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聖剣術

 空中で前転してエリックは着地した。


「今の攻撃を避けれるのはすごいじゃん。」



 槍の石突いしづきを地面について


体を支えるとバーナードは立ち上がった。


「見えない剣とどう戦えってんだよ。」



 ラックは地面に胡坐をかいて


ジッとエリックの体全体を観察している。



 ラックの横にテューネとノーラが座った。


 

 「なに。決闘? 」「あの人、盗賊さんですか? 」


テューネとノーラはラックに質問した。



 「あの人は盗賊の用心棒なんじゃないかな。


アルブルド一族の人間なんだってさ。」



 テューネは驚いた顔をした。


「世界最強剣術アルブルドの剣士か。


滅多に見れるものじゃないから


目に焼き付けなきゃ。」



 「世界最強って、


バーナードさん大丈夫なんですか? 」


ノーラは心配そうにバーナードを見つめた。



 「試合って事にしたからどちらも死なないよ。」



 テューネは考え込んだ。


「あの二人、殺し合いしてる雰囲気がするねぇ。」



 「もしもの時はノーラさんに回復頼むかも。」



 「え!? はい! 頑張ります! 」


ラックの言葉にノーラはそう反応した。



 エリックはバーナードが立ち上がったのを


目で確認すると、片足を軸にクルリと一回転した。



 エリックの不可解な動きに


バーナードは槍を直線に構えて腰を低くした。



 ブォオオオオオン!!!と音がしたと思ったら


さっきまで距離を取っていたはずのエリックが


いきなり瞬間移動のようにバーナードの右横に現れて


横薙ぎに両手を振った。



 とっさに気付いて槍を右に立てて見えない剣を


槍の柄で止めようとしたが


すごく嫌な予感がしたバーナードは


槍の穂先を地面に突き立て


棒高跳びのように両手の力で上へ飛び上がる。



 バーナードの予感は的中した。


エリックの見えない剣は槍の柄をすり抜けたのだ。



 エリックは槍の柄を左足で横蹴りした。


槍の穂先は地面から抜けた。


「うわぁ。」とバーナードはバランスを崩しながら


体を横に捻って空中でエリックに対して槍を薙ぎ払った。



 エリックは身も軽々とバック転しながら槍を回避した。



 エリックはすぐ身を屈めるとジャンプして


マナで次々と力場の床を作りながら空中を駆け上がると


逆立ちして飛び上がって真上の空中を蹴った。


空中から剣先をバーナードに向けて一直線に飛んできた。



 バーナードは目を瞑って呼吸を整える。


槍を上に向けると、槍術『必中彗星貫ひっちゅうすいせいかん!』


槍は上を向いて止まったままで


槍の穂先に強い力が集中していく。



 バーナードの槍からの出る強い気配を感じて


エリックは前方にマナで足場を作って両足を前にして


足場をつけて踏ん張ってブレーキをかけた。



 エリックがブレーキをかけたのを


見たバーナードは笑みを浮かべた。


「その鋭い勘でブレーキをかけたのは正解だが


間違いでもあったな! 」


バーナードの槍は投げもしないのに手から離れて


ロケットのように飛び上がり


高速で一直線にエリックに向かっていく。



 足場を作りながらエリックは縦横無尽に


空中を移動したが槍は追尾してくる。


「クッ! ねちっこいなぁ。」


目の前に来たバーナードの槍を


エリックは見えない剣で振り払った。


カンッ!!!と音を立てて槍は吹っ飛んだ。


しかし、空中で穂先がエリックに向いた瞬間、


また槍は一直線にエリックに向かってきた。



 エリックは空中の真上に足場を作ると


その足場を両足で蹴って地面に一直線に飛んだ。


地面につく直前に前転して地面に両足を向けた。


両足で着地したと同時に剣を構えた。


「しつこすぎ! 『円聖領域えんせいりょういき』を展開! 」


エリックの周囲に半円状にマナが広がった。


槍がマナの領域に入ると


エリックの体はまるで自動で


動いているかのように


正確に槍を見えない剣で弾いた。


槍を見えない剣で弾き続けながら


エリックはバーナードに歩み寄っていく。



 「うそだろ。必中の奥義が通用しないだと!? 」


さすがのバーナードも逃げ腰になる。


たまらず両手を前にして「戻れ! 」と叫んだ。


槍はエリックへの追尾をやめた。


槍は飛翔してバーナードの両手に収まった。



 その瞬間、エリックは大きく右足をあげた。


ズドンと力強く右足を地面に下ろした。


ブォオオオオオン!!!と音を立てて


まるで氷の上を滑るような移動で


バーナードとの間合いをつめてきた。



 バーナードは後ろにのめったが


のめった体を捻る事で溜めを作って槍を構えた。


「マジであんた怖えよ! 『流星100連弾』!」


目にも止まらないバーナードの槍の高速連続突き攻撃を


カン! カン! カン! カン! カン! カン!と


エリックは顔色も変えずに見えない剣で


全ての攻撃を受け流す。



 ラックは眉を動かした。


(ん。 あの移動の右足を上げる癖。


聖剣術を人間に伝えるとしたら戦乙女ワルキューレだろう。


うちのヒヤルは足を前に出しながら上げる。


ブリュンヒルデは無駄に足を上げたりしない。


ベルダンディーは少しだけ足を上げるな。


大きく右足を上げるのは・・わかった! ウルドだ!


アルブルド家に剣術を伝承したのはウルドだ! )








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