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久しぶりの目覚め

 どうやって莉愛を救うのかを話し合っては行き詰まり、話し合っては行き詰まりを繰り返して五日が経過してしまった。

 莉愛がニュージーランドに旅立ってしまう土曜日まで、残り三日しかない。


 まだ何も思いついていないのに──と気持ちばかり焦る。


 でも焦ってはダメだ。あと三日もあれば何かいい案が思いつくかもしれないから……と考えていたら、今日も夕飯を食べ終わってしまった。

 寝るまで時間もあるから、その間に莉愛を救い出す方法を考えよう。


 午後の二十時。早々と寝る準備を済ませて、俺は自分の部屋に戻った。

 姉たちと案を出し合う時間もいいが、たまにはこうやって一人になった方が、何かいいアイディアが浮かぶかもしれないと思ったのだ。


 ローテーブルの上にお茶のペットボトルを置いて、ベッドを背もたれにして座る。


 さて、ちょっくら本気を出すか。いざ集中しようと深呼吸すると──ノックもなしに部屋のドアが開いた。


「お邪魔します」


 ちょこんとお辞儀をしながら部屋に入って来たのは、髪をしっとりと濡らして、体にバスタオルを巻いた衣緒お姉ちゃんだった。

 バスタオルは胸の位置で固定されているので、立派な谷間が出来上がっている。胸が好きな人から見たら、絶景なのだろう。


「おう。どうぞ」


 衣緒お姉ちゃんが部屋にやって来ることはよくあることなので、俺も特に気にすることなく衣緒お姉ちゃんを招き入れる。


 衣緒お姉ちゃんはどこに座ろうかと迷った挙句に、定位置のベッドへと潜り込んだ。


 それからお互いに無言の時間が続くと、衣緒お姉ちゃんの異変に気が付いた。

 ベッドで寝転がりながらこちらを見る衣緒お姉ちゃんに顔を向ける。


「なあ、なんでバスタオル巻いてるんだ?」


「お風呂から上がったから」


「ああ、そっか。お風呂入ってたのか」


「うん。いいお湯だった」


 俺は「それはよかった」と笑顔を作ってから、莉愛を助け出す方法を考えようとして──ふと我に返った。


 もう一度衣緒お姉ちゃんの方を向くと、彼女はキョトンとした顔で首を傾げた。


「いやいやいや。俺が言いたいのはそういうことじゃなくてさ、どうしてお風呂から直行で俺の部屋に来たんですかってことなんだけど」


「ん、どうしてお風呂から直で瑞稀くんの部屋に来たって分かったの?」


 やっぱり自分の部屋に戻らずに、風呂場から俺の部屋に直行して来たのか。いつもは髪を濡らしながらも、一旦自分の部屋に戻ってから来るので、こういうケースは初めてだ。


「髪もいい感じに濡れてるし……今、バスタオルしか着てないだろ? いや、バスタオルは着てるって言わないか。バスタオルは『巻いてる』だな」


「うん。バスタオルしか巻いてない」


「バスタオルの下は裸だな?」


「バレたか」


「それが風呂場から直行して来たって分かった理由だ」


「さすが瑞稀くん。名探偵」


 名探偵ではない。髪を濡らしてタオルを巻いている人が入れば、大体がお風呂上がりだと予想できるだろ。


「バスタオルだけで寒くないの?」


「寒くない。お布団入ってるから」


「そうか。それはよかった」


「瑞稀くんも一緒にお布団入ろ。そしたらもっと温かくなる」


 掛け布団を持ち上げて、衣緒お姉ちゃんは隣をポンポンと叩いた。

 衣緒お姉ちゃんはしばしばこうやって、俺のベッドに入っては、俺と添い寝をしたがる。初めの頃は断ろうとしたが、衣緒お姉ちゃんは俺が添い寝するまで諦めないので、いつも折れるしかない。

 その経験があるから無駄な抵抗をする気が起きず、俺はため息を吐きながら立ち上がった。


「しょうがないなあ」


 莉愛を救い出す方法を今すぐ考えなくちゃいけないんだけどなー。と思いつつも、俺は衣緒お姉ちゃんの隣に寝転がる。

 衣緒お姉ちゃんは満足そうな顔のまま、俺にも布団を掛けてくれた。二人で一人用のベッドに寝転がっているので、少しだけ狭く感じる。


「瑞稀くん。可愛い」


 衣緒お姉ちゃんはそう言うと、俺の真正面からむぎゅっと抱き着いて来た。

 バスタオルしか身につけていないので、衣緒お姉ちゃんの柔らかなおっぱいや体を直に感じる。

 女の子の体って柔らかくて気持ちいいんだということを、姉たちとのスキンシップの中で知ることが出来た。


「はいはい。衣緒お姉ちゃんも可愛いよ」


 可愛いには可愛いと返すのが正解だとSNSで見た気がするので、最近は衣緒お姉ちゃんに「可愛い」と言う機会が増えた。

 ついでに頭を撫でてやると、衣緒お姉ちゃんは目を細めてゴロゴロと喉を鳴らす。まるで猫だ。

 それに頭を撫でれば撫でるほど、衣緒お姉ちゃんの抱き着く力が強まる。

 そのせいでおっぱいがお腹に押し付けられる。そんなに押し付けて、おっぱいが痛くないのだろうかと心配してしまうくらいだ。


 おっぱいの柔らかさを感じながらも、莉愛を助け出す方法を考えようとすると──下半身に違和感を覚えた。


「ん、なんか当たってる」


 これには衣緒お姉ちゃんも気が付いたようで、二人して布団の中を覗いてみる。

 そこにあったモノを見て、俺と衣緒お姉ちゃんは驚きで目を見開いて、顔を合わせた。


「たってるな」「たってるね」


 その勇ましい姿になっているモノを見て、俺と衣緒お姉ちゃんは思わず声を合わせた。

 匂いでも、噛まれたワケでもないのにたっている息子を見て、俺はどうしてか嬉しさが込み上げていた。

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