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なろうラジオ大賞7

青の風鈴

作者: 透明スケ

 チリン、とまた鳴り響く、涼しげな音。


 初夏の昼下がり。

 小さな通りを歩いていた私は、胸の奥がかすかに揺れて、すぐさま周りを見た。

 けれど、辺りに風鈴の飾られた家はない。


 間違いなく、私の頭の中で鳴った、幻の風鈴の音だ。

 聞こえるはずのない音が、まるですぐ近くで鳴ったみたいに。


 探すところがなくなって、何となく空を見上げてみる。

 つい先日まで梅雨だったとは到底思えないほど瑞々しい、雲ひとつない快晴の空。

 その澄んだ青色の背景に、少しずつ、うっすらと浮かび上がってくる。


 白のワンピースの少女の姿――――


 その横には、優しい風と、陽の光を受けてきらりと揺れる、青い風鈴の影が重なる。


 あの子は風鈴が好きだった。

 夏が来るたび、縁側の天井に飾って、飾って、と背伸びをしながらせがんできたものだ。


 君が風鈴を鳴らしていたのか。

 そうか。もう、高い天井にも手が届く時分だもんな。


 自然と涙が浮かび上がってくる。


 風鈴だけが音を立てるような、そよ風の吹く、静かな午後だった。

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