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クエスト依頼書

 昼のピークを過ぎた冒険者ギルドにある食堂レストラン


テーブルの椅子にラックは座っている。


オーブンで焼かれた鳥の姿焼きをラックは注文していた。


大皿に乗った鳥の姿焼きが給仕がテーブルの上に置いた。



 こんがりと焼かれた鳥を見て目を輝かせた。


腹の皮の部位をナイフで切って


皿に添えられている葉野菜に皮を巻いて食べてみた。


「皮が香ばしいなぁ。食感もパリパリでめっちゃ旨い。」



 食堂の入り口からA級エーランク冒険者の


『バーナード・オルグレン(通称バーニー)』が入ってきた。


ラックを見つけて


バーナードはラックに向かって手を挙げる。



 バーナードに気づいてラックは食事を止める。


バーナードに向かって手を挙げてから


バーナードにラックは軽い会釈えしゃくをした。



 バーナードはラックの座る席に歩み寄ってきた。


「よう。いま昼飯か。」



 「どうも。少し遅いけれど昼食だね。


バーニーは今日は、もうクエストを終えたの? 」



 「いや、今からここで


次に受けるクエストについて打ち合わせだ。


もうすぐ、連れがくる。」



 「へぇ~。パーティーを組んだの? 」



 「まぁな、今回だけの即席パーティーだ。


ちょっと、厄介な案件でなぁ。ソロでは厳しくてな。」


そう言ってクエスト依頼書を


鞄から取り出してバーナードはテーブルに広げた。



 テーブルに置かれた依頼書をラックは黙読した。


「ほう、A級推奨依頼だね。


西にある『ブエレン』って街が


食屍鬼グールの集団に襲われて占拠されたのか。」



 「ああ。単体でもグールは厄介なのに集団だぜ。


さすがに回復術師と、魔法師、重装騎士は必要だろう。」



 「できれば万全で挑みたいよね。


緊急依頼って書かれてるけれどヤバい依頼なの? 」



 バーナードは頷いた。


槍を壁に立て掛けて


テーブルの椅子を引いて座ると


テーブルに肩肘を置いてバーナードは足を組んだ。


「ああ。どうやらグールたちを


指揮する魔物がいるらしくてな。


周囲の街が襲撃される可能性が高いんだとよ。」



 「そりゃ、大変だね。


でも、それならソロのA級のバーニーではなく


A級パーティーが受ける案件ではないのかな。」



 「まったく、ラックの言う通りだ。


だが、この依頼を受けた数組のA級パーティーが壊滅した。


報酬も金貨200枚というのもネックだな。


A級への依頼は最低でも金貨1000枚は出さないと


なかなか高難易度の依頼は受けないだろう。


しかも、数組が失敗しちまっている。


だから、オレにもギルドから話が来たってわけだ。」



 「それは難儀なんぎなことだなぁ。」



 「もっと問題なのはA級のソロなんて


帝都に数人しかいない。


そいつらにもギルドは声をかけたらしいが


全員が断ってきたって話だ。」



 「え!? それじゃ、


打ち合わせに来るメンバーってA級以下ってこと? 」



 「ああ。頭が痛いぜ。」



 「そんな無茶な依頼は断った方がいいよ。」



 「おぅ。そうしたいのは山々だが


可愛い受付嬢に懇願こんがんされちまうと嫌とは言えねぇ。」



 「ふ~ん。男の見栄って奴か。


そういうバーニーをカッコいいと俺は素直に思うよ。」



 「男が女にかっこつけないでどうすんだよ。」


バーナードは鳥の丸焼きの足を引きちぎってカブりついた。



 「で、他のメンバーって、どの程度の冒険者なの? 」



 「とりあえず、2人だけ引き受けてくれたんだが、


どっちも女だ。


ランクもE級『回復法術師』とB級『魔法剣士』。


オレ、死ぬかもしれん。」



 「え? 女性でも強い人はいるんだろうけれど


そのランクでは依頼達成が厳しいのは明らかだね。」



 「S級パーティー『紫に属する旅団(パープルピープル)』から


一人でもいいから助っ人を頼めないのかい? 」



 「無理だ。あいつらはこれから


帝都を離れるそうだ。東都に主張なんだとよ。」



 「出張!? そんなんあるの? 」



 「あるんだとよ。


今日の午前に出発する予定って聞いてたんだが


この時間になったみたいだな。


まぁ、それはいいが


オレはあいつらには借りを作りたくねぇんだ。」



 「プライドって奴ですか。」



 「オレの性分だ。」



 「そ・・・そっか。頑張ってね。ファイトだよ。


無事生還することを心から祈っているよ。」



 テーブルに置かれたクエスト依頼書を


畳むと、バーナードは鞄にしまった。


「ああ。全力は尽くしてみるさ。


F級のお前に弱音を吐いちまうなんて情けねぇよな。」



 「友達じゃんか。何でも話し合えるのが友達だろ。」



 「おう、昼食の邪魔して悪かったな。


それじゃ、オレはあっちの席で


酒を飲みながらパーティーメンバーを待つとするぜ。」



 「うん。


俺に出来る事があったら言ってよ。


何でも手伝うからね。」



 「サンキュ。話を聞いてもらえただけでも


だいぶ気分が楽になった。」


バーナードは立ち上がると


槍とかばんを手に持ち


ラックにバーナードは軽く手を挙げた。


ラックのテーブルから少し離れたテーブルまで歩き、


バーナードはそのテーブルの席に座った。



 (友達なら俺に頼ってくれてもいいのに。)


バーナードに対してラックは少し不満に覚えたが


(S級に頼らないのに


F級冒険者である自分に頼るわけが無いか。)


と鳥の丸焼きを解体しながらラックは納得した。







はじめまして。


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