表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/102

観察75:知るべきこと

「はぁ……あの馬鹿二人には困ったものよね」

昼食時間。あたしは瑞菜さんを誘って屋上で昼食をとっていた。

「? 馬鹿二人?」

「俊行と雪奈のことよ」

「あはは……なるほど」

瑞菜さんは何のことを言っているのか分かったのか困った顔をする。

「でも……なんであんなにすれ違ってるのかな? とーくんと雪奈ちゃん」

それはいろいろな原因があると思う。俊行が馬鹿だとかバカだとかばかだとか。でも……一番の原因は……。

「雪奈の家庭環境のせいね」

「雪奈ちゃんの?………ぁ……」

何かに気がついたように瑞菜さんは声をもらす。

「何か雪奈について知ってるの?」

「ぇと………うん……」

「それって何?」

もしかしたらあたしが知らない情報かもしれない。

「えっと………虐待……されてるんだよね? 雪奈ちゃん」

「……簡単に言うとそうなるのかな」

いろいろと無駄に複雑だから正確には違うかもしれないけど。

「雪奈は親に……母親に苦しめられてるのは確かね」

あの人……心奈さんに。

「でも……どうして? 雪奈ちゃんが? あんなにいい子で……それに優秀なんだよね?」

「別に雪奈自身に問題があるわけじゃないんだけど………」

問題があるとしたら……。

「……分からないわね」

「あはは……言えないんだ」

「……ごめんなさい」

「別に大丈夫だよ。私に必要な知識だったら、最初からとーくんは教えてくれてると思うし」

「そう………ね」

俊行だったらきっとそうする。

「だから私は見守るよ。二人の事を」

「……ありがとう」

「あはは……とーくんにも朝同じこと言われたよ」

本当に瑞菜さんは優しい。俊行は絶対、損な事をした。

(……まぁ、アタシのせいだけどね)

なにはともあれ、瑞菜さんの言う通り、今は見守るしかないあたし達だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ