20話 関門突破(対金崎戦Part5)
しかし、毎回毎回読んでいる人がいるのか分からん。午前12時に更新してるって書いたけどPCからユニークのグラフ見て15人(その日合計75人くらい)いたのは嬉しかったり。ただPCからの更新した小説の欄からきただけかもしれないが。今は午後10なので。
ワンアウト。ランナー2塁に自分。バッターは伊藤。
伊藤なら緩急でタイミングを外すタイプもマルよりは期待できるし次のバッターは浜崎先輩。追加点をあげるならここだ。
外野は定位置より若干前。さっきのタイムリーがあるのでもっと前に詰めることはしないらしい。
サインはなし。
1球目。
内角のストレート。これを見逃す。
「ストライク。」
あいつ変化球狙いかな・・・それともコース的に嫌ったのか。
伊藤は内角も外角もそつなく打てるが内角はちょっと窮屈にしている場面が多い。監督が付きっきりで指導していたが間に合わなかったのか。
2球目。
今度は外角のストレート。これを捕らえる。
ライト深くに打球が上がる。ライトは強肩だが、十分3塁に行ける。
ツーアウト3塁。バッターは浜崎先輩。ヒットを打つといったところではやっさんの次に信頼できる。それは数字にもでている。
1球目。
ワンバウンドになるチェンジアップを見逃す。
2球目。
外角のスライダーを空振り。
3球目。
甘いストレート!!
バットがボールを捕らえる。
ボールは、レフトが捕れるか捕れないか微妙なところ。
レフトが飛び込んで打球は・・・中に入っているらしい。
1点が欲しかった。みんなボールを芯で捕らえている。
だからこそ、この回点が欲しかった。双方のピッチャーが安定する前に。
しかも相手は2イニングを他のピッチャーが投げている。総力戦になれば力尽きるのは必ずこっちだ。もし浜崎先輩が打ち込まれた場合高梨は似たタイプなので投げさせにくい。投げるとしたら矢島しかいない。2年の先輩が1人投げれるそうだが正直使い物にならないらしい。多分相手はまだ2人は用意しているだろう。
矢島は長いイニング投げれるがこのレベル相手に何回持つか。基本ピッチャーは監督が指示してから肩を作る。当然ながら守備の交代も監督の仕事。だから自分が投げることは多分ないに近い。
これでいいのか。監督に対して疑問と不安が芽生えざるをえない。
3回裏、4回表はともに3者凡退。
しかし、4回裏。浜崎先輩が捕まる。先頭バッターにヒットを許すと、送りバントでワンアウト2塁。さらにヒットを打たれランナー1、3塁のピンチを背負う。
タイムをとり内野が全員集まる。
監督からの伝令はない。自分達で結論をだせ、ということらしい。
「どうする?」
浜崎先輩がグローブで口を覆い隠し聞く。
ここはランナーが1塁にいるので、ゲッツーをとりにいくケースが多いが、内野手が前に出てバックホームで指すのもあり。敬遠して満塁にするのもいい。
「詰めます?」
自分が聞く。
「いや、相手が走るなら別だけどランナーは多分アレだし走らんよ。」
ランナーは4番を打っている選手だが、体格は横に広くとても足が速そうには見えない。ただ次のバッターは球が甘かったとは言えホームランを打っている。
「中間を敷きます?」
中間というのは中間守備の略。主に二遊間がちょっと前に出てどちらも狙えるようにシフトを敷くことだ。
「それで行こう。外野はどうする?」
3塁ランナーは2番。外野の肩は伊藤と糸井さんはかなりの強肩。小牟田は強いとは言い難い。
「定位置で行こう。前進だと長打が出たら逆転だからリスクが大きすぎる。」
審判が近づいてくる。話もついたし戻らなくては。
「それじゃあ行きましょう。」
さっきの通り守備位置をとり試合再開。
1球目。
内角へストレート。
「ストライク。」
ここに来て何キロかは分からないが多分今日、いや今まで見た中で最速。先輩、さっきのタイムでは見えなかったけど熱くなってる。試合にのめり込んでいるというか。こういう時は最高のボールが投げられるが守備が雑になったりする。また、失投もある。紙一重の常態とでも言ったところか。
「先輩、ここで全力投球は危ないです。」
マウンドに言って声をかける。
先輩は悪いというジェスチャーを見せる。大丈夫だろう。
2球目。
シュートが高めに浮く。バットがそれを捕らえる。
打球はセンターへ。定位置よりちょっと後ろ。
自分がカットラインに入る。ランナーはタッチアップの構え。
キャッチと同時にランナースタート。
「こっち!!」
ボールを呼ぶ。返球がこっちへくる。自分がカットしホームへ送球。
キャッチャーが捕球したところにランナーが突っ込む。
クロスプレー。判定は・・・
夏の大会は地元の九国と花巻東に注目。しかし今年は負けましたが清蜂の今村君、慶應の白田君、1回戦突破の西条の秋山君、明豊の今宮君、選抜準優勝の花巻東の菊池君など速球投手が多いですね。