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挿話4 アルバート

 婚約者のクレアは上位貴族との繋がりがほしかった父上がどうにか捕まえてきた伯爵令嬢だ。

 美人の部類には入るし、俺の前では婚約者として従順に振舞っているが、気の強さが目に現れている。まったく俺の好みではない。

 それどころか見るからにお堅くて、一緒にいても気を使って疲れるばかり。好みの可愛らしい女たちと息抜きしないとやってられない。

 クレアが何も言わないのは、自分が可愛いげのないつまらない女だと自覚があるからだろう。


 それにしても、あいつは何なんだ。クレアがコーウェン公爵の嫡男と幼馴染なんて聞いたことないぞ。俺を生意気な目で見やがって。

 まったく、お綺麗な顔の公爵家嫡男がわざわざクレアなんかに懸想する必要ないだろうに。俺や父上が望むべくもない上位貴族の令嬢なり王族の姫君なりと仲良くしてろよ。

 クレアもクレアだ。どうしてあいつにはそんな優しい目を向けるんだ。どうしてあいつとのダンスではそんな楽しそうに笑うんだ。俺の前ではすました微笑ばかりで、そんな顔したことないくせに。


 でもまあ、今だけだ。クレアがもう俺と結婚するしかないことは、クレア自身が1番わかってるはずだ。

 さっさと結婚して、妻としてたっぷり躾けてやる。もちろん、あいつと会うことは許さない。

 だが、クレアを奪い返してダンスをした時のあいつの歪んだ顔はいい気味だった。あれを見るために会わせるのはありかもしれないな。

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