五章 新年
年は変わり2018年。センター試験は目前。
ミライアカリは早速炎上し、FGOはまた問題を起こしていた。
しかし、何があってもセンター試験の日程は変わらない。アキラ100%が地上波でポロンしてアキラ99.9%になったから延期とはならない。別に有罪が無罪に逆転もしない。
ぶっちゃけこの頃は緊張もなにも無くなっていた。勉強量も減り、ぼやーっとしている時間が増えた。もうここまで来たらやるしかないという気合と、もうここまで来たらどうしようもないという諦めがぐちゃぐちゃに混ざり合い、結果一日中キズナアイちゃんのゲーム実況を見まくるなんて日が生まれることとなった。
そして迎えるセンター試験。持てるすべてをぶつけた。終わったあとすぐに自己採点をすると、自己ベストをマークしていて小躍りしたのがとても懐かしい。あの時は素直に嬉しかった。というか今もそれだけは嬉しい。目標得点にはわずかに及ばなかったが、それでも自分の成長をこうして数字で実感出来たのは本当に良かった。
ここまで積み上げてきたものは、何一つ無駄じゃなかったんだ──と。
それからはずっと二次試験&私大入試の勉強だった。わからない人のために軽く説明しておくと、大学入試はセンター試験で終わりという訳ではなく、むしろここからが本番なのだ。
センター試験の点数+個別二次試験の点数で国公立大学の判定はなされることが多い。その比率などは本当にまちまちで、大学によってはセンター試験の点数によっては巻き返し不可能なんてことも余裕である。
だが、私大入試は特にそういうこともなく、各自の試験で合否を判定する。センター試験で大コケしてしまった人は故に私大入試に舵を切ることが多い。
という訳で私もその約3週間私大入試の勉強をにいそいそと取り組んでいた。非常に多くの人が受けるセンター試験とは打って変わって、受ける人間のレベルがある程度定まっている私大入試はやはり難易度が段違いだった。
そんなこと分かりきったことのはずだった。普通に考えれば一瞬でわかることだった。
誰だって知っているはずだった。