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策謀

 ペガサスで空を飛んでいるラック。


ラックは東側の平野を見下ろす。


「ん。敵は菱形ひしがたの陣形か。」



 エトミア公国軍第一軍は山を背に


方円の陣形を取っていた。


山道に布陣していたエトミア公国軍第二軍からの


救援部隊を吸収して第一軍は膨張していく。


南西のギネタール城のダイモンド子爵の軍と


西から緩やかな速度で


接近してくるプレスミン公国軍、


その二つの軍からの二方向からの


攻撃に対応できるよう準備していた。



 「このあたりでいいかな。」


ラックは市街地から少し離れた位置に着陸した。






 エトミア公国第一軍の


ファルミット・ヘスウッダ公爵のもとに


伝令兵から報告が入る。


「報告します。


南西の空から単騎の敵影を確認しました。


ペガサスに騎乗した金色の鎧の騎士との事です。」



 「なに!?ペガサスに乗った金色の鎧だと!?」


ファルミット・ヘスウッダ公爵は狼狽えた。


「金色の鎧を着る騎士など


コルクスター公国の


最強騎士フォード・アルブルドくらいしか知らぬが。


(まさか、コルクスター家もフィガロに味方した?)」


ファルミットは悩んだ。


「私では判断できぬ。


本営に伝令を走らせてこの事を知らせろ!」






 エトミア公国ギネタール侵攻軍本軍の


本営で総大将の王弟ハルク・エトミアは


ファルミットからの伝令からの報告を受けた。


ハルクは、はじめは半信半疑であったが


プレスミン公国がフィガロの為に動いたのなら


コルクスター公国もフィガロの為に


動くこともありうると思いなおして


偵察部隊をコルクスター領付近に送った。


エトミア軍の偵察部隊は


街道を進軍するコルクスター公国軍を確認した。


偵察部隊からの報告にハルクは驚き


本軍の後方にいた第三軍5000を


コルクスター軍への警戒のために


北西のコルクスター領の国境に


付近に移動させる指示を出した。


エトミア公国ギネタール侵攻軍は


南西に第一軍第二軍が南西に押し込んでおり


後方の第三軍が北西に進軍したために


ギネタール侵攻軍の本軍5000は


ジワジワと孤立した状態になっていった。






 フィガロはじつはエトミア公国が


ギネタール領に侵攻してきた情報を


察知した時点で


すぐにコルクスターに密書を送っていた。


フィガロが東の覇王に従属した時点から


同じく東の覇王に


従属しているコルクスター公国とは


盟主を同じくした時点で


事実上の同盟関係になっていた。


エトミア公国がギネタールに侵攻した事で


エトミア公国に大きな隙ができる。


そこを突けば、楽して領国を広げられると


フィガロはコルクスター公国の王に書簡で知らせた。


もしも、利益が期待できないギネタール領への


援軍要請ならば、個人的にフィガロと


仲の悪いコルクスター公王エルナンドは


無下に断ってくるとフィガロは予想した。


だから、エトミア公国への


侵略は得であるとエルナンドに侵略行為を勧めた。


消極的な性格のエルナンドに


低リスク高リターンな情報は効果覿面こうかてきめんであった。


コルクスター公国はエトミア公国への侵攻へと舵を切った。





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