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名門の剣士

 ラックは盗賊団の頭目と


対峙したまま一歩も動かない。



 髭面の頭目は


ラックのただならぬ気配に不気味さを感じた。



 「エリックさんを呼んでこい! 」


髭面の頭目は大きく口を開けてそう叫んだ。



 ラックは口を開いた。


「あんたらの境遇には多少は同情はするが


俺たちも遊びでここを通っているわけじゃないし


支払った金もあぶく銭ってわけでもない。


あんたら・・・


死ぬ前に何か念仏でも唱えたらどうだ。」



 頭目の横にいた盗賊4人が剣を抜いて


一斉にラックに襲い掛かった。



 盗賊たちの剣の刃が


ラックの頭、肩、腰、胸に当たった。


しかし、ラックの体は刃を通さず剣が跳ね返った。



 「馬鹿な! 」


頭目は驚愕して体が固まった。



 4人の盗賊はすばやく後ろにサッと退くと


周囲の盗賊たちから数十本の矢が


ラックに向けて放たれた。



 ラックは数十本の矢が当たって


ハリネズミのような姿になったか思うと


ラックに当たった矢の全てが地面に落ちていった。



 馬車で見ていたバーナードは驚きを隠せない。


「ラック、お前の強さは規格外すぎんだろ。」



 ラックは頭目を見つめていた。


「念仏は唱え終えたかな。」と言うと


左目から紫色の光が瞬いた。


ラックは腰を低く落として両脇をしめて構えた。


「心意気功術『方陣気殺断ほうじんきさつだん』!!!」


ブワァァァア!!!っとラックの体から放たれた気が


周囲に潜む盗賊たちを含め全員の体を通り過ぎる。



 バサッ・・・バサッ・・・バサッ・・・・


周囲の木の上から


地面に盗賊たちが落下していく音がした。



 ラックの目の前の頭目を含めた5人も膝をついた。


姿勢を保てずに盗賊たちは地面に手をつくと


うつ伏せに倒れていった。



 「バケ・・モ・ノ。」と息苦しそうに頭目が言った。


盗賊たちは全員が呼吸困難に陥ったように


首を掻きむしり始めた。



 「苦しみながらそこでゆっくり死んでよ。」


ラックは後ろを振り返ると馬車に向かって歩き出す。



 バーナードは馬車から飛び降りて


ラックに向かって走り出した。


ラックの前に立ってバーナードは両肩を掴んだ。


「おいおい。いくらなんでもやり過ぎだろ。」



 「バーニー。まだ終わってない。


凄まじい気配を持った人間がすぐにここにくる。」



 「なに?


そいつはお前が警戒するほどヤバいのか? 」


バーナードは周囲を警戒した。



 「やってくれちゃってんじゃん! 」


黄色のズボンに白のタンクトップを着た青年が


片膝をついて頭目の首筋を触っている。



 後ろの青年に振り返りもせずラックは口を開いた。


「マナの強い気配だね。あんたアルブルドさんかい? 」



 その言葉に青年の片方の眉が吊り上がった。


「お前さん、マナの気配を感じれるって只者じゃねぇな。」


青年はゆっくりと立ち上がった。



 「オレっちの名前はエリック・アルブルド。


アルブルドの分家のしがない4男坊さ。」



 バーナードは、たじろいだ。


「アルブルドだと!?


なんで剣術の名門の子息が盗賊の味方してんだ。」


ラックの肩越しに青年を見つめて


バーナードは困惑した表情を浮かべた。



 「少しは骨のある相手と戦いたかったんだ! 」


ラックはブワっと勢いよく後ろを振り向くと


青年に向かってラックは笑みを浮かべた。


ラックの顔から異様な凄味が放たれていた。







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