16話 2回戦くらいならそんなに人はいない(対金崎戦Part1)
いつもよりさらにグダグダ。
大中をトイレに連れていって、みんなのところに戻る。試合は2回表1対0。たった今点数が入ったようだ。攻撃しているチームがさっきより盛り上がっている。
こりゃあまだ点数入るな。流れに相手がのまれてる。
同じことをキャプテンも考えていたらしい。
「3回が終わったらアップ始めるぞ。森、大中が帰ってきたら伝えといてくれ。」
「はーい。」
あのバカはまだ時間かかりそうだな。
試合に戻ろう。
この後連打で3点を追加するとさらにフォアボールを連発してピッチャー交代。その代わったピッチャーも打ちのめされ(半分フォアボールの自滅だが)、点差が開くのなんの。3回終了で12対0。決着はもうついた。
アップはちょっと時間が足りないかもしれないが大丈夫だろう。
ベンチ入りメンバー全員で走って体操してシャドウピッチングをする。
そうしている間に試合が終わりそうになる。ベンチ裏に移動する。状況はもう5回裏ツーアウト、14対0らしい。
ベンチ裏は情報が入ってこない。待つしかない。
「試合終わりましたがもう少し待ってください。」
大会の事務の人が説明する。勝ったほうの校歌が聞こえてくる。
校歌が終わる。
「入ってください。」
スタッフの声が聞こえたのでベンチに入る。
負けて泣きじゃくる他校の選手とすれ違う。ベンチにもまだ何人かいる。
まだ先輩達にあんな風になられるわけにはいかない。例え相手か強かろうがプロに行くようなピッチャーやバッターで固められていようが。
ベンチに荷物を置いてすぐにグローブを持ってキャッチボール。大体60メートルまでいったところで遠投。遠投といってもライナー。山なりの送球は必要ない。
キャッチボールが終わると今度は内外分かれて簡易ノックに入る。
それが終わってやっと1回ベンチに戻ることになる。少々休憩をとったあとスタメンの発表。
1番 二 八頭 (4)
2番 遊 森 (6)
3番 右 伊藤 (9)
4番 投 浜崎 (1)
5番 一 丸山 (3)
6番 捕 青木 (2)
7番 左 小牟田(17)
8番 三 谷田 (13)
9番 中 糸井 (8)
()の中は背番号。ちなみに谷田さんと青木さんは3年。
キャプテンが先攻をとってきた。こちらとしては逃げ切りのかたちをとりたい。相手、自分達の順番でシートノックを終え、整列、試合開始になる。
シートノックを見る限りさすがに相手は体格が大きいし送球がみんな安定している。選抜にでるだけはある。
バッターボックスにやっさんが入る。
プレイボール。
主人公が普段から2番の野球漫画を2つあげよ。結構少ない。というか普段から2番を打つ、小技の得意な主人公・・・嫌いではない。