表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/102

観察35:デートじゃありません

「とーくんとーくん」

「どうした? 瑞菜」

瑞菜と付き合い始めてから約1週間。休日の日にオレは瑞菜と買い物(決してデートとは認めない)に出かけていた。

「もうすぐ遠足だね」

「……小学生かお前は。レクレーションとせめて言え」

「なんだっていいよ。とーくんと初めての学校行事だもん♪」

「……そういえば小学生に上がる前に別れたから初めてか」

「そうだよ。だから本当に楽しみなんだ」

「といってもオレ達は3年だからな。適当に遊ぶだけだぞ?」

ちなみにこの間のホームルームで缶けりをすることに決まった。………どうやらオレのクラスは小学生な思考をしているらしい。

「楽しみだよねぇ♪」

「………人の話聞いてねぇだろ」

「あはは……ごめん」

まぁ、瑞菜の楽しそうな顔を見るのは好きだからいいんだけど。

「でも、本当に楽しみだなぁ」

「さっきからそれしか言ってないぞ?」

「あはは……ごめん」

まぁ、瑞菜の楽しそうな(以下略)

「ところで、今日は何を買いに来たんだ?」

「遠足……じゃなくてレクレーションに持って行く物とかを買いに来たんだ♪」

「はぁ……缶けりに何がいるんだ?」

適当に動きやすい服を準備すればいいだろうに……。

「とりあえずおやつはいるよね」

「まぁ、ないよりかはいいかもな」

「次に懐中電灯でしょ?」

「……夜まで缶けりするのか?」

「その次は替えの電池」

「懐中電灯の電池が切れるまで遊ぶのか……」

「後は非常食一式」

「おやつじゃ足りないのか……」

「最後に勝負パンツ」

「…………………」

こいつはどこでどんな勝負をしてくるんだろう?

「これでとーくんと二人きりで無人島に漂流しても大丈夫だね♪」

「むしろお前の頭が大丈夫じゃないがな」

「あはは……浮かれすぎかな?」

「間違いなく」

「でも……やっぱりとーくんと一緒にいれるでけで私は浮かれちゃうから」

「……恥ずかしい奴」

「あはは……とーくんの顔真っ赤だ」

「うるさいよ」

何でこんなにオレの心を乱すんだろう? 瑞菜は。まるで……

(……雪奈みたいだ)

「?……とーくん?」

「ん? どうした?」

「考え事?」

「いや、ぼーっとしてただけだ」

「そっか。ならいいけど」

オレはごまかして買い物を続けた。

缶けりは真剣勝負だと面白い……可能性もなくはない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ