第五話⊿ー追憶の眼ー
魔法とは体内に宿る魔素をエネルギーに変換するもので、個人の魔素量は例外を除きほぼすべてが遺伝に影響する、そのため、高位な魔導士のほとんどは貴族や王族が占めている
「さあ、一次試験と行こうじゃないか、『特異点』アルス・ヘスティア」
『特異点』、それこそが、遺伝に左右されない唯一の例外、特質的に発生し、世界に数人しか存在せず、『特異点』となった人間は体内魔素量が通常人間の数千倍といわれる
そして、この『特異点』こそが俺からすべてを奪い、『シャルドン』を滅ぼした存在
『ペストの眼』だけならヘスティア家は俺をぎりぎりかばうことができていた、だが悲劇は起こる、『シャルドン』の聖書改正から一ヶ月後、俺の右手の甲に文字のような不気味な模様が出現する、『特異点』の証だ、『魔眼』に加え『特異点』まで、それは天文学的確率ともいえる現象だった
間もなく『シャルドン』が最後の追い打ちとばかりに新たな宣言をする
『特異点は国を、世界を破滅へと導く恐るべき存在』
その二日後、俺は家族に捨てられた、だが、二年後、王族の誰かに『特異点』が出現したらしく、『シャルドン』は権力によって潰された、国を陥れた邪教として
そんなことは今話どうだっていい、とてもヴィレッドと同い年とは思えない美貌の持ち主のローザ・ストリングスは今、俺のことを「『特異点』アルス・ヘスティア」と確かに言った、このことを知っているのはごく限られたものしかいない、ヴィレッドの紹介でここに来たがあのヴィレッドが他人の秘密をやすやすと話すはずがない
「あのヴィレッドが他人の火道をやすやすと話すはずがない…随分と信頼しているんだな」
「なっ…」
考えが、読まれている?偶然なのか、いやそんなはずは
そして、しばらく考えた末、俺はある答えにたどり着く
「あなたも魔眼所持者なんですね」
「ご明察」
ローザはパチンと指を鳴らすと今まで茶色だった瞳が青くなる、おそらく変装などに使われる魔法『フェイク』を解いたのだろう
通常の人間の瞳の色は茶色だが『魔眼』は赤や青などの色をしていてすぐにわかるがコンプレックスを抱えるものが多く一部の魔眼所持者は『フェイク』を使い瞳の色を茶色にする、俺も昔やっていたのでその気持ちはよくわかる
さらに、ローザの眼は淡い光を帯びていた、『魔眼』の能力が発動している証だ、『魔眼』の能力は常に発動していることも可能なのだが幾分目が疲れる、感覚的に言うと度があっていない眼鏡をかけているような感覚だ、あくまで感覚なので視力の低下などはないが頭痛がしたり眼がしらがいたくなったりする
「俺以外の魔眼所持者に初めて会ったよ」
「私もだ、私も君のことを見させてもらった、お詫びと言っては何だが、私の眼のことを教えてあげよう」
ローザの眼の淡い光が収まると、ローザは自分の眼のことを俺に教えてくれた
『リルルの眼』、生き物の記憶や能力、魔法適正などを情報として直接見ることができるそうだ
ちなみに心や性格などは見えないらしく、先ほどは俺の性格を見るためわざと挑発をしてすまなかったと謝罪を受けた
あれ?なんか変だな、妙に静かとゆうか、俺に害をなすものがいたら真っ先にとびかかる馬鹿が今日はおとなしい、ついに場をわきまえるとゆう能力を手に入れたのか
俺はそんな淡い期待を胸に抱き隣に立つ自称弟子のライトに目を向ける
「スピー、スピー、スピ…」
寝てやがる、立ったまま
ローザの話が済んだ様子だったので、俺はライトをたたき起こし、二次試験会場へと向かった
ちなみに一次試験は面接で、そこで体内魔素量測定などを使いふるいにかけ一気に数を減らし当日のうちに二次試験を行う、そして俺とライトは合格らしいがライトは寝ていただけであったが、本気で入学したいと思っている奴の気持ちを少しは感じたらどうなんだ
最後まで読んでくれて感謝感謝です!
そして、そうアクセス数五百!累計ユニーク人二五〇!本当にありがとうございます!!