第13話 クライマックス4 「苦い勝利」
〇第二ラウンド
リースを引きはがし、戦いを仕切り直したフレア一行。しかしその実、勝負はほぼ決し始めていた。
確かにリースは強力な敵だ。防御は硬く、自在に伸びる血の鉤爪は避け辛い。当たれば動きを鈍らされる上に、相手は血を吸って回復までしてくるのだ。非常に継戦能力の高い、厄介な相手と言えるだろう。
……だが、彼女は未だに遊んでいる。
「イイ、やっぱりすっごくキモチィイよおにぃちゃん! もういっかいやって、もういっかい!!」
今この瞬間も、フレアに深手を負わされたにも関わらず、ローランしか目に入っていない。このままローランが回避に徹し、フレアが炎熱攻撃を加え続ければ、倒れるのは時間の問題だ。
――そうフレア達が考え、再び動き出そうとした直後。
「リース、そろそろ引き際よ。 戻ってらっしゃい?」
どこからともなく、リゼの声が戦場に響いた。
***
GM :では、第二ラウンド……なんですが、ここでリースが《煙のように影のように》を宣言。部隊を置き去りにして、自分だけ隠密状態になっての逃亡を図ります。一応〈隠密〉と〈知覚〉で対決があるんですが、します?
amida :え、リオンはするよw 〈知覚〉はリオンのメイン技能だぜ?
GM :GMとしては、、普通に逃がして欲しいんだけど……。
ニーグ :べつに、ここで倒してしまっても構わんのだろう?w
amida :GMの想定を超えないといけないらしいからね、仕方ないね!w
ましろ :でも正直、逃がしたってもいいんじゃない? ここでそのまま戦ってもあんま得はないというか、一番しんどいのはローランやからな。
ななむ :正直、もうだいしゅきホールドされたくないです(白目) PCの前にPLのSAN値がヤバい!
ニーグ :あー、それは仕方ないな……。
amida :分かった、天運を使うのは無しにしておこう。でも一応判定はするわ。
ましろ :それでええかな。これでクリティカル出たら諦めろ。
GM :OK、そしたらリゼから支援を得たのと、自前の天運を合わせて6d6+10で。(コロコロ……)あ、クリった。
amida :それはさすがに無理ですねぇ……(コロコロ)うん、無理だった。
***
「……もうちょっと遊びたかったけど、おねぇちゃんが言うなら仕方ないね」
一瞬で冷静な表情になり、後方に飛び退るリース。その体が足先からぼやけ、霞のように見えなくなっていく。
やがて頭だけになり、完全に消え去る寸前……リースは再びローランに、熱っぽい眼差しを送った。
「今日は楽しかったよ、おにぃちゃん。また、会いに来るからね……?」
***
ななむ :二 度 と 来 ん な !!(切実)
ましろ :塩撒いとけ、塩!w
GM :はい、こんな感じでリースは離脱。後には、瀕死の装甲兵がポツンと残されます。
ましろ :まぁでも、降伏はしてくれないんですよね?
GM :うん、しない。
ニーグ :ジャーム死すべし、慈悲は無い。
GM :で、歩兵は瀕死、騎馬兵はそこそこHPは残ってる、弓兵はまだ無傷やね。後はもう正直殲滅戦です。
amida :じゃあ、またリオンが十字に魔法撃って、瀕死の装甲兵と弓兵を巻き込むか。
ましろ :あっそうか、装甲兵さっき吹き飛ばされて、範囲に入ってるんやな。
ななむ :その辺も見越して吹き飛ばしたからな。
***
――その後は、もはや一方的な蹂躙だった。
リオンが装甲兵に止めを刺し、ローランが突っ込んで弓兵を跳ね飛ばす。残る騎馬兵は、フレアとイスキューロンが集中砲火で殲滅した。
イスキューロンの攻撃が、今度はフレアに誤爆しそうになったものの、イスキューロン自身のカバーによって事なきを得て、フレアの信仰心は更に深まったのである。
***
ななむ :ハリケェエエエン●キサァアアア!(突進攻撃時の掛け声)
ましろ :楽しそうだなオイw
GM :はい、ではリースが消えた途端に瞬殺されましたね。こっちの攻撃一回も来なかった……w
ましろ :リースおっても、勝てそうな気はしたけどな。
GM :まぁな。さすがに4対1じゃあ勝てへんよ、CL13でも。……ま、なにはともあれ、戦闘終了です! お疲れ様でしたー!
一同 :お疲れ様でしたー!!
GM :じゃあ、何も無かったらエンディング入るけど、どうする?
ましろ :あ、ちょっとフレアちゃんでやっておきたいRPがあるわ。
GM :おーけおーけー。
***
殲滅され、息絶えた兵士達。彼らの顔は憎悪に塗れ、一人残らず両目をカッと見開いていた。
……なぜ、俺たちは失った?なぜ、守ってくれなかった?
君主というのは、民を守ってくれる存在じゃなかったのか?
そんな声なき声が、焦点のない目から聞こえてくる。
「皆、ごめんなさい。殺すしかなくて……助けられなくて……」
フレアはそんな死者たちのそばに屈みこみ、そっと一人ずつ瞼に触れては、その瞳を閉じていく。
表情を一切動かすことなく、彼らの無念を一つずつ受け止め、噛み締めるかのように。
……国の全てを守りたいと、その為に王になるのだと言っていたフレア。
しかし王になるとは、この怨嗟の全てを背負い、責任を取るということに他ならない。
いまだ年若い、ほっそりとしたフレアの後ろ姿は、この時ばかりはひどく儚げだった。
***
ななむ :じゃあ、フレアの様子を横で見ながら、「ひでぇ顔だぜ、全くよ……」と呟きます。
amida :リオンは、「やっぱり慣れないな、こういうのは……」と言いながら、念動力でフワフワ浮いてるよ。
ニーグ :「せめて魂だけは、ワシがちゃんとあの世に送り届けてやろう」と言っておくかな。
GM :ほんまや、神様やったコイツw
GM :じゃあ、RPはこんなものかな? では砦に帰ったということで、、次でエンディングです。
2017/12/19追記
リアルの用事が忙しくなってきたため、1か月ほどお休みをいただきます。