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冒険者ギルド門前

 次の朝10時過ぎ。


ラックは冒険者ギルドに向かって歩いていた。


仲間との待ち合わせは午前10時半であった。



 ラックは落ち込み顔である。


昨日はホテルでマリアを怒らせてしまった。



 (仕事しろって言ったり、


危険な仕事をするなって言ったり


明日は決めようか迷っている物件を


一緒に見に行くつもりだったのに。とか


俺はマリアに対して何も悪い事してないのに


毎日、マリアに謝ってばっかりだよ。まったく。)



 ギルド前にラックは到着すると


冒険者ギルドの門前に


バーナード、テューネ、ノーラがすでに来ていた。


 「よう! おはようさん。どした?


元気ねぇじゃねぇか。」


バーナードがラックに声をかけた。



 「これからクエストだってのに元気出せ。」


ラックをテューネは励ます。



 「ラックさんおはようございます。


何かお悩みでしたらお話を聞きますよ。」


ラックにノーラは優しい言葉をかけた。



 「みんなおはよう。


昨日ね、奥さんと揉めてさぁ。


これから張り切っていかなきゃなのに


愚痴っぽい事言っちゃってごめんね。」


ラックは仲間たちに謝った。



 「そっか、そりゃ大変だったな。」


バーナードは眉間をポリポリと指でかいた。



 「奥さんって、結婚したのか。


相手はマリアちゃんか。」


ラックにテューネは顔を近づけた。



 「うん。戦争前に城から出てったから


テューネさんは知らないよね。」


ラックは照れたように答えた。



 「ラックさんって既婚者だったんですね。


その歳でご家庭を持たれてるなんてすごいです。」


ラックにノーラは感心したような視線を向けた。



 「まだ新婚ホヤホヤなんだ。


帝都にも来たばっかりなんだけれど


お昼にあまり相手をしてあげられなくてさ。」



 「なんか、クエストに誘っちまって


夫婦の時間を奪っちまったみたいでわりぃな。」


ラックはバーナードは気を使った発言をした。



 「誘ったのはあたいだよ。


バーナードは気にすんな。


クエストから帰ったらマリアちゃんに


あたいからも事情を説明をしてやるから。」


ラックにテューネはゴメンという仕草をした。



 「みんな気を使ってくれてありがとう。


でも、これから命をかけたクエストだ。


気持ちを切り替えて頑張るよ。」


仲間たちにラックは精一杯の笑顔を向けた。



 「おう。じゃ、リーダー。


オレたちに指示って奴を出してくれ。」


バーナードはラックに指示を仰いだ。



 「ああ。じゃ、みんなには悪いんだけれど


ギルドの受付に言って


物資を通り沿いに運んでくれるかい。」


仲間たちにラックは指示を出した。



 「いいよ。で、ラックは何をするんだい? 」


ラックにテューネは訊いた。



 「馬車を取りに行く。


朝に馬を馬車屋さんに連れていって


馬に馬車を取り付けてもらっているんだ。


それを引き取ってここに戻ってきたら


物資の搬入をするつもりだよ。」



 「馬車を自前で用意したのか! 」


ラックにバーナードは驚いた顔を向けた。



 「うん。馬も実家からの借り物だし


馬車もお店からのご厚意で


レンタルしてもらったんだ。」


ラックは軽く事情を話した。



 「それでもすごいよ。


昨日の今日で色々と動いてくれてたんだね。」


ラックにテューネは感心した。



 「言ってくだされば


昨日、お付き合いしましたのに。」


ラックにノーラは不満げな顔をした。



 「いや、俺も寄り道ついでだったんだ。」


ラックは言い訳じみた返事をした。



 ラックは思い出したかのような顔をした。


「そうだ。忘れないうちに渡しておくよ。」


ラックは肩下げカバンを探って


可愛いリボンで


ラッピングされた白い紙包みを2つ出した。



 「なんだそれ? 」


ラックにバーナードは訊いた。



 「女性用の下着さ。


2人に渡しておこうと思ってね。」


ラックはテューネとノーラに紙包みを差し出した。



 「おい! 下着っておまえ。」


バーナードは自分の額に手を置いた。



 「え? 」


ラックは何がいけないのかわからない。



 「あたいと寝屋ねやを共にしたいのかい。」


テューネは意地悪そうな笑顔で紙包みを受け取った。



 「ラックさん! 


奥さんがいるのに破廉恥ハレンチではありませんか? 」


ノーラはプイっとそっぽを向いた。



 「あ! え? 違うって!


そういう意味じゃないってば!


皮のロングTシャツと皮のパッチだよ!


防具! 防具なんだよ!もう!


女性が怪物の爪とか牙で肌を


傷つけたらいけないと思ったんだよ! 」



 「なんだ。そういうことか。」


バーナードは安心したように言った。



 「マリアちゃんに


告げ口してやろうと思ったのに残念。」


テューネはニヤニヤとしてそう言った。



 「そうだったんですね。


わたしたちを気遣って


買ってくださったんですね。


変な誤解をしてしまってすみませんでした! 」


ラックにノーラは深く頭を下げた。



 「ありがとうございます。」と言って


ラックからノーラは紙包みを受け取った。



 「わかってくれたらいいんだよ。


結構、物資があるだろうからみんな無理しないでね。


ゆっくりでいいんだからさ。


じゃ、俺は馬車屋に行くよ。」



 ラックは仲間たちに手を振ると馬車屋に向かった。







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