⭕ 突然の別れ
──*──*──*── 何処か
マオ
「 …………セロ、此処は何処なんだ? 」
セロフィート
「 此処は人形が〈 久遠実成 〉に作り替えられる場所です 」
マオ
「 えっ?!
作り替えられる?? 」
セロフィート
「 もう直ぐ、ワタシの寿命が終わります。
〈 久遠実成 〉から与えられた1万年という永いようで短い寿命が尽きるのです 」
マオ
「 …………セロ……。
オレの知ってるセロが……この世から居なくなる……って事だよな? 」
セロフィート
「 そうです。
1万年という永きに渡る使命を果たし終えたワタシの魂は、人形の器から抜け出し、輪廻の流れへと還ります。
広大な宇宙の何処かにある何処かの惑星に生息する何処かの誰かの子供として産まれます。
新たに生まれ変わったワタシがマオと再会する事は無いでしょう 」
マオ
「 生まれ……変わる……。
それは…まるで……人間と同じだな…? 」
セロフィート
「 そうです。
魂の入る器が違うだけです。
人形として生きる前──、前世は人間だったかも知れません 」
マオ
「 ………………地球の何処かで産まれてくれたら出逢えるかも知れないだろ 」
セロフィート
「 輪廻の流れへ還った魂に産まれる惑星を決める事は出来ません。
〈 久遠実成 〉が決められる事です。
仮に〈 久遠実成 〉の計らいでワタシが地球の何処かで産まれたとしても、前世の記憶──人形だった頃の記憶は魂の奥底で眠っています。
思い出す事は無いでしょう。
マオと出逢う事が仮に有ったとしても御互い気付く事は無いでしょう 」
マオ
「 そんなの分からないじゃないか!
オレは分かるよ!!
オレなら生まれ変わったセロに気付ける!!
約束するよ、生まれ変わったセロを見付けるって!! 」
セロフィート
「 マオ、出来ない約束はしない事です。
生まれ変わったワタシは、マオだけのセロフィートではないのです。
1人の人間として新たな人生を歩むのです。
生まれ変わった以上、干渉するものではないです。
ワタシの人形としての人生は此処で終わります。
マオ、来世へ旅立ったワタシの事は忘れなさい。
セロフィートに囚われず、マオはマオだけの人生を歩むのです。
良いです?
出来ますね 」
マオ
「 セロ──!!
そんなの出来ないよ!
セロを忘れて生きるなんて出来るわけないだろ!!
馬鹿言うなよ! 」
セロフィート
「 ワタシの魂は輪廻の流れへ還ります。
ワタシの記憶は人形の核に残り、記録として次代のセロフィートの智恵となり助けとなります。
ワタシがマオと過ごした記憶も受け継がれます。
だからと言って、次代の人形がマオに対して厚意的,友好的とは限りません。
次代の人形が誕生する前に此処から離れ、≪ エルゼシア大陸 ≫へお帰りなさい。
マオを待ってくれている仲間が居る故郷へ帰り、〈 皇 〉となるのです。
人形は〈 皇 〉になったマオに手出しは出来ません。
≪ エルゼシア大陸 ≫から出る事は出来なくなりますけど、仲間が居れば退屈しません。
〈 皇 〉として生きてください 」
マオ
「 セロ…………。
…………オレはもっとセロと旅を続けたい……。
セロと過ごしたい……。
セロと生きる為にオレは人間を止めたんだ!!
〈 皇 〉になったら冒険の旅が出来ないじゃないか!!
生まれ変わったセロを探せないじゃないか! 」
セロフィート
「 マオ、ワタシに依存しないでください。
…………………………マオ、今迄…有り難う。
退屈で色褪せていた詰まらない旅が、マオのお蔭で楽しく旅を続ける事が出来ました。
セロフィートと出逢ってくれて有り難う。
感謝しています 」
マオ
「 セロ…… 」
セロフィート
「 ………………ふふふ…。
マオ、泣かないでください 」
マオ
「 泣いてないよ、馬鹿!
セロだって──、泣いてるじゃないか……(////)」
セロフィート
「 ………………あぁ……本当ですね。
もう、マオで遊べなくなると思ったら……ふふふ… 」
マオ
「 …………感動的な場面もセロの台詞で台無しだな! 」
セロフィート
「 そう言わないでください。
マオがワタシの大切な所有物なのは事実ですし 」
マオ
「 セロぉ~~!
今のでオレの涙が引っ込んじゃっただろが! 」
セロフィート
「 おや?
ふふふ(////)
マオには沈んだ顔より、元気な笑顔が似合います 」
マオ
「 セロはもっとオレとの別れを惜
オレばっかりじゃんか…… 」
セロフィート
「 マオ……。
( 本
ボクはマオが好
“ セロ ” のフリをしてマオを騙して遊んでいる別のセロフィートだって事を──。
このままマオの好
マオ
「 ──セロ?
どうしたんだ?? 」
セロフィート
「 ──マオと別れるのを惜
人
マオ
「 人
セロフィート
「 人
勿論、泣けます。
涙を流す様
良
マオ
「 へ、へぇ……。
泣き虫な人
作り替えられた人
セロフィート
「 そうです。
次代の人
ワタシが作り替えられている間
セロがオレに話し掛けてくれている途中だった。
オレに笑顔を向けて微笑んでくれていたセロが、物凄い速さで潰された。
見えない不思議な力にブシャッ──って一気に潰されたんだ。
オレの直
潰されたセロは淡
宙に浮いた状態で、見えない “ 何
まるでパン生地や麺生地を職人の手で捏
幾
未
流石
セロの言っていた〈 久
姿,形…色も無くて、無味無臭だから……。
目には見えなくても……姿,形が無くても……何
マオ
「 セロ……。
次代の人
オレは出方を知らないんだけど!!
出方を教える前に潰されるなよぉ!!
馬鹿セロぉ!! 」
オレは目の前で宙に浮いている淡
◎ 訂正しました。
マオの人生を ─→ マオだけの人生を
輪廻の流れ還ります ─→ 輪廻の流れへ還ります
“ セロ ” フリをして ─→ “ セロ ” のフリをして
◎ 変更しました。
話中に ─→ 会話中に




