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人面剣

 宿屋の食堂で食事後、


宿の2階にあるラックの取った広い部屋に


ラックら5人は移動した。



 ゆったりとしたソファーが2つあり


そのソファーにラック以外の4人が座り、


ラックは備付けの椅子を持ってきて座った。


テーブルに『ブエレン』の街の地図を広げた。



 ラックは仲間ら4人が座ると口を開いた。


「今回のクエストは俺の予想では


不死魔術師リッチを討伐しないと終わらないと考えてる。」



 バーナードが口を開いた。


「そりゃ、そうだろうけれど居場所がわかんねぇぜ。」



 「俺がなんとかリッチを見つけ出して


単騎たんきでリッチを討つ。」



 ノーラは焦った様子を見せた。


「そんな・・・ラックさん一人なんて危険すぎます。」



 ラックは頷いた。


「だね。帝都を出るまでは全員で協力しあって


少しずつでも敵を倒していって


十分に敵の数を減らしてから


リッチをおびき出してから


リッチに決戦を挑むつもりだったんだ。


でも、幸運な事にエリックという戦力を得た。


俺以外の4名で馬車を中心にして敵と戦ってくれ。」



 テューネが考えこんだような仕草をした。


「馬車で敵地に乗り込むのかい? 


敵地で移動手段を奪われたら困らないかい。」



 テューネにラックは視線を向ける。


「うん。それは困るけれど


軍用馬車はその耐久度で要塞にもなるし


回復薬や魔法薬を一々、取りに行かなくて済む。


万が一、リッチが複数体いたら、


リッチによる魔法攻撃も


ミスリル銀の馬車の中なら耐えられる。」



 バーナードが口を開く。


「でも、天馬ペガサスがやられちまうんじゃねぇか? 」



 ラックは首を横に振った。


「ラブリーサンシャインは怪物程度にはやられない。


コルクスター公国アルブルド家のゆかりの


エリックならその理由がわかるんじゃないかな。」



 エリックは静かに頷いた。


「ええ。アルブルド家は


人間最強の剣術を持っています。


しかし、そのアルブルド騎士団をもってしても


隣国に聖獣騎兵には勝つのは難しかった。」



 「惜しい! 不正解! 」


エリックの答えにラックはそう言った。


「そりゃ天馬ペガサスは強いだろうけれど


馬車に繋いでるから戦闘に期待できない。


えっと、ラブリーサンシャインって


なんか、光ってるでしょ。


あれは聖属性の光なんだけれど


あの光は死霊が浴びると


存在を保てなくなるくらいの効果は持ってる。


ラブリーサンシャインを襲うっていうのは


死霊にとっては


聖剣に自ら斬られにいくようなものだよ。


不死魔術師リッチ程度の魔法じゃ、おそらく、


天馬がまとう聖光を打ち抜けないと思う。」



 「マジか!? そりゃすげぇな。


あの天馬ペガサスは足が速いだけじゃなかったのか。」


バーナードは腕を組んで感心した。



 「へぇ~。よくそんなすごい天馬ペガサス


フィガロ様から貸してもらえたねぇ。」


ラックにテューネは言った。



 「凄い天馬ペガサスだから、贈与ではなく


レンタルしかしてもらえなかったんだよ。」


ラックは苦虫を噛んだような顔をした。


「で、ノーラなんだけれど


戦闘中はずっと馬車の中にいてよ。」



 ノーラは抗議こうぎの目をラックに向けた。


「どうしてですか! わたくしも外で戦います。」



 ラックは首を横に振った。


「だって、ノーラは攻撃法術を持ってないでしょ。


ノーラを守りながら戦うのは攻撃面で非効率なんだよ。


だから、衛生兵メディックとして頑張って欲しい。」



 ノーラは悲しげに涙を目に浮かべうつむいた。


「わたくしは、やはり役立たずなんですね。」



 テューネがラックに視線を向ける。


「あたいがノーラを守ってやるから


ノーラも戦闘に参加させてあげたらどうだい? 」



 「ダメ! ノーラは馬車の中からでも


外の仲間に回復法術は使えるよな。」


ノーラにラックは問いかけた。



 「はい。それはもちろんできます。」


ラックの問いかけにノーラは答えた。



 ラックの表情が明るくなった。


「ノーラ、それはノーラの強みじゃないのか。


それは戦闘に立派に参加してるって事だろ。


馬車の中にいる事が卑怯とか考えるな。


馬車を自分のよろいとでも考えてくれ。


馬車の中なら安定して法術詠唱もできるし、


負傷した味方が馬車の中に


入ってきたら治療にも集中できる。


ノーラは支援戦力って事を忘れないで欲しい。」



 ノーラはまだ不満げな表情をしていたが


「わかりました。お荷物にはなりたくありません。


自分の出来る事を精一杯がんばります。」



 テューネにラックは視線を向けた。



 ラックの視線にテューネは首をかしげる。


「ラック、あたいになにかあるのかい? 」



 「テューネ。魔法は禁止。」



 テューネは目を見開いた。


「馬鹿言ってんじゃないわよ!


魔法剣士が魔法使わないでどう戦うの! 」



 「・・・魔法薬、あれは毒だ。


無理に魔法を使い続けて魔法薬を飲み続けたら


体が魔素に侵されて戦力が低下してしまう。


下手したら寿命も削ってしまう。」



 ラックをテューネは睨んだ。


「そんなの当たり前のことさ!


魔法使いは皆、


その覚悟の上で魔法を使ってるんだ。


魔法を使わない方があたいの戦力は低下するだろ。」



 ラックは立ち上がり、


壁に立て掛けてあった剣を


握るとテューネに差し出した。


「だから、これをテューネに貸してあげるよ。」



 ラックからテューネは


剣を受け取ると、ジッと剣を見た。


つばに人の顔を模した装飾がついた剣だった。


「なんだい? この気味悪い剣は。」



 「その剣を鞘から抜いてみたらきっとわかるよ。」


テューネにラックはそう言った。



 「え? 抜けばいいのかい?」


テューネは立ち上がった。


ラックに勧められるままに


テューネは剣を鞘から抜いた。


すると、剣のつばの人面の目が


グワッと見開いた。


その瞬間、グオォォォォォ! と


テューネの体に力が沸き上がった。


「なんだい? これ。なんだか怖い。」


テューネは戸惑った表情を見せた。



 ラックは大きく口を開けた。


「エリック!


テューネにマナの剣撃を打ち込んで! 」



 「は? はい。」


エリックはなんとなく察して右手にマナの力で


見えない剣を作ると、


ソファーから腰を上げてテーブルに足をかける。


居合抜きのような形で


右正面のテューネに高速の剣撃を打ち込んだ。



 「うわぁぁぁあ! 」


いきなりのエリックの攻撃にテューネはたじろぐ。



 その瞬間・・・


パリィィィィィン!!!っと何かが砕けた音がした。



 「こんなことが・・・。」


剣撃を撃ち込んだエリックが呆然とした。



 テューネは両手で剣を振り切った構えをしている。



 「オレっちのマナの聖剣が


その剣で斬られて打ち消されちまいました。」



 エリックをジッとテューネは睨んだ。


「ちょっと! いきなり何すんのさ!


あたいを殺す気かい! 」



 テューネにラックは両手を上下させてなだめる。


「まあまあ。死んでないだろ。それがその剣の力だよ。


持ち主を有り得ない程に強くしてしまう剣。


その名を『殺意の人面剣ソードマン』っていうんだ。」







はじめまして。


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