四章 冬
ボーッとしてたらあっという間に寒スギィ!な冬がやってきた。この頃はもう最期のときを待つ死刑囚のようにゆったりと怯えていた。
ゆったりと怯えるという言葉に多くの人は疑問を覚えただろう。でもこう言うしかない。
あくせく駆け回りはしない。惨めに足掻きもしない。ただ審判の時を待つ。でも、内心はとんでもなく怯え震えていた。
センター試験まであとX日と毎日日付が変わる瞬間に知らせてくれるbotをフォローし、毎日チェックRTをしていたのもこの頃だ。
勉強は少しは気合が入っていた。多分人生で一番頑張った時期だと思う。後でたいして当てにならないと判明した模擬試験の点数で一喜一憂したり、赤本を買って満足したりと我ながら無駄に盛り上がっていた気がする。
そして、年末に私は大きな出会いを果たす。
バーチャルYouTuberだ。12月の頭にキズナアイが登録者数100万人を達成し、そのブームの頭角を見せ始めていたバーチャルYouTuber。個人的にキズナアイ、ミライアカリあたりには目をつけていたのでなんだか嬉しかった。
そこでバーチャルYouTuber四天王と称し、4人の勢いのあるバーチャルYouTuberをまとめたツイートが大ヒット。数万のRTといいねを獲得した。その時は受験なんてすっかり忘れて楽しくTwitterを眺めていた。後に、そのツイートのリプ欄には今やスターのシロちゃんやのらきゃっとちゃんがいたことが判明し、よりいい思い出になったのだった。
そんなこんなで、年末年始は色々な娯楽に触れつつなんとか乗り切った節がある。確かに勉強は大事だし、遊びすぎるのは良くない。が、規制しすぎるのも良くないと私は思う。
Twitterを突然やめたり、ゲームをアンインストールしたり、そんな思い切ったことなかなかできないし、なにより続かない。
別のアカウントでこっそりTwitterを見るのがオチだ。だったら変に禁じるのではなく、少しずつ量を減らすほうが効果的だろう。これに関しては経験より自信を持って言える。
今まで熱中していたものをいきなりゼロにするのはなんでも難しい。いい距離感を見つけるのが大切だ。