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地球に外宇宙から侵略者が来たぞー

作者: BrainOfKeios

地球に外宇宙から侵略者が来ましたねー

まあたまにはこういう逆降伏があってもいいやろ

それは西暦20XX年の年末のことであった。


「あれ?冥王星の公転軌道付近に新しい彗星?いやこれはなんだ・・・」


その時代、衛星軌道上に設置された光学天文台、電波天文台の観測データは

センサー技術の発達であまりにも膨大になりすべてを解析するには

あまりにもデータが膨大すぎるため、解析しきれなかったデータは

無償で公開され、それを解析するアマチュア天文家が大量に生まれていた。


彼が観測した時点では、冥王星軌道上に50kmほどのサイズの球状の物体が1個だった。


「リアルタイムデータは、衛星通信を受信すれば無償だけど、過去のデータは

有償なんだよなぁ・・・」

彼は軌道を計算するため、その領域の過去のデータを申請した。


最初の発見から24時間後


「さて、今週末の外食をあきらめて頼んだ、この物体近辺の過去3日分の周囲200万kmの

 データだ、さぁどこから来たのかな?」


部屋置かれているPCがうなりをたてる。

一時期クラウドコンピューティングがもてはやされたが、

数年前、某国の裁判所でクラウド事業者が起こした裁判で

クラウドで保存、解析した結果についてクラウド事業者にも

権利があるという判決が下されてから、ローカルへの

回帰が起こったことと、通常の用途では十分すぎるほどの

演算力がローカルPCにも備わってきているためだ。


「え?ない?過去7日間の1時間おきのデータだぞ!?」


1時間単位での200万キロの範囲のデータで見つからないということは

最低でも光速の1%以上の速度で来たか、それともその場に突然現れたかだ。


「光速の1%以上の速度できたなら、今はどこなんだ?」


昨晩の観測以降のデータログを見た。


「冥王星の公転軌道上のままだと?」


それはまだ公転軌道にいた。


「観測データの抜けか?でも、もし光速の1%の速度の彗星が地球に当たったら

 地球が終るし、これは軌道はわからんからお金にはならないけど

 天体危機管理センターに報告すべきかな」


その時代、アマチュア天文家が彗星などを見つけその軌道が

地球に交差する可能性が1%でもある場合、報告するだけで

報奨金がもらえる制度があり、彼はそれで小銭をかぐ

コメットハンターだった。


それから24時間後、天体危機管理センター


「この報告見たか?」


「軌道の情報もなしで送られてきたゴミだろ?」


「軌道計算してみたか?」


「するまでもないだろ?適当な報告をして小銭をせびるやつだろ」


「おい、送信者の経歴は見たか?」


「それが?」


「過去10個の危険性のある彗星の報告を行っており、今まで彼の送ってきた

軌道情報にはミスはない。そんな彼が、計算できないって言っているんだぞ?」


「そこまでいうなら軌道解析課に精密解析に回すか?」


「ああ、一人の署名だけだと無視されるかもしれんからお前も頼む」


そこから24時間後、天体危機管理センター 軌道解析課


「この物体は一体なんだ、報告より過去1か月の周囲1000万キロのデータにもない

 光速の5%以上で飛んできて1時間以内で減速しそこに止まったか、ワープでも

 しなければ無理だぞ?」


職員の顔は青ざめている。

「これは、自然の物体ではないことは、ほぼ間違いないな・・・

もしまた動き出したとしたら、光速の5%だとしても80時間もあれば

地球にたどり着くぞ」


「これは俺たちの分野じゃないな、ノーラッド(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)に

連絡を入れるぞ!!」


それから2時間後 ノーラッド秘密会議室


そこは薄暗い会議室に深刻そうな顔をした士官や将官たちが集まり会議を行っていた。

「将軍、ということで、この物体は最低でも光速の5%の速度で移動が可能で

なおかつ1時間以内で停止するまで減速が可能ということから

最低でも慣性制御の技術を持った、恒星間文明の産物である可能性が高いもの

と推定されます。」


将軍はうなずき、深く考え込み、苦々しい口調で言った。

「わかった、それでもしそれが敵対的な存在であった場合は?軍の武装で対処できる範囲か?」


先ほど報告を行っていた技術士官が回答した。

「将軍、残念ながら無理です。技術面で言えば最低でも100年以上の世代の差があり例えば

武器がなくても光速の5%に加速した船から野球のボールを地球に投げるだけで

地球の軍隊なんて壊滅します。」


将軍は頭を抱えながら横にいた参謀に話を振った。

「ならどうすればいい?作戦を立てるのが参謀の仕事だと思うが参謀どうだ?」


参謀も頭を抱えつつ、回答した。

「将軍、無理です。作戦の立てようがありません」


将軍は、一縷の望みをかけ技術士官に聞いた。

「彗星の軌道をそらすために設置した月の大型レールガンならどうだ?

 あれは光速の0.1%まで加速した弾を打ち出せ、1Kmまでの彗星なら

 軌道変更が可能と聞いたが」


技術士官はこう回答した。

「将軍、相手が軌道を変えない固定目標なら、もしかすれば傷程度ならつけれるかもしれません」


将軍の目に光が戻って・・・

「ならば・・・」


技術士官はすぐさま続けて言った

「将軍、傷なのです、破壊ではありません。それも、もし命中したとしてです。」


将軍はの目からまた光が失われた。

「当てれないのか?」


技術士官はあきらめた口調で言った。

「将軍、無理です。例えるなら地球の裏側の位置にある動く針に弾をぶつけるような

ものです。それも当たらないように逃げることが前提の・・・」


将軍の目から光はすべて失われ、こう言った。

「無理だな・・・こうなっては、平和的にコンタクトを取るしか選択肢はないな、わかった

大統領にそう進言しよう。」


それから2時間後 ホワイトハウスにて


顔を真っ青にした大統領は言った。

「わかった、それでこの件は国民に公表するほうがいいのか?」


横にいた、大統領報道官は言った。

「大統領、公開しても何もすることはできず、国民に不安をあおるだけです。」


大統領は、天を仰ぎながら言った。

「そうだな・・・わかった、それでどうするんだ?」


「大統領、平和的なファーストコンタクトのためにこちらから電波にて通信を・・・」

そこに詰めていたNASAの技術部門の人間が、話しかけたその時・・・

そこに駆け込んでくる連絡士官が会議室にノックもなしに駆け込んできた。


「世界中の電波放送がすべてジャックされ、各地の言語に合わせた放送が!!」


そしてその場にあるテレビがつけられた。

そこには、人の形には似ているが、どこか違う生物が出ており、こう語っていた。

「我々はあなたたち、いう、アンドロメダ銀河からきた、抵抗はない、征服を求む、 

 第三惑星、3回転後に、そちらに向かう。場所は指定しろ、水の中の陸地、この映像の場所に行く、繰り返す・・・」

そしてそこにはハワイ島のオワフ米軍基地の滑走路が映っていた。


青を超え真っ白な大統領は言った。

「これはオワフ基地か・・・・、それで軍としては対策はあるか?」


同じく真っ白になった国防長官は言った。

「大統領、まだこれから検討するのですが、3日後に来るということは、おそらく予想していた以上の

科学力であり、正攻法で歯が立つような相手ではないのは間違いないです。」


無理だとは思いつつ、大統領は聞いた

「自国で使いたくはないが核でも無理か?」


国防長官は言った。

「大統領、どんな技術なのか次第ですが、光速の5%以上で飛べる物体ということは、

経路上すべての障害物を即時に排除できるか、ある程度以下のサイズものなら

当たっても効果がないということです。おそらく核でも相手の船体内部に

持ち込みなどをしない限り無理でしょう。」


少しの可能性にもすがりたい大統領は聞いた。

「国防長官、もし持ち込んだら何とかなる可能性はあるのか?」


国防長官は言った。

「大統領、可能性はあります。ただこれは相手が単独であった場合のみ有効で、複数の場合

 相手を怒らせるだけとなります。」


大統領は、あきらめた口調で言った。

「だろうな・・・、こうなったら降伏の条件をどれだけましにするかの、条件抗争しかないな。

 少しでもましなものにするために、大至急で交渉案を作成してくれ、以上だ!!」


そして3日後、オアフ基地滑走路

そこには、各国の首脳の姿が・・・なかった。

それは、おそらく異星文明の宇宙船の移動中の姿が異様であったためだ。

冥王星起動から、一瞬で木星上空に、そして24時間ほどで地球と同じ大きさと思われる

前線基地と思われるものを作成していた。

もうこの時点で、各国の軍部は、考えることをやめた。

そして降伏以外のすべがなく、世界に終焉を及ぼすであろう

この会談の責任をすべて米国に押し付け、自分たちは抵抗したという

立場でいようとした。

そのため、その場に来たのは、米国と日本だけであった。

なお日本だけは、他国と違って、異星人キター と平常運転だった。


そして、滑走路上に蜃気楼が生まれたと思った瞬間、そこに

明らかに人工物、それも人類の目から見ても戦闘用としかおもえない形

の船の姿があった。


青ざめた顔を見せないため、化粧で顔色をごまかした大統領が言った。

「首相、本当に来てくれてありがとう。」


首相は、軽そうな感じで言った。

「大統領、もう腹をくくるしかないのです。どうせ終わりならきれいな終わりにしたいですし、

 一緒に地球文明の最後を見届けましょう。」


そして、少しして、その船の側面と思われる場所に開口部がうまれ、光の会談がそこに出現し

中から3人ほどの、本当に人類に近い姿の形の宇宙人が降り立った。


「ここに降伏条約の締結を求む、代表者、ここに来る。」


すこし怪しい言葉で、代表者を宇宙人は呼んだ。


大統領の横にいた軍人

「大統領、ここは私が・・・」


大統領は力を振り絞り言った。

「ここは、弱みを見せるわけにはいかない。」


大統領と首相は、宇宙人のほうに歩きだした。そして


「ここに降伏条約の開始をする。代表者、そこに移動」

宇宙人がそういうと、示した場所に光るテーブルと5個のイスが現れた。


そして宇宙人は、座ったのち、2個の椅子が空いている。


大統領と首相は、恐る恐るその椅子に座った。

何も起こらなかった。


「降伏条約を結ぶ代表は、2人か?」


「はい、世界を代表し、アメリカ合衆国大統領である私と、日本国首相である彼で

 条約を結ばさせていただきます。」

大統領は震えながら言った。


「では、この惑星の形式にのっとり、ここに記載」

宇宙人は、分厚い紙の束をだし、そこに署名を求めた。


大統領は、最後の力を振り絞りながら言った。

「降伏に当たり条件を確認したいのですが」


宇宙人は言った

「条件ない、無条件降伏、それ以外ない」

きっぱい断られてしまった。

さらにその上で彼らは言った。


「こちら、電磁波通信で聞いていた国だ、大きな陸地と小さな水に囲まれた陸地の団体だ、

 救われた、そちらの戦闘集団、征服する。その他はいらない」


大統領は聞き返した。

「その他はいらない?そのほかの国は滅ぼすのですか?」


宇宙人は言った。

「その他不要、欲しいもの手に入った。さあここに記載!!」


宇宙人は、人類で言うところの興奮した反応に近い感じがする。

大統領は再度聞いた。

「内容の確認を」


宇宙人

「確認不要、無条件、急ぐ、急がないと終わる。」


大統領と首相はあきらめて署名を始めた。

「主よ、この愚かな大統領をお許しください。」


署名が終わった。


宇宙人は言った。

「ここに、征服条約は結ばれた。いまから、あなたたち主人」


大統領は気を振り絞りながら言った。

「要求は、」


宇宙人は言った。

「あなたたち、主人、要求は存続のみ・・・少し待て」


なにか宇宙人たちだけで会話している。

そして再度話し出した。

今度は怪しい言語ではなく、聞きやすい言語で。

「意思疎通がうまく行ってないことが確認できた。そのため、情報伝達に

一部齟齬が出る可能性があるがこの星、地球的な疎通方式に切り替える。」


大統領と首相は、征服に何の意図がと思いつつ彼らが言うのを待った。

「征服条約に基づき、わが文明はあなたたちのものになる。」


大統領と首相はまるでFXですべてのお金を失った人のような顔になった。

「え?」


宇宙人は言った。

「降伏条約は、我々の文明が、あなた方の文明に降伏するもの」


大統領と首脳はまるで理解できない。

「え?」


宇宙人は言った。

「これから、私たちの文明の産物はすべてあなたたちのもの、望むのはわれら種族の存続のみ」


大統領は使い物にならない。

首相は聞いた。

「私たちがあなたたちのものになるのではなく、あなたたちが私たちのものですか」


宇宙人は回答した。

「そう、私たち、あなたたち、2つの組織のもの。」


首相は聞いた。

「なぜ降伏を?我々の文明のほうが下だと思いますが?」


宇宙人は言った。

「我々の科学は上、でも戦いは下。」


首相

「戦いですか?」


宇宙人は言った。

「我々の文明すべてを与える。戦いに勝ってほしい。」


大統領も何とか復活して聞いた。

「戦いとは?」


宇宙人は言った。

「前文明の遺産、浄化機構との戦い」


宇宙人は、そのあと長らく語った。まとめると以下の内容となる。


彼らの前の文明が滅ぶ前に、自分たちだけが滅ぶのを良しとせず

他の文明の滅ぼす、生体兵器を宇宙中にばらまいていた。

彼らの文明は、最近になるまで接触していなかったが

接触してしまい、現在戦闘が続いている。

彼らの文明は、物質文明としてはほぼ限界にまで達しており

必用なものがあれば、だれでもほぼ無制限に手に入れることができ

シミュレーション世界でほぼすべての欲望を満たせるため

戦いの性質が失われて言った。

そのなかでの彼らとの接触である。

そのため圧倒的な物量で戦う戦術しかないが、

今までならその圧倒的な物量で何とかなってきた。

ただ今度の相手は、物質文明としてはほぼ同等で

支配領域は彼らのほうが多く、どんどん劣勢になってきている。

いまは、まだ領域の10%を失っただけだが、このままでは

どんどん物量差がひどくなり、滅ぶ未来しかない。

そこで彼らが考えたのが戦いのうまい文明への降伏だ。

物質文明としてはこれ以上なく、どんな要求でも時間だけが問題なだけで

すべて解消できる。


そして戦いのうまい文明を彼らは探した。

そこで見つけたのが地球文明だ。

その中でも組織間の大規模抗争で明らかにどう分析しても負けるしかない劣勢で

戦い続けてきた日本とそれを打ち破った米国に目を付けた。

彼らに、降伏し、戦闘を任せればいいのではないかと。


そして、現在に至る。


大統領は最後に聞いた。

「他の国は?どうなる?」


宇宙人はにこやかに言った。

「他の国はかんけいない。あなたたちの世界の言葉で言う、われらは米国と日本のもの」


他の国は絶望した。

そして・・・・















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[良い点] ユーモアに富んで面白かったです。 SF的な演出欲も適度に満たしつつ、軽快に進む物語で楽しく読ませていただきました。ラストのどんでん返しも良かったです。 [気になる点] 結末の「その後」がど…
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