開眼
剣と魔法の大陸『アムガルド』。
帝国歴269年。
大陸を支配するモルドベン帝国は
300年の支配体制に綻びが生じ
諸侯が自分勝手な戦争を始めた。
アムガルド大陸が群雄割拠の様相を呈していた。
大陸の南に位置する小さな村「ホサ村」。
村に住む猟師の息子「ラック」は
先月で14歳になり成人となった。
今日は父親の言いつけで
朝から一人でキノコや山菜を
取りに山に入っていた。
「なんだよ!これ?」
気付くとラックの周囲には
無数の兵士が地面に横たわっていた。
ラックは1人の兵士に近づき膝を折ると
兵士が息をしているかを確かめた。
「し、、、死んでる。」
兵士には外傷らしきものはない。
「いったい何がどうなってるんだ?」
目の前の出来事の経緯が
ラックにはわからないかった。
ラックの記憶に混乱がみられた。
怖くなったラックは
護身用にと兵士が装備していた剣を手に取った。
ラックが立ち上がったその時、
木の陰から一人の兵士が剣を両手で持ち
ラックに襲い掛かってきた。
「このバケモノめ!!!」
兵士はそう叫んでラックを目掛けて剣を振り上げた。
ラックは腰を抜かして地面に尻もちをついてしまった。
ラックは恐怖で動けず、兵士を見上げる。
ラックは死を覚悟した。
その瞬間。
兵士を見つめる少年の左目が妖しく紫の光を帯びた。
ズサッ!!!
兵士の両手から剣が地面に落ちた。
「え?」
ラックは剣に目をやると
再び兵士に目を向けた。
兵士は白目をむきながらその場に倒れ込んだ。
ラックは四つん這いになりながら
兵士に近づくと、首の動脈に指を当て生死を確かめる。
「死んでる!」
ラックは恐怖を抱き狼狽しした。
近くにあった大木に体を預けて座り込む。
曖昧だがラックの記憶が次第に整理されていく。
ラックは左目に意識を集中する。
すると視界に四角い画面が展開した。
【攻撃力】0
【防御力】0
【耐性】0/10
ポイント残47
画面にそう表示されていた。
「俺は人間になったのか。」
黒髪の少年は納得したように呟いた。
はじめまして。
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