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観察18:ツンデレ?転校生

「……で? 何でこころがここにいるんだ?」

ホームルームも終わり、クラスメート全員による質問タイムにストップをかけ、こころを人気ひとけの少ない所に連れ込んだ。

「何でって、言ったでしょ? 転校してきたのよ」

「この受験や就職を控えたこの時期にか?」

「ええ。おかしい?」

「おかしいだろ」

「でも私の他にも転校先がいるって聞いたけど?」

「瑞菜は家庭の事情って言ってた」

「だったらあたしもそれで」

何でもないことのようにこころは言う。もとよりこころが嘘をついているかなんて分からない。ただこころの境遇から想像出来る所もある。

「……回されたのか?」

「家庭の事情よ」

きっぱりとこころは言う。これ以上の追求には答えないとでも言うように。それでオレは分かった。

「相変わらずヘビーな人生送ってるな」

「普通よ。あたしにとっては」

「……まぁお前は大丈夫だろうけど」

それでも心配だ。オレや雪奈よりも普通に考えれば辛い境遇なんだから。

「無理するなよ?」

「あんたに言われるまでもない」

「相変わらずツンデレだなぁ……」

「デレた覚えはないけど」

「雪奈にはいつも優しいじゃないか」

「……それってツンデレなの?」

「知らん。適当に言ってるだけだし」

「相変わらずね」

「こっちの台詞だっての」

軽口をたたきあう仲。それがオレとこころの関係。そしてこころがいたからオレと雪奈の今の関係がある。

「そんなことより俊行。あんたもう一人の転校先と知り合いなの? なんか呼び捨てしてたみたいだけど」

「ああ、瑞菜のことか。昔馴染みなんだよ。お前や雪奈に会う前の」

「ふ〜ん……仲いいの?」

「それなりに。悪くはないんじゃないかな」

「そうよね。あんたが呼び捨てにしてたのってアタシと雪奈ぐらいだったものね」

「うるさいよ」

どうせオレはまともに女子と喋れないへたれですよ。

「ま、そういうことだから、これからよろしくね」

「……まぁ、お前がいれば雪奈が喜ぶしな。よろしくやってやる」

雪奈がうるさくなりそうだと思うオレだった。


転校生の独り占めは気をつけて。クラス中を敵に回します

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