そのどちらでもない
雨上がりの距離は遠く感じられて
舗道に打ち上げられた思い出の数々
蜃気楼のように
ゆらゆら揺れ動いては
わたしの前から遠ざかってゆく
いつか、あなたとの距離が
同じくらいだと気づいてても
あえて、あなたの前では
そんなふうに言えない
どこかで不安な気持ちになるのは
あなたが寂しそうな顔をして
見つめるたびに
なんとなく増えていったから
もう何度となく、
あきらめかけた恋に
自分で謎かけをしてみる
ほんの一瞬だけ
あなたの声に触れた
好きでもない、嫌いでもない
そのどちらでもない
「久しぶり・・」
そう言われるたびに
少し寂しくみせたりするのは
わたしだから、というわけじゃなく
誰しも感じられること
『まぁ、頑張ってみようかな・・』
あなた無しで
そう思えることができたら
わたしは、
いままでの思い出の一部を
無駄なものと思いながら
捨てることができるかな
いつも読んでいただき、ありがとうございます