22話 失態(対金崎戦Part7)
2日連続雨って・・・
5回裏。
矢島が投球練習を開始。
しかし相手がタイミングが合ってきているのだろうか。
だんだん打球が前に飛び出した。これが今は外野フライで済んでいるが危ないことは限りない。この回は凌いでもらわないと。矢島の肩ができるのは早く見積もって6回裏。高梨は全く作ってないし、この回は浜崎さんで乗りきらなければならない。
しかし6番からでも三者凡退で終わるようなチームではない。
先頭をショートフライで仕留めるが、7番にレフト前を許すと8番にセンター前。さらに9番にバントをきっちり決められる。
再び内野が集まろうとする。が、それを浜崎先輩が制す。
ツーアウトだから大丈夫だといいたいのだろう。
監督が外野を前に寄せる。当然だ。同点のランナーを帰すわけにはいかない。
この回までだから。浜崎先輩なんとか踏ん張って。
バッターはトップに返る。
1球目。
外角低めのストレートを空振り。
2球目。
ツーシームを引っかけファール。追い込んだ。
3球目はストレートを外に外してボール。
4球目。
低めのカーブ。が落ちない。
刹那。
打球はライトのポールを巻く。
球場が一瞬静まりそして爆発する。
逆転スリーラン。一気に重い石がのしかかる。しゃれにならない。
しかも相手はほぼ完全にタイミングがカーブもストレートも合っている。ピッチャーをここで代えるしかない。せめてこの回まで持ってほしかった。
ベンチから矢島と大中が出てくる。バッテリーごと代えるらしい。
浜崎先輩はそのままサード。青木先輩は試合を退く。なので
4番 三 浜崎
6番 捕 大中
8番 投 矢島
とメンバーが動いた。もう打たれたことは仕方ない。まずこのバッターを抑えることが先だ。
投球練習が終わり2番バッターが入る。
1球目。
内角へストレート。
「ストライク。」
相変わらず強気なリードだな。
2球目。
外角へのスライダー。
バッターが空振る。追い込んだ。
3球目。
低めのストライクからボールになるフォーク。バッターはこれを投げられると追い込まれているしストレートに球速が近いからどちらか見分けにくい。バッターにしてみればいやであることはわかるだろう。
バッターは空振り三振。なるほど。キャッチャーも代えたのは空気を変えるためか。監督も試合の流れを分かっているな。
しかしこの回で逆転された。まだ回はある。ただ早く追いつかねば精神的も不利になる。
6回表。バッターは浜崎先輩から。