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4人目の仲間

 難しい顔でバーナードはテーブルで酒を飲んでいる。



 女性冒険者が2名が連れ立って食堂に入ってきた。


その女性冒険者たちは服装から


職業は剣士と神官だと推測ができた。



 ラックは女剣士に見覚えがあった。


その女剣士はギネタール城内で


ラックと手合わせをしたテューネ・イストンだった。



 テューネを一目見て


すぐにラックは気付くと顔を下に向けて


テューネに気付かれないようにした。



 別にテューネに対してラックは


やましいことがあるわけではないが


バーナードの言っていた連れの冒険者であることが


なんとなく察せられたので遠慮したのである。




 2名の女性の冒険者は食堂に入ると


バーナードのいるテーブルに歩み寄ってきた。



 「どうも、バーナード。


あんたとパーティーを組む日が来るとは


思わなかったよ。」


女剣士テューネがバーナードに声をかけた。



 「おう、火の魔法剣士。


ソロB級のお前の実力はオレも認めている。


さぁ、椅子に掛けてくれ。」


テューネにバーナードは返事をした。



 テューネの横にいた女性神官が


モジモジしながら口を開いた。


「あの・・はじめまして。


バーナードさん、わたくしは


支援職のノーラ・ブリュエと申します。


よろしくお願いいたします。」



 バーナードは困った顔をして口を開く。


「ああ。オレがバーナードだ。


あんた、E級というのは本当か?


それが本当なら今回のクエストは厳しいだろう。


やめるなら今のうちだぞ。」



 「わたくしはE級冒険者です。


わたくしも最初は辞退したのですが


回復職で予定が空いているのは


わたしだけでしたので


受付の方に強引に説得されてしまいました。」



 「そうか。回復職は貴重だからな。


参加してもらえるのは正直ありがたいが


E級だと、あんたを守れる護衛が必要になるな。


考える事が多いな。あんたも座ってくれ。」



 ノーラとテューネはテーブルの席に腰をかけた。



 バーナードのテーブルを横目で見ていたラックは


3人の雰囲気が暗いのを察して心配した。


(俺がパーティーに入ってあげられたらいいが


F級の俺が出しゃばる場面でもないか。)



 ラックの視線にテューネが気づいた。


「あああぁぁぁ! ラックじゃないか! 」


テューネが大声をあげて立ち上がった。



 ラックのいるテーブルに


向かってテューネが歩き出した。



 (見つかってしまったか。)とラックは諦めた。


ラックも立ち上がってテューネに歩み寄った。



 ラックにテューネは駆け寄って抱きしめた。



 「やぁ、テューネ。


あなたも帝都にいたんですね。


随分、早く帝都に着かれたんですね。」


テューネに抱かれながらラックは笑顔を向けた。



 「そうさ。ギネタールから帰る途中のギルドで


知り合いの調教師テイマーが帝都に帰るっていうんで


頼んでここまで使い魔に乗っけてもらったんだ。


それより、ラック、


お前、戦場で大活躍だったって聞いたぞ。


さすがは、あたいの弟子だな。」



 ラックはテューネの中で


いつの間にか弟子にされていた。



 「まぁ、そうですね。


テューネさんには色々と魔法について


ご教授頂きました。ありがとうございました。」



 「水臭いじゃないか。


みんなに紹介するからこっちこい。」



 「いや、でも、皆さんで


大事な話しをしているんじゃ。」



 「気にするな。


答えが出ずに煮詰まっていたんだ。」



 テューネに促されるままに


仕方なくラックは


バーナードのテーブルに向かった。



 「みんな、紹介する。我が弟子ラックだ。」


バーナードとノーラにラックをテューネは紹介した。



 「あはは。お前ら知り合いだったのか。


弟子ってなんだ? 本当に弟子なのか? 」


ラックにバーナードは言った。



 「ギネタールで色々とご指導頂いたんだ。」


バーナードにラックは困った顔を向けた。



 「あんたたちも知り合いだったのか! 」


テューネは驚いた表情を浮かべた。



 「はじめましてラックさん。


ノーラ・ブリュエと申します。


よろしくおねがいします。」


ラックにノーラは丁寧に頭を下げた。



 「ラックです。駆け出し冒険者ですので


気遣いは無用ですよ。よろしくお願いします。」


ノーラにラックは頭を下げた。



 「まぁ、ラック、座ってくれ。」


ラックにテューネは着席を促した。



 「大事な話しに俺が水を差してしまっては


会議に支障が出てしまうんじゃないかな。」


ラックは心配そうな顔で言った。



 テューネが大きく口を開いた。


「このパーティーに


ラックが参加するってのはどうよ! 」



 「ええええ!? 」


テューネの発言にラックは動揺した。



 「まぁ、人数不足なのは確かだがラックはF級だ。


E級とF級を守りながら


戦闘するのは正直オレでもきつい。」



 「そうだよね。」とラックは下を向いた。



 「この子は凄いんだからね!


あたいは素手のこの子と試合して


まったく歯が立たずに負けちまったんだ。


実力はA級クラスだとあたいが保証するよ。」


テューネは自慢げに自分が負けた事を話した。 



 「ラックさん、お強いんですね! 」


ノーラは目を輝かせて言った。



 「ラックが強いことはオレも知っている。


だが、魔物との戦いは人間とは勝手が違う。


オレは賛成しづらい。ラックはどう思ってんだ?」


ラックにバーナードは問いかけた。



 「・・・俺は友人の役に立ちたい。


もしも、力になれるんなら参加したいと思うよ。」


ラックはそう答えた。



 「じゃあ! 決まりだね。」


テューネは嬉しそうに言った。



 「ラックさん、一緒にがんばりしょう! 」


ノーラも嬉しそうに言った。



 バーナードはため息をついて口を開く。


「多数決でオレの負けだな。


ラック、このクエストは


達成できる可能性が低いって


わかってて言ってくれてんだろ。


男の覚悟をオレは否定できないぜ。


オレからも頼む。参加してくれ。」


ラックに頭を下げてバーナードは頼んだ。



 「参加するからには絶対にクエストを達成したい。


俺の全力をみんなのために使いたい。」


ラックは真剣な表情を皆に向けた。



 「では、新しい仲間に乾杯だ! 」


バーナードはジョッキを前に差し出した。



 テューネもノーラもグラスを差し出す。


ラックはグラスが無かったので


テューネの水を入れたグラスを持って掲げた。



 「乾杯! 」とバーナードが大きな声で言うと


他の三人も「乾杯! 」と言って


バーナードのジョッキに軽くグラスを当てた。



 ラックは思いがけずクエストに参加することになった。








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