表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

第21話 作戦会議

 教会から戻った星雲は、拠点で回収した資料を精査していた。

 もちろん、戦闘に特化しているイータやアルビオンは、これに参加はしていない。

 イータは森に狩りに行き、アルビオンはまだ眠っていた。

 無限の時を生きるアルビオンにとっての時間感覚は、周りとは違いすぎるのだ。

 聞き込みの情報などを資料と照らし合わせながら、教会の動きを探り、神についての情報を少しでも得ようとしていた。

 そしてティアとルミアがユリウス達と共に、地図を囲んでアーティファクトが運び入れられた教会の襲撃の作戦を立案している。


「――って、書いてあるからこのアーティファクトは、回収するべきだと思うわ」

「それにこの教会の資料室に、人喰みの詳しい情報があるみたいなの」

「なるほど」


 ユリウスが考え込むように、地図を眺めていた。


 なんか、色々ガチで行動してるじゃん!!

 やばい!

 解散するとか言えるような雰囲気じゃなくなってきたぞ!


 ユリウスが助けを求めるように、アリサに視線を送る。


(お兄ちゃん、ど、どどどどうしよう!!)

(こうなったら、上手く口実ができた時に切り出すぞ!)

(それしかないね。うん!)


 二人は視線だけで、会話していた。

 そして焦りながらも、表面上は冷静を装う。


「お兄ちゃん」

「ああ。次はそこに向かえ」


 ユリウスが少し離れた所で資料を読むふりをした後、カッコつけてナイフを投げる。


 あ! やべっ! 手元が狂った。


 ナイフは目的の場所より少しズレた。

 見当はずれの所に、刺さったのを見て、慌てながら平静を装った。


「ここには何も……なるほど!」


 え! 待って。何がなるほどなの!?


 ルミアの言葉にユリウスが困惑しながら、答えを求めるようにアリサとティアに交互に視線を送る。


「流石、お兄ちゃんだね」

「この資料を一瞬で読み解くとは、さすがだわ」


 これはダメなやつだと悟るには、十分な状況になってしまった。

 ユリウスが投げたナイフは、目的の街から二つ隣の町に刺さっていた。

 だが、何故か納得する三人にとりあえず話を合わせようと、ユリウスは決めるのだった。

 そしてその勢いのまま、襲撃作戦が出来上がっていく。

 ティアの頭の回転の速さには、アリサとユリウスが驚愕していた。

 いつも出来上がった作戦を見ているだけだからだ。

 そして作戦の詳細を全員で決めている所に、エリナがお茶を持って現れた。


「おつかれ~。いい感じ?」

「ええ。大まかに作戦が決まった所よ。エリナ、また調達を頼んでも?」

「任せて! それは私の得意分野だから」


 エリナが自信に満ちた声で言う。


「それでそこには、何があるの?」

「神骸の爪で作られたアーティファクト。能力は、文献通りなら体の一部を神化させる力よ」

「それって……」

「今までで、一番危険なアーティファクトよ。それにこのアーティファクトには、神が関わってる可能性があるわ。生成方法がいくら何でも人ができるものじゃない」

「今回は、いつも以上に大変そうだね。もう見てくれた思うけど、少なくとも二人の領主が裏にいることがわかったから」

「だから、じっくりと事を進めるわ。今回は、わたしもアリスとは別行動で動くつもりよ」


 こうして星雲の中でも隠密を得意とする者たちが、その日に向けて動きだすのだった。

いつも読んで下さり有難うございます。

『面白い』や『よかった』と思っていただけたら評価やブックマーク、感想等をしていただけるとモチベーションも上がり嬉しいです。


これからもよろしくお願いします。


更新は毎週木曜日もしくは土曜日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ