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手合わせ

 女剣士テューネはとても困った顔をした。


「誰か彼に武器を貸してあげてくれ。」



 「いりません!


武器なんて持ったらテューネさんに


大怪我をさせてしまいます。」


ラックも困った表情になる。



 「ラック!


あたいを怒らせたいのか?


後悔しても知らないからな!」



 「もう!


じゃ、さっさと俺を後悔させてみてください。」



 「言ったな!


もしお前が勝ったら何でも言う事を聞いてやるぞ!」


テューネは腰の剣を鞘から抜き放つと


ラックとの一気に間合いを詰める。


剣を下段に構えラックの胴に向けて


剣を横へ薙ぎ払った。



 ラックは素早く右腕出して


テューネの剣身を上から手の平で叩く。


テューネの剣は叩かれた衝撃で下へ向く。


テューネは剣に引っ張られて


バランスを崩して前のめりになった。


ラックは左の拳を素早く前に打ち出して


テューネの顔の正面で拳を寸止めをした。



 「俺の勝ちですか?」



 「は?んなワケないし。


ナニはしゃいじゃってるの?


今のはラックの実力を


はかるための小手調べだろ。」


テューネはそう言って悔しそうな顔をする。


態勢を立て直し


後ろに飛んで間合いを取った。



 ラックの戦闘での動きを


目の当たりにした周囲の兵たちはどよめいていた。



 「ラック!すごい!すごいぞ!」とマリアは叫んだ。



 「ラック。君は一体。」


マーチスは驚きの表情を見せた。



 「ふむ。随分と実力差があるようにみえたな。」


フィガロは呟いた。



 「次は本気出すよ!」


テューネは真剣な表情を見せる。



 「どうぞどうぞ」


ラックには余裕の表情が見えた。



 ラックは半身の姿勢で


両腕はぶらぶらと揺らせながら下に下げた。


上体を前後左右にゆらゆらと振った。



 「その動きなんなの!


失礼にもほどがある!


挑発してるってんなら乗ってあげる!」


テューネは剣を右手に構えた。


「火の守護者よ。


その権能を以って


我が剣にその威をまとわせよ!


ファイアエンチャント!」


テューネが魔法の詠唱を口にして


左手で剣身をなぞる。


ボッ!と炎が湧き


テューネの剣身に炎がまとった。



 「ふ~ん。火の魔剣士って


なるほどそういうことか。」


ラックは納得する。



 テューネは疾風の如き素早さで


剣を下段に構えて間合いを詰めた。


ラック目掛けて剣を下段から上段に振り上げた。


「うおりぁぁ!」っと斬撃を振り下ろす。



 ラックは上体だけを後ろにそらして


斬撃を避けながら


振り下ろされたテューネの剣身を


右手で掴んだ。



 「そんな馬鹿な!」


テューネは剣を振り上げようとしたが


ラックに掴まれた剣はまったく動かない。



 ラックの手は剣身の炎に包まれているが


まったく手が焼ける様子は見られなかった。



 ラックはスッとテューネの懐に入ると


左手でテューネの襟元を掴んた。


ラックは腰から体をひねって


背中をテューネの体に密着させる。


「どっこいしょ!」


ラックはテューネの体を


背負って投げた。


 

 テューネは地面に


勢いよくドンっ!とたたきつけられる。


地面に背中を叩きつけられたテューネは


「ぐはっ!」と声を上げた。


テューネの体は地面との衝突で跳ね上がると


そのまま仰向けに倒れた。



 「それまで!!!」


マーチスが大声で叫んだ。



 テューネは意識を失った様子で動かなかった。



 わぁぁぁ!!!と周囲の兵から歓声が沸いた。



 マリアがラックに駆け寄って抱きしめる。


「すごくかっこよかったよ!」


マリアはラックの頬にキスをした。



 「この戦争、わしの勝ちになりそうだ。」


フィガロはほくそ笑んだ表情で


自分の左側に立つ家臣に言った。





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