冬の空
掲載日:2010/01/17
『はやくまたあいてーよ。』
・・・・
新着メールを見た直後、あたしは頭のてっぺんからつま先まで、数秒フリーズした。
ハヤクマタア、イテーヨ・・・?
ハヤ、クマ、タア・・イ・・・テーヨ・・・?
ハヤク、マタ、アイテーヨ。
なんとかフリーズから動き出して、あたしは携帯を見つめたまま歩き出す。
その脳内はごちゃごちゃと文章を作っていく。
ちゃんと文章になって、自分が納得できる、文章に作っていく。
早くまたぁ、イテェよ。
・・・ってことか?
メールを閉じて携帯をカバンの中にしまい込んだ。
かなり不自然な文章にあたしは無理矢理納得してみる。
たぶん。
たぶん、アイツは昔どっかを怪我して痛めて、それがまた痛くなってるんだろう。
・・・・
『はやく』は、無視。きっと打ち間違え。
早、熊、た・・あ・・・は、文章にならないし、ね。
うん、じゃ、まぁ、お大事にってことで。
冷たい風は頬を冷やす。
乾燥する空気に緩む口元を引き締める。
フリーズは、リバースになる。
脆くもぼろぼろと崩れいく納得した文章のうえを、あたしはふらふらと歩いて行く。
早く、また、会いてーよ・・・?
・・・・
何を、言ってるんだか。
「馬鹿。」
ビルの合間から覗くせまい空に呟く。
ちょっとだけ、浸ってみる。
冬の寒さに。
『あたしも』と、返事ができない、寂しさに。




