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第8話 その後の出来事

 その後、日が暮れ始めてユリウス達が帰路に着こうとした時、茂みの方から何か来るのをユリウスとアリサが感じ取った。


「お前ら向こうから何か来るから警戒しろ。イリヤは俺の後ろに隠れてくれ」


 ユリウスとアリサがほぼ同時に、何かが来る方向を指をさして教えた。


「わかったなの」

「了解だ」


 二人が、短く返す。

 そしてイリヤは、携帯していた片手直剣の柄をつかんでいた。

 イリヤとは逆にギルは、何も警戒せずに立っていた。

 ユリウスに丸投げする様だ。


 それから一、二分が経過した頃、イノシシの容姿をした魔物が姿を現した。

 名をブルーワイルドボアという。

 ワイルドボアの子供である。

 子供では青い毛が特徴のため、そう呼ばれている。

 そして今回遭遇したのは、青い毛がほんのわずかに残っている程度しかない、もうほとんど成体である個体だ。


「ブルーワイルドボアか。ここは俺に任せとけ。試したいこともあるしな」

「いざとなったら参戦するよ」


 イリヤが援護する気満々で言う。

 ギルは「じゃあ、任せる」という一言で済ませた。


「……ブルルル、ブフッ」


 ブルーワイルドボアは蹄を立て地面を蹴る。

 その際にザッザッという音を立てながら。

 そして、勢いよくユリウス目掛けて突進してきた。


「さーて、手本代わりに使ってやるか。――天罰の剣」


 ユリウスは抜刀と同時に剣技を使い、横薙ぎに払った。

 払う少し前に光が集約し、払うと同時に収束した。

 そのまま枝で薙ぎ払うと同時に、ブルーワイルドボアが消し飛んだ。

 その後、その場にはブルーワイルドボアの残骸等はなかった。

 文字通り、跡形もなく消し飛んでいた。


「……ふむ、手加減はしたつもりだったのだがな」


 ユリウスの持っていた枝が、灰になって消滅する。

 枝が灰になったのを見て、「俺もまだまだだな」と心の中で言う。

 枝は、ユリウスの剣技に耐え切れなかった様だ。

 そして近辺を見渡し、ユリウスは新しい手ごろな枝を拾った。


「え!? 何、今の? ……」

「なるほど、完成すれば火力はすごいんだな」


 イリヤとギルは、感嘆していた。

 だが、ギルの表情には、呆れが少し混じっていた。

 そしてイリヤはユリウスの技を見て、目を輝かせている。


「まぁ、これが天罰の剣かな。相当手加減して火力を落としたつもりだったのだが……くっ!」


 ユリウスが話している直後、体全体を強烈な痛みが襲った。

 彼自身、痛みに対する耐性が高すぎてあまり痛いとは感じないが、不意に来る痛みに少々驚いた。

 定番になるかもしれない筋肉痛だ。

 先の技を使った代償である。

 まだ使うべきレベルまで、体が追い付いていなかったのだ。

 そしてその辺にユリウスは転がった。


「大丈夫? お兄ちゃん」

「ああ……さっきの技のせいで体中が筋肉痛で動けん。ははは」

「さすが、お兄ちゃんだね! 高火力による一撃必殺。うん。最高!!」

「ふふふ。だろ。手加減してなお、この火力なのさ」


 アリサがおだてるせいで、ユリウスがいつも通り調子に乗り出す。

 苦笑い浮かべながらだが……。

 ギルはそうなるであろうと、予想していたかの様な表情をしていた。

 もはやお決まりの光景だ。


「あんな大技を手加減してても、まだ不相応なんじゃないか」

「……確かにそうかも、だな。手加減すれば何とかなるかな~と思ってたけどダメだったわ。ま、イリヤに完成形を見せたかったってっのもある」

「それならアリサに頼めべよかったんじゃない?」


 ギルがアリサに視線を向けた。


「お兄ちゃんがやりたいなら、私は絶対に譲るよ」

「予想通り過ぎる回答だった」


 聞いたことを後悔しているような声音で、ギルが言う。


「それに今の私があれを使うと、お兄ちゃんより大きい反動を受けると思うから……」


 アリサの言葉を聞き、ギルはアリサが剣技を使おうとしなかったことに納得の色を示した。

 ギルも二人の実力は認めている。

 だから、いくら手本でも反動で動けなくなるようなことは状況判断的にもやらないだろうと、思っていた部分はあったが、ユリウスがそんなことを考える質ではないことを思い出し、困ったような顔をしていた。


「お兄ちゃん、ありがとう。今のを見本にして頑張るね。それと動けそう?」


 イリヤが心配そうにしていた。


「……うーん」


 イリヤに言われて体を動かそうとするがまったく動かなかった。

 一部の筋肉が酷く肉離れを起こしている部分もあり、体が思うように動かない。

 修復にはもう少し時間がかかるようだ。


(やっべー! 調子に乗って魔力回路にフルで魔力流し込んだせいで、こっちもこっちでオーバーヒートしてやがる。……こりゃー当分修復が行われないな)


 魔力回路の異常により、体の自由が利かなくなっていた。

 本来、血液のように循環する魔力が、心臓部付近で溜まってしまっている。

 それが原因となり、一部の脳波を阻害して体が動かなくなっていたりもする。


「全く動かんな。ピクリともしねー。これは辛いものがあるぜ。誰か肩を貸してくれないか?」


 ユリウスがチラリとギルを見た。

 すると、ギルは「はぁぁ」とため息をつきユリウスに肩を貸した。

 だが、その間にアリサが割って入り、嬉しそうにしながらユリウスに肩を貸した。


「うーん。これはこれでよかったのかな?」


 首を傾げながらどこか納得した表情をしているギル。

 そしてその帰り道に、イリヤがユリウスの腕とかをつつき、兄が苦悶するのを楽しんでいた。


 その後、ユリウスは多少回復して、歩けるようにはなっていた。

 そしてギルと別れ、ユリウスとアリサ、そしてイリヤの三人は屋敷に戻っていった。

 すると、使用人達の声がした。


「お帰りなさいませ、お嬢様。どちらにいっておられたのですか?」


 一人のメイド服を着たイリヤとアリサの専属の使用人であるフィニアが出迎える。

 少し怒っているような声音であった。

 何も言わずにどこかへ消えたのだ。

 当たり前である。


「……お兄様を見かけたので、何をしに行くのか気になって、後をつけてたなの」

「わかりました。クレア様がお呼びです。執務室まで来るようにとの事でした」

「わかったなの」


 そういうとユリウス達は三人で執務室に向かう。

 執務室の前に到着すると、扉を三回ノックした。

 「どなた」という返事が来たので、ユリウス達は自分であることを伝えた。

 「入って」という返事が返ってきたので、扉を開けて執務室に入室する。


「呼んだ理由はわかるわね? アリサ」

「はい……」

「なぜ、他の授業を何も言わずに休んだんの? 何か報告をしてくれれば、それでよかったのよ」


 クレアは叱るように言った。

 そしてクレアが報告しなかったことに対して、咎めているのは簡単な理由からだ。

 昔、冒険者をやっていた頃に報告が行われてなくて、痛い目にあったことがあり、報告の重要性を教えたったからだ。

 ユリウスとアリサは、イリヤの味方ではあったが、今は何もしない方がよいと思い、あえて割り込まなかった。

 イリヤは、俯きながら答えた。

 少し声に嗚咽を混じらせて。


「……だって、お、にい様達に……ついていくな、んて言ったら止められると思っ、て。ごめんなさいなの」


 イリヤの理由を聞き、クレアは「まぁ仕方ないか」と思った。

 ユリウスとアリサは常に自由にしていたため、それを見て気になるのは仕方ないと分かっていたからだ。

 実際、イリヤが窓からユリウスとアリサを見ていたという報告を受けていたから、なんとなくの予想はしていた。

 そしてクレアはイリヤに報告の重要性を教えていた。

 自分の実体験を織り交ぜながら。


「母さん、そのくらいでいいと思うよ。だって、イリヤに悪気はないし、まだ知らなかったわけなんだしさ」

「お兄ちゃんの言う通りだよ。次から気を付ければいいしね」


 ユリウスとアリサが、ちょうどよさそうなタイミングで助け舟を出す。


「そうね……ごめんなさい、イリヤ。これだけは、どうしても知っておいて欲しかったの」

「う、ん……」


 イリヤは涙目になっており、泣くのをこらえていた。


「それと二人とも、昼間の報告は助かったわ。街道の近くにワイルドボアが数匹いたから、もう少し遅れてたら怪我人が出るところだった」

「当たり前のことをしただけだ。気にしないでくれ」

「そうそう。怪我人が出る前でよかったよ~」


 クレアがユリウスとアリサに礼を言う。

 そして用件が済んだことを確認すると、三人は執務室を後にした。


 執務室から出て少しすると、イリヤはこらえていたものが解放されたのか、ユリウスとアリサの前で泣き始めた。

 そんな彼女を見て、ユリウスがイリヤを抱くようにして胸を貸した。


「もうすぐ飯になるから、着替えて準備をしようか」

「う、ん」


 ユリウスがイリヤをなだめてから、二人で部屋まで付き添った。

 その後、ユリウスとアリサは自室へと戻り、服を着替えてからリビングに向かう。

 少し早かったのか、料理の準備などがされている最中だった。

 その様子を見たユリウスは、邪魔にならない様に庭へ出て、夜風に当たりながら新しい魔法の構想を考えていた。

 そこへアリサとイリヤが二人揃って合流した。

 そのため考え事をやめる。


「二人とも、さっきはありがとうなの」

「どういたしましてだな」

「うんうん。どういたしましてだよ~」

「……ねぇ、前から気になっていたんだけど、おにいちゃんとおねえちゃんは何を目指してるの?」


 それを聞くと、二人は少し考える仕草をしてすぐに答えた。


「俺は、魔法を極めたから、次は剣でも極めようかな~。完全蘇生魔法の研究をしながらな」

「私もお兄ちゃんと方針は同じだよ~。今度は私が、お兄ちゃんの魔法の研究を手伝う側になるけどね」

「え!? あれだけ剣が使えて、純粋な剣士じゃなかったの?」


 イリヤが驚いて、つい声を荒げてしまう。


「まあな。魔導士にとって近接戦は天敵だ。それはイリヤもわかるだろ?」

「うん。流石にわかるよ。近づかれたら、魔法を使う隙がなくなって、一方的に攻撃されちゃうからでしょ?」

「だから、剣も一緒に鍛えたんだよ。近づかれても対応できるようにって。そして本職の魔法攻撃も同時に行えれば、少なくても弱点らしい弱点はなくなるからね~」

「それに両方使えればカッコいいだろ! 魔法と剣を極めればさらに強くなれるしな」


 ユリウスが強くなる意思表示をしていた。

 それを聞きイリヤは、自分は何から鍛えるべきなのかを聞いてみたくなった。

 だが、ユリウスとアリサのことを聞き、イリヤはそちらについて聞もきたくなってしまった。


「でも、それじゃあ中途半端で、剣も魔法も極められないよ」

「……まぁ、そうだな。だけど、魔法はもう十分すぎるほどに極めちまったからな~。残ってるのは死体が無くても死者を蘇生できる、完全蘇生魔法についての研究だけだし、何よりこの研究はずっと前からやってるけど、糸口が見つからなくて、気分転換しながらじゃないと、きついしな」

「私の最終的な研究は、つい最近終わったから、あとは研究を手伝ってくれたお礼にお兄ちゃんの研究の手伝いと、剣の修行くらいしか残ってないからね~。もしも、私たち二人よりも強い強敵が現れれば、その時が魔法をさらに成長させるチャンスになるかもしれない」


 少しして、イリヤが考える素振をして疑問を口にした。


「……でも、おにいちゃんと私って一つしか年が違わないし、おねえちゃんに限っては同い年なのに、なんで極めたなんて言えるの? だって、極めるにはそれだけの時間じゃ無理だと思うなの。もっと気が遠くなるほどの時間が必要なの」

「あ……まーあれだ俺たちにも色々あったんだよ。そう色々とね。な、アリサ」

「う、うん! そ、そそそうなんだよ。あはは」


 明らかに挙動不審で怪しい二人。


「え、でも——―」


 イリヤが口を開こうとした瞬間、ユリウスが話を遮った。


「そう言えば、お前聞きたいことがあったんだろ? そんな顔してたし」

「そうだったの。私、実は魔法も使えるなの。だから、どっちを先に鍛えればいいのか教えてほしいなの」


 上手く誤魔化せたことに安堵する二人。

 そしてイリヤの質問に、ユリウスが先に口を開く。


「なるほどな。難しい質問だ」

「剣か魔法か……確かに難しいね。私たちは、イリヤの剣は見たけど、魔法は見てないからね~」

「アリサの言うとおりだな。……イリヤから聞いたことを信じるなら剣を鍛えるべきだな」


 悩みに悩んだ末の答えだった。


「何でなの?」

「それはな、イリヤ、お前の太刀筋が原因だ」

「原因?」

「ああ、でも悪い意味じゃないからな。妹よ、お前は筋は良いけど、まだ自分にあった型になってない。それにも関わらず、あれ程まで剣技を鍛え上げていたその直感と才は本物だ。故に、その原石を磨けばさらに綺麗になる。つまりは実戦と稽古を積めば、今よりもさらに強くなるはずだ。最後に個人的な見解を言うならば、恐らくだが成長速度は魔法を鍛えるよりも速いだろと思うからだ」

「それに魔法について鍛えたいなら、私たちが一から教えてあげる。そうすれば、剣よりも早く成長できるかもしれない。お兄ちゃんの意見とは、少し違ってくるかもだけど。……でも、昼間に剣を練習するのはいいと思う。魔法は使って慣れるのも大事だけど、真理を理解してこそ真価を発揮するから。私たちの研究成果の一部を夜に教えてあげる。そうすれば、剣より少し遅い速度くらいで成長できると思うから」


 アリサが丁寧に教えた。

 珍しく二人の意見が一致しなかった。

 だが、アリサの説明を聞き、ユリウスもその案に賛同していた。

 二人の長々とした説明を、イリヤはちゃんと聞き、自分に何が足りなかったのかをしっかりと理解していった。

 特に何から手を付ければいいのかを。


「確かにアリサの言うことも一理あるな。魔力を鍛えるなら魔力を消費しながら、剣の鍛錬をするのが無駄が少なくていいと思うぞ。俺の経験的にな。魔力を何もせずただ消費させていくのには、結構集中力を使ったりして疲労するだろ。だから、疲労耐性も副次効果として上がる。集中力と疲労耐性は実戦で一番大事なもの一つだからな」

「剣が上達して魔力も上昇するし、集中力も上がるいい方法があるよ。ついでにお兄ちゃんが言ってた疲労耐性も上がっちゃうよ~」

「そんないい方法があるなの!!」


 イリヤは、嫌な予感を覚えたが、まさかそんなことはないだろうと思い、忘れることにした。

 だが、その予感は近い未来当たることになるとは、イリヤには知る由もなかった。

 そしてその方法をユリウスがイリヤに話そうとしたとき、シスが話かけてきた。


「お! お前らが一緒にいるなんて久しぶりの光景だな」

「そうですか? シスお兄ちゃん」

「たしかに久しぶりの光景になるな、兄さん」


 ユリウスはがシスへ雑に返した。

 シスもユリウスと話すのは、久しぶりだった。

 最近は、学ぶことも多くなり、なかなか会う機会が出来ていなかったのだ。

 食事の際も大抵ユリウスは寝坊したり、研究したりで時間がズレているのも原因の一つだ。


「ユウは最近どうだ? スキル鑑定後からそのあれだなよく出掛けてるみたいだが」

「兄さん、気を遣わなくいいぞ。俺はあまり気にしてないし、これでも強いからな」


イリヤがフォローする様に割って入る。


「そうです! ユウお兄ちゃんは、すごーく強いなの」

「そうなのか? 見てない内に変わったのか。なら、一戦やってみるか? イリヤのお墨付きなら結構気になるぞ」


シスの摸擬戦の申し出を、ユリウスが承諾しようとしたとき、屋敷の方から使用人が食事の支度が出来たことを伝えに来た。


「お嬢様方、お食事の準備が整いました」

「わかった。悪いが兄さん、その申し出はまたの機会に」


 シスもその意見に同意した。

 そしてアリサとイリヤが試合を見れなり残念がっていた。


「シスにぃとユウにぃの試合見たかったな~」

「むぅー残念なの」


 そしてアリサ達がリビングへと戻っていった。

 それから三時間後。

 イリヤはユリウスの部屋で、勉強を終えてから直ぐ寝落ちしてしまっていた。


「全く、仕方がないやつだな。だけど、よく頑張ったな」

「偉い偉いだよ」


 ユリウスは微笑しながらイリヤをお姫様抱っこして、自分のベッドに寝かせた。

 そして頭を撫でながら「頑張ったな」と言う。

 その間にアリサがイリヤに毛布をかけていた。

 そしてユリウスとアリサは部屋の窓を開けて外に出た。

 外に出て直ぐに窓を閉めると、ベランダから飛び降りて庭に着地した。

 屋敷の敷地内から出るために、門へ行こうとした時、二人に声が掛けられた。


「二人とも、こんな時間に何処へ行くの?」


 声を掛けてきたのは、クレアであった。


「ちょっと散歩をしにいくだけだよ母さん」

「そうそう。夜空を見ながらお兄ちゃんとお散歩だよ~」


 二人は夜の魔物を狩りに行こうとしていた。

 夜は凶暴な魔物が出現しやすい時間帯だ。

 無論、昼間でもいるが、夜の方が目に頼る戦いは出来ないため、二人は夜を選んだのだ。

 そしてこの二人にとって魔物狩りが散歩である。

 ついでに魔導銃の試射も出来たらやろうかな程度に、ユリウスが思っていた。


「ホントに? 何か企んでないわよね」

「何も企んでないよ。ただの散歩だ」

「そう、ならいいんだけど」


 クレアは疑いの目で二人を交互に見ていたが、ユリウスは何もしないと主張した。

 無論、嘘だが、とユリウスは胸の内で言った。


「それはそうとイリヤはどうしたの?」

「イリヤなら俺の部屋で寝てるよ。さっきまで勉強してたから、疲れたんだろう」

「ありがとう。イリヤの面倒をみてくれて」

「気にしないでくれ、俺はイリヤの兄貴だから可愛がるのは当然だ。それに母さんが忙しいのは知ってるからさ」

「そうそう。イリヤと一緒にいるのは、楽しいしね。私もお姉ちゃんらしいことが出来て、満足してるんだ~」

「ふふ、ホントにありがとうね」


 二人はそれだけを言い残し、門から敷地外へと出ていった。

 門から出てすぐに、ユリウスが言い忘れを思い出して戻ってきた。


「明日、アリサを借りるかも」

「よろしくね~」


 クレアにそれだけを告げると、今度こそ散歩に行った。

いつも読んで下さり有難うございます。

『面白い』や『よかった』と思っていただけたら評価やブックマーク、感想等をしていただけると嬉しいです。


これからもよろしくお願いします。


更新は毎週木曜日もしくは土曜日の予定です。

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