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観察78:いい性格

「それで? 今日は何の用かな? 俊行」

紘輔さんのいる社長室(正確には代表取締室か)にオレは来ていた。

「白沢家の家庭事情がどうなっているか教えてください」

「また直球だね」

「オレは不器用らしいんで変化球なんて投げられないんですよ」

瑞菜やこころが言ってるだけだけど。

「それで私の家の事情かな。一言で言うなら『変化なし』……かな」

「それは……心奈さんも一緒って事ですか?」

「ああ。異常はない」

「雪奈がいなければ……ですか」

雪奈の実母、心奈さんは病気だ。精神的な。詳しい事は知らないが、オレが分かっているのは雪奈に関する事をすると発症するという事。それさえなければ普通の……優しい人だ。

「試していないから分からないけどね。もしかしたら雪奈ちゃんに会っても大丈夫かもしれない。でも……」

「……可能性は限りなく低いですか」

「医者の見立てではね」

「…………………本当ですか?」

あれからそれなりの時間がたってる。ある程度の変化があってもおかしくない。

(だいたい……本当の事を教えられてるかも分からないんだよな)

心奈さんにはずっと会ってないし、病気のことも本人に聞いたわけじゃなく、紘輔さんから聞いたことだった。

「……なにか隠し事とかしてませんか?」

「さぁ? 話していい事は全部話してるけどね」

……思いっきり隠し事してますと言ってるな。本当にいい性格してるよ。

「気になるのだったら会いに行ったらどうかな?」

心奈さんに会う……か。いつぶりだろう? 紘輔さんの家に行く事はあっても、心奈さんに会うのはかなり久しぶりだ。そして自主的に会おうとしたのはあの日以来ない。

「……じゃあ明日行ってみます」

「そうするのがいいよ」

「それじゃあ今日はこれで」

「ああ、また今度」

オレはその場を離れた。


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