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グランクレストRPGリプレイ 「新編:アロンヌ建国紀」  作者: 七無
第一章 反撃の狼煙
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第6話 ミドルフェイズ3 「謀略の気配」

 


 GM   :では、イベントです。あなた達が今後の予定を話していると、行商人の格好をした黒髪の女性が訪ねて来ます。…ここからはRPロールプレイで演出しようか。



***



 黒髪の女:「もし。…もしやあなた方は、先王のご息女フレア様と、そのご一行様では?」

 訪ねて来たのは、濡羽色の長髪を緩くまとめた年若い女性だった。涼やかな切れ長の目をしており、やや薄い唇がうっすらと微笑を湛えている。


 フレア :「ええ、そうよ。私はフレア・ルージュ、それがどうかした?」


 リオン :「ちょっと、勝手に名乗らないでくれるかな!?(焦」


 イスキュ:「ワシは一行というより、崇められる立場なのじゃが……」(一同笑)


 黒髪の女→ルミア:「それは失礼いたしました。私、セスティア国の契約魔法師をしております、ルミアと申しますの。今回貴方方の下を訪れましたのは……正直に申し上げますと、フレア様にこの国の政権を取っていただきたいからですわ」


 フレア :「……どうして?」

 フレアの目が警戒に細められ、、声が一段低くなる。


 ルミア :「我々セスティアといたしましても、ヘルガーの非道は許しがたいんですの。ですが共同戦線を張ろうにも、現在のアルバン王は聊か頼りないお方……」

 困ったように眉を潜め、目を伏せながら語り続ける。


 ルミア :「私どもは、アルバン王よりも頼りがいのあるお方にこの国の君主ロードになって頂き、その上で同盟を結ばせて頂きたいのですわ。それが、貴方…」

 そう言い終えると、ルミアはフレアへと流し目を送る。


 フレア :「でも私、そういうの面倒くさいのよねぇ…」

 ルミアの視線を受け、鬱陶しそうに手を振るフレア。可愛い少女は嫌いではないが、彼女は好みでは無いようだ。


 ルミア :「もしあなた方がこの話に乗り、反乱を起こしてくださるのならば、こちらはわが国の兵をお貸しいたしましょう」


 リオン :「怪しいけど……でもこれは、チャンスかもしれないね。元々僕たちは反乱を起こすつもりだったし、いい話じゃないのかな?多少怪しくはあるけど、危ない橋でも渡らないと僕らはどうにもならないからね。…戦力差がありすぎる」

 ルミアを警戒しつつも、軍略の面からリオンが言い添える。何か気になることがあるのか、時々訝し気な顔をするものの確信には至らないようだ。


 フレア :「…ローランとヌシ様は、どう思います?」

 決めかねる様子で、フレアが二人に意見を求める。手荒な真似はしたくないようだが、リオンの指摘もまた最もであり、判断がつかないようだ。


 イスキュ:「ほ、ただで施しをくれてやるのは神の所業よ。こやつがその域にあるとは思えんがのう」(ドヤァ


 ルミア :「先ほども申し上げました通り、こちらにも利があっての先行投資ですので」

 微笑みを崩さぬままさらりと答え、動揺した様子もない。


 イスキュ:「まぁ何にせよ、ワシはこの国のモノではない。お前たちで勝手にするがいい」

 そこまで言うと、イスキューロンはごろりと寝返りをうち、背中を向けてしまう。神として加護は与えるものの、積極的に関与する気はないようだ。


 ローラン:「まぁ、俺が一人で決めるなら、組まねぇ。気に入らねぇからな」

 いかにも胡散臭い、といった表情でルミアを見やり、フレアに向き直る。


 ローラン:「だが、決めるのは姫さん、あんただ。それに、あんたが何をおいてもこの国の王になりたいってんなら、形振り構ってる余裕はねぇんじゃねぇか?」

 

***


 ましろ :うーん、めんどくさいけど…フレアちゃん、目的が「守護」なんだよねw…民守らないとねー。


***


 フレア :「…そうね。私は何をおいても、この国の民たちを守りたい。その為には、めんどくさいとかも言ってられないしね。」

 覚悟を決めた表情で、顔を上げる。


 フレア :「その話、受けるわ。何かあっても、私が責任を取る。…ヌシ様も、どうか力をお貸しください。」


 イスキュ:「ほ、任せておけ。お主は中々見どころがある故な。」

 フレアからの祈りを受け取り、背中越しに告げる。質の高い信仰心を受け、とても満足そうだ。

 

 ルミア :「…では、この話に乗っていただけるということで?」

 

 フレア :「ええ。」


 ルミア :「うふふ…。畏まりました。」

 袖で口元を隠し、ひそやかに笑う。

 ルミア :「…では、私は国境付近に兵を待機させておきますゆえ。何かありましたら、こちらに」と、大体の位置が書かれた紙を渡します。


 フレア :「ええ、ありがとう。」


 ルミア :「では、お待ちしておりますわ。」

 そう言ってルミアはフードを被り、立ち去っていく。



 イスキュ:「あやつめ、妙に手際が良いのぅ。」

 ごろんと向き直り、目を細め警戒を露わにする。


 リオン :「まぁ、怪しいのは間違いないけどね。念を入れるに越したことはないだろうし、僕は彼女についてこっそり調べておくよ。」



***



 GM   :といったところで、ルミアとの接触イベントは終わりです。では引き続き情報収集、GMから新たに提示する項目はありません。皆さんで各自調べたいことを調べてください、ということですね。

 amida  :ルミアとか、セスティア関連についてはリオンが行こうかなと思ってる。難易度高そうだしね。

 ニーグ :今出てないのは、②「アルバンについて」だったね。あとは、ディーノについても調べておかないと。


 ましろ :ただ、気になってるのが、さ…。ルークが「城の防衛のためにフレア達を捨て置く」って言ってたけども、それって「防衛をしなきゃいけないぐらい敵が近くに来てる」ってことじゃないのかな。

 ななむ :ヘルガーの奇襲部隊、とか?

 GM   :あー、ルークにそこまでの意図はないよ。現状だと、城下町があまりにも手薄すぎるからっていうだけ。

 ななむ :セスティアが「協力してヘルガーに立ち向かう」って言っておきながら、その実ルーミルの首都を取りに来てるっていう線は無い?

 GM   :んー…、その可能性については、「セスティアについて」で調べた方が早いかな。

 ましろ :それは、「ルミアについて」で調べても出る?

 GM   :その二つは別項目で。

 ましろ :それなら、「アルバン」「ディーノ」「セスティア」「ルミア」で終わりか。

 GM   :あ、言ってしまうと、アルバンについて調べてたら、ディーノについても出ます。

 ニーグ :ということは…アルバンとディーノは、常に一緒に行動している、ということか!?♂

 GM   :兄弟だからね!♂

 ましろ :ヤバイ!?ホモはやばいってホモは。

 GM   :ホモはななむの役目だからな。

 ななむ :おい(迫真


 ましろ :…と、なると、あと調べるべきはヘルガーだね。戦力とか、奪われた村の被害状況とか。現状を知っておかないと上に立てないしね。

 ななむ :軍の動きと被害状況は、別の項目になるんじゃないの?

 GM   :うん、別だね。

 amida  :メタいこと言うと、ヘルガー関連は次回以降になりそうだから、ある程度は後回しにしていいと思うけどw

 GM   :…。(黒笑

 ましろ :でもこれ、今決めなくていいよね?そしたら、とりあえず②「アルバン」と⑤「ルミア」、⑥「セスティア」だけ調べちゃいましょう。

 ニーグ :はい。じゃあアルバン、13出せばいいはず…。(コロコロ)14、よし。

 GM   :はい、ではアルバン行きまーす。



  ②現王アルバンについて 難易度15(13)

 謀反を起こした従属騎士、ディーノの弟。

 勇敢だったディーノが、ヘルガーとの戦いで戦死したため王位を継いだ。

 しかし、アルバンは内政の手腕は悪くないものの戦闘はいまいちであり、このところ負け続けである。

 スタイルは支援と治癒に長ける「メサイア」で、シェリーという一人娘がいる。

 CLキャラクターレベル換算で5以上はあるはずだが、フラッグ(※1)は現出していない。



 GM   :そう、ディーノはすでに戦死していたんだよ!

 一同  :ナ、ナンダッテー!?(棒読み)

 GM   :まぁ、5レベ以上なのにフラッグが出ていないって時点で、彼の不甲斐なさについてはお察しですw

 ましろ :じゃあ、どうすっかねー…。ルミアとセスティア調べた後、フレアはシェリーについて調べようかな?アルバンと戦わなくても、彼女を通せば話を付けられるかもしれないし、その為にもシェリーの説得は必要だと思うんだよね。

 amida  :シェリーに関しては調べるとしても、ディーノは本当に戦死したんですかねぇw

 GM   :んー、そこは「通説では戦死」としておきましょう。後で闇の魔王として復活するかもしれないし…メタいこと言うとそこまで考えてないw



 ななむ :じゃあ、あと調べるのは⑤「ルミア」、⑥「セスティア」、⑦「シェリー」、か。

 ましろ :セスティア軍の変な動きとかも⑥で出る?

 GM   :んー、それは相当高い達成値が要るね。

 amida  :リオンが一番達成値は高いけど、どっちを振ろうか…。

 ななむ :じゃあ、ローランが先に⑤「ルミア」振ろうか。えー…そやね。ここで「天運」1個だ。

 ニーグ :おぉ!?

 amida  :ぶち込むねぇ。


 ななむ :⑤を、4d6+4で。(コロコロ…)12+4、16!

 GM   :うん、余裕余裕。


  ⑤ルミアについて

 1か月ほど前から、ルーミルを訪れている薬売り。普段はティアと名乗っている。

 彼女の売る丸薬は非常に評判が良く、馬車に轢かれて骨折した子供が3日ほどで完治したそうだ。


 ましろ :…おかしくない!?w 3日って。

 GM   :まぁ、そういう魔法があったよね?っていう話ですね。

 amida  :《キュアシリアスウーンズ》ですね、分かります。

 ななむ :生命魔法師ヒーラーか…。



 GM   :はい、他に何か調べる人は?

 amida  :じゃあ、リオンがセスティアについて調べます。3d6+8で《アシスト》も飛ばせるし、何とかなるでしょう。(コロコロ…)19に《アシスト》飛ばして、22です。

 GM   :よかったね、情報2段階目は20だよ?w

 amida  :なんか20くさいなーと思ったからw


  ⑥セスティアについて

 同盟こそ組んでいないが、そこそこ友好な方。

 騎兵キャヴァリアー君主ロードファルディオ・ルーガルディ、生命魔法師ヒーラーのルミア、魔剣士アームズのヴェリド、そしてファルディオの王具である意志持つ槍、聖槍ウォーリスが主な幹部である。

 騎士団もいくつか抱えており、士気を維持して力に変えるフラッグ「フラッド」を有している。

 

 ルミアは小柄で明るいポニーテールの少女であり、基本的に考えるよりぶん殴る方が性に合っているらしい。


 ましろ :…あれ、さっきのルミアって偽物じゃね?

 amida  :だよねぇ。ルミアどう聞いても裏ヒーラー(※2)だし。

 ななむ :さっきの自称ルミアは、じゃあヘルガー側か…。

 amida  :罠くさいな。



 ましろ :で、最後の⑦「シェリーについて」。〈情報収集〉かな?

 GM   :そうだけど、他に振り替えたい技能があったら言ってくれてもいいよ。

 ましろ :んー、〈聖印〉で判定とかできる?聖印が身分保障になるなら、それ見せて話を聞くとか。

 GM   :…聖印見せたら捕まるよ?指名手配中だから。

 ましろ :だめかー。

 GM   :まぁでも、そんなにシェリーの情報難易度は高くないよ?何せ事前に項目作って無かったからねw 出せる情報はあるけど。

 ななむ :まぁ、人柄を知るくらいでもいいんじゃないかな?ヒロイン候補みたいだし。

 ニーグ :居場所とかは出るんじゃないかな?

 ましろ :居場所が分かれば説得しに行けるな、十分十分。…とりあえず、天運1個だけぶっこんどこかw

 amida  :ヒロイン獲得に必死だなこいつw

 ましろ :ヒロインの為に頑張るんやで俺は!(コロコロ…)あー死んだ!10!

 GM   :10だと1段階目のみだねー。


  ⑦シェリーについて

 アルバンの娘で、一応騎兵キャバリアーの聖印を持っている。

 しかし、騎獣である愛犬と基本的にいつも一緒であり、あまり争いは好まない。

 今は城にいるが、警備が厳重なためこっそり会うのは難しいだろう。


 ななむ :はいGM!《鳥獣の友》使ってその愛犬とお話できますか!?(キラキラ目

 GM   :折角取ってるから許可しようw 会えれば可能です。会話というより、何となく感情が分かる感じになるけど。

 

***


 リオン :「色々と調べてみたんだけれどね。どうやらあの連中、セスティアとはあまり関係が無さそうというか、偽物じゃないかなぁ?」


 フレア :「あら、そうなんだ。……めんどくさいことしてくれるわねー……」


 リオン :「ま、何かくさいとは思ってたんだけどね。」


 ローラン:「なら、ヘルガーの奴らか……? 奴ら、どうしてもこの国をめちゃめちゃにしたいらしいな。」


 リオン :「彼らがどこに所属しているか、はともかくとして……。こちらに友好的かと考えると、ちょっと怪しいよね」

 頬を指でトントンと叩きながら、考え込んで。


 フレア :「そうね。まぁ……あれ? 私いつ頃行くって言ったっけ? あの自称ルミアとの約束で」


 リオン :「準備が終わったら合流してください、とは言ってたね。」


 フレア :「ということは…準備が終わってないから、まだまだ向かわなくていいって事ね!」

 と黒いこと言いつつ純真な笑みを。


***


 ましろ :とはいえ、行かなくてもそのまま攻めて来そうだよな……。

 ニーグ :国境で準備してるわけだからな……。

 GM   :おい、リオンの「禁忌:破約」はどうした!?w 破約だろこれ!

 amida  :先に約束を破ったのはそっちなんだよなぁw



 GM   :はい、では情報収集一通り終わったので、一旦シーンを切ります。次がルートの分岐点ですよー。

※1フラッグについて

 CLキャラクターレベル5以上の君主ロードに発現する、聖印の発展形。君主の信念がより確固たる形を得た時に現れるとされる。

 国に所属するもの全てを強化するが、君主ロードに大きな負担を強いるため、一定以上の強さが無ければ担いきれない。


※2通称「裏ヒーラー」について

 呪法魔闘士、常盤の系統とも。生命魔法で他者を治癒するのではなく、自分の肉体を強化し格闘で戦うヒーラーの変則型。 

 医師兼武術家という側面からか、《軽功》《調息呼吸》といった中国拳法を彷彿とさせる特技名が多い。

 

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