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略奪

 ラックは村に向かって山を下っていた。


 「もう少しでホサ村だな。」


ラックの視界にホサ村が見えた。


 「煙!!村に火の手が上がってる!」


ラックは動揺し、急いで山の斜面を駆け下りた。






 「村の人間は皆殺しにしろ!」


軍馬に騎乗した指揮官が叫んだ。


兵士たちは村人を発見したら


容赦なく切り殺した。


兵士たちは村の家々に火を放った。


家を焼かれ逃げ惑うホサ村の村民たちを


兵士たちは残酷に切り殺してまわる。



 歩兵の一人が馬上にある指揮官に駆け寄った。


「報告します!食糧倉庫を発見。食糧を確保しました。」


 その報告を聞いた指揮官は頷いた。


「うむ。ご苦労。もはやこんな僻地の村に用はない。


食糧を全て荷馬車に積んだら即撤収し、本隊と合流する。」





 ラックは村の近くの木々に身を隠しながら


移動しつつ村の様子を伺った



 「酷い。なんてことをするんだ。」


ラックは地面に横たわる村民たちの死体を目撃した。


無数の死体は老若男女の区別がなく


兵士たちには慈悲の欠片も感じられなかった。



 身を潜めながら村に入り自宅に戻ろうとするが


兵士たちの姿が見えたので


兵士たちがいなくなる機を伺うことにした。



 周囲を確認すると民家の壁にもたれ掛かりながら

座り込む血だらけの老人の姿がラックの目に入った。


「村長・・・」


ラックは周囲を警戒しつつ村長に近づき膝をつく。


「村長。大丈夫ですか?」

ラックは手で村長の肩を揺らした。



 村長は薄っすらと目を開ける。


「ゲホッ!・・・ラックか。無事で良かった。


わしはもう駄目だ。


このことを隣の村に伝えてくれないか。


すぐにこの村から離れるのだ。」


村長は目を閉じ意識を失う。


もう、息をしてはいなかった。



 ラックは落胆し肩を落とした。


「ラックとして生きるつもりだったのに


ラックの居場所はもうなくなってしまったのか。」


怒りが込み上げてラックの目に涙が浮かんだ。


「あの兵士たちは弱者を殺して奪うのが仕事ってわけか。


じゃあ、奪われる側の弱者になって


弱者の気持ちを理解させてやる。」


ラックは持っていた剣をさやから抜くと


兵士たちのいる方向に歩き出した。


ラックの両目には殺気がみなぎっていた。





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