観察44:これがデジャブ
「リア充氏ね」
「珍しくなんのひねりもなくその台詞を言ったな」
「じゃあひねりをいれるが……リア充なんか恐竜にでも愛されて食べられて氏ね」
「………それって愛されてんのか?」
「愛してるからこそ食べるのさ」
「………やっぱりこいつの感性は分からない」
場所はメイド中華永野亭。瑞菜のために早く上がれないかを聞いたら、いつものやり取りが始まったわけだ。
「まぁ……客が一人もいないからな。そろそろ終わりにしようと思ってたからいいけど」
「赤字確定だな」
「何がいけないんだろうな?」
「とりあえず問題点以前に店員の数を増やせ」
「それもそうだな」
流石に三人じゃどうしようもないな。学校もあるんだし。
「じゃあ、後は上がっていいぞ。後は俺と山野さんで片付ける」
「悪いな。じゃあよろしく頼む」
「じゃあな、うな重」
「………何を略してるのか分かるが、やめろ」
海原リア充→海充。……あほらしい。
「とりあえずメニューにうな重でもいれとくよ」
「既に中華料理とか喫茶店のメニューじゃねぇ……」
オレはそれだけつっこんでその場を離れた。
「あれ? とーくん早かったね」
「ん? あぁ……客いないしな」
「あはは……大丈夫なの?」
「潰れることはないはずだ。あの店はあの人の趣味だからな」
「あの人?」
「気にするな。そう言えば雪奈は?」
「先に帰ったよ」
………また気を使わしたかな。
「そっか。じゃ、買い物に行きますか」
「うん。デートに行こう♪」
「………買い物な?」
「デートだよ♪」
「………………………」
「………………………」
「まぁ、実際どっちでもいいんだけど」
「あはは……そうだね。というわけでデートにいこう」
「なんだかなぁ………」
別にそれでもいいんだけど。もともとデートに行きたかったんだし。
「それで? 服を買いに行くって言ってたけどどこに行くんだ?」
「ん〜と……分かんない」
「は………?」
「だって、私って最近ここに帰ってきたし、それに初めて買うんだもん」
「はぁ……初めてね……。それで? 結局何を買うんだ?」
「ブラジャーだよ」
「………………は?」
「ブラジャーだよ」
「……………………………………は?」
「だからブr―――」
「ストップ!!! 分かったからそれ以上恥ずかしい単語を連呼するな」
というか女の子が恥ずかしげもなく言う単語じゃない。
「ていうか……え? お前つけてないの?」
「あはは……とーくんの方が恥ずかしい事言ってるからね」
「いや……でも……」
「あはは……つべこべ言わずに行こうよ」
「……こう言うのをデジャブって言うんだろうな」
そんなこんなでオレはブラジャーを買いに行くのだった。ちなみに首根っこ掴まれて。
作者的には続いて欲しくないけど続きます。