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観察46:セクハラ

「最近私、影が薄くないかな?」

「……いきなり何を言い出すんだよ? 雪奈」

ある日、家でのこと。テレビを見ながら雪奈が話してきた。

「なんていうか、永野さん以上に影が薄いよね」

「それは確かに異常だな」

チョコレートにタバスコをかけて食べるくらいには。

「という訳で、何かいい方法はないかな?」

「ない」

「………即答だね」

「ていうか、そんなに影が薄いか?」

「少なくとも昔の人よりかは」

………確かにそれは否定出来ない。

「瑞菜はほら………メインヒロインだから」

「………何のメインヒロインなのかな?」

「オレが主人公の物語で」

「つまりはお兄ちゃんの人生のメインヒロインってこと?」

「だいたいそんなところかな」

適当に言ってるけど。

「じゃあ私は?」

「主人公とメインヒロインの前に立ちふさがるヤンデレ妹」

「………最近お兄ちゃんって永野さんの影響受けてない?」

「いや、あの店で永野とこころにレクチャーされたんだよ」

この店で働く為に必要な知識だって。

「まぁいいけど………じゃあ、こころお姉ちゃんは?」

「こころはこころだろ」

「………え〜」

アイツを定義するような言葉も習ってないし。

「じゃあ永野さん」

「無用で害悪」

「最悪だね」

必要ないのに影響与えてくるからな。

「まぁそんなこんなで、別に雪菜の影が薄い訳じゃないからな」

「本当に?」

「多分」

「……………………」

誰がなんと言おうと雪菜は雪菜なわけで。例え影が薄くなっても大切なのは変わらない。だから……。

「……ていうか、心配しなくても大丈夫だって」

「何が大丈夫なの?」

「少なくとも瑞菜よりは胸があるのは保証する」

……だからオレはいろんなことを誤魔化した。

「……どうしてお兄ちゃんが保証出来るのかな?」

「だって瑞菜ってAAAA(クアドラプルエー)だぜ? それより小さいってことは実質アンダーとトップの差が0のAAAAA(クインティプルエー)しかないじゃないか」

「……そうじゃなくて、どうしてお兄ちゃんが昔の人のカップのサイズなんて知ってるの?」

「そんなもん幼なじみだからに決まってるだろ」

「決まってないよ!? ていうかまさかの即答!?」

「ところで、お前はどうなんだよ? ブラはどれくらいのを?」

「そしてさりげなくセクハラ発言するね………」

「きにするな。……で?」

「そして気にせずに追求するんだ………」

「といっても普通に想像出来るんだけど」

だいたいBとCの間くらいなんだよな。確か。

「……今日からお兄ちゃんのことセクハラお兄ちゃんと呼ぶね」

「……お前が強要してくるスキンシップもよくよく考えるとセクハラの気がするんだが?」

「……否定は出来ないね」

「というわけで、お前がそのつもりならセクハラ雪奈と呼ぶからな」

「………………………」

「………………………」

まぁ結論として。

「「ごめん」」

どっちも悪かったということで。


メインヒロインは雪奈ですよ? 一応。……たぶん。

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