
「魔法」を使って仕事をする者のことを「魔法使い」という。
この世界には、その「魔法使い」とそうでない「ノーマル」が共存していた。
しかし、1200年程前に「魔法ノーマル大戦争」があり、魔法使いが滅んでしまった。
ノーマルの科学技術に対して、魔法に頼って進歩していなかった魔法使いは負けてしまった…―――
……という伝説を歴史の授業で受けている――というか寝ながらきいている――人間、桜森高校1年高山剣。
この物語はそんな俺の周りで起こるちょと不思議で結構どたばたなストーリーです。
キーンコーンカーンコーン
「おーい、昼だぞ。」
起こしてくれたのは、俺の親友、岡崎真。
一時間目から昼まで寝ている俺をたたいて起こす。それが俺とこいつの日課だ。
「うーん、むにゃむにゃ、おはよう。」
「やっと起きたか。購買いくけどなんかいるか。」
「あんぱんとカレーパンと焼きそばパンあとメロンパンも。」
「まったく、いつも思うけどいったいどこにそんな体力を使ったんだ。」
元気よくいった俺にあきれたように言う真。
「いいじゃないか、なんかいつも腹が減ってんだから。」
そうなんだ、なぜか俺はなにもしてないのに腹が減ってしまうのだ。
「まぁ、俺には関係ねぇし。じゃあちょっと行ってくるわ。」
といって教室から出て行った。
それを見送って俺はまた眠りにつこうとしていがそれを一人の女子に阻止された。
彼女の名前は星野舞俺と真の幼馴染だ。
「剣くんっていっつも寝てるのに頭いいよね。」
舞は眠たそうにしている俺に訳分からない事をいってきた。
「えーと舞さんクラス最下位のどこが頭いいのか教えてくれませんか?」
「もー、幼馴染をバカにしないで、何年一緒にいてると思ってるの。剣くんが賢いことくらい知ってるよ。」
「うーん。まぁそういうことでもいいや。」
そんな話をしていると真が帰ってきた。
「おー舞ちゃん、舞ちゃんも一緒にお昼どう?」
「えっいいの。」
というか最初からそのつもりだったらしい。
「なにいってんだ、左手にお弁当を持って近ずてきたやつのいうことかよ。」
「えへへばれてたか。」
と照れながら頭をかいた。
「ばればれだっつーの。」
「剣ってやっぱすごい観察力だな。俺、全然気がつかなかった。」
自分でいうのもなんだが俺は子供のころからいろんなことに気がつくみたいなんだ。
「じゃあ、昼にしようぜ。」
舞はお弁当俺と真はパンを食べ始め、他愛もないどうでもいい話が始まった。
「そういえばさ。」
と口を開いたのは真だった。
「最近、この近くで変な通り魔事件が増えてるそうだね。」
「あ、私それ知ってる。」
と口を挟んできたのは俺の従姉で一つ年上の、坂崎唯
「あの人を真っ二つにするってやつでしょ。」
唯が得意げな顔をしていると真が――
「あの唯さんなんでここにいるんですかですか?」
「まぁいいじゃない大勢で食べたほうが絶対おいしいって。」
真は唯の前だと丁寧語になる。
唯に気があるのだ。 まぁ唯は気づいてないみたいだけど。
「そうですよ。いいじゃないですか。」
と唯の味方についたのは舞だった。舞は一応真が唯に気があることは知っている。
「そういうことじゃないですよ。」
「じゃあどいうこと?」
唯は本気でわかってない顔してきいてきた。
「もう、いいですよ。」
真は呆れた顔でいった。
「話をもどします。さっき言った通り魔を昨日塾の帰りに見たっていう子がいるんだよ。」
「えっ、でも通り魔は出会ったら誰であろうと斬り付けるってテレビでやってたよ。」
「だから、そいつも別の橋から見ただけだったらいしけど……。」
真はそこでわざとらしく間をあける。
みんなが一斉につばを飲んだ。
「なんと、そいつがもっていた凶器っていうのが川の水だったらしい。」
「川の水?」
みんなが耳を疑ったが真はかまわず続けた。
「そう、川の水を中に浮かせて大きな剣みたいになっていたそうなんだよ。」
「はぁー、そいつ寝ぼけてたんじゃないのか。」
とどーでも良いような目をして言い放ったが俺は内心ちょっと怖かったのでその話を早く終わらせたかった。
「まぁそうかもしれませんがね。」
その話はそれ以上発展しなかった。
…そして放課後、