観察7:日課決定
「はぁ………」
「何だよ雪奈? ため息なんかついて」
春休みに入ったが今日は教師の離任式だ。オレと雪奈は制服に着替えていつものように朝食を食べていた。
「だって春休みなのに学校なんていやだよぉ……」
「永野も言ってそうだな。その台詞」
まぁ、長い休みの途中で学校に行くのはなんとなく嫌だな。出来れば春休みに入る前にして欲しいものだ。
「今日も昨日みたいにごろごろ過ごしたいよぉ」
「それはかなりダメ人間な台詞だな」
永野も言ってそうだ。
「うぅ……言い返せない」
「だいたい何だよ? 昨日は。一日中寝転がりながらテレビの前で過ごして、それで身体中が凝ったからってオレにマッサージなんかさせて」
「あ〜、そう言えば気持ちよかったなぁ………お兄ちゃんのマッサージ。今日もしてほしいなぁ」
「……いつからオレはお前の召し使いになったんだ?」
「むぅ……役得だと思うんだけどなぁ……」
「オレがお前にマッサージして、どんな役得があるって言うんだよ?」
無駄に疲れただけじゃないか。
「それは……ねぇ? 言わなくても」
「解らないからな」
「むぅ……」
何をむくれてんだか。
「まぁ、お前には飯作ってもらってるし、その代わりだと思えばいいか」
「それは……私がやるって言ったことだもん。代わりにはならないよ」
「じゃあ、オレがお前にマッサージする理由がないぞ?」
「だったら私がお兄ちゃんにマッサージすれば良いよね?」
「まぁ、そうすれば問題ないな」
ん………問題ないか?
「じゃあ今日から毎日マッサージしあおうね」
………毎日?
「日課かよ………」
「日課だよ♪」
疲れるのか疲れがとれるのか分からない日課だと思うオレだった……。
むしろ憑かれてる。