表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名乗らない英雄  作者: 夢野ひつじ
第一章 へっぽこエンジニアの決意
1/22

~プロローグ~

 シュンサク・マナベ、二十六歳は、アオイTOYという大手おもちゃメーカーの平社員だ。


 勤続六年になるが、企画した作品が職場で商品化されたことは一度もなかった。

 業績を残さず、昇進するわけでもなく、うだつの上がらない毎日を一生過ごすものと本人も周囲の者達も信じて疑わなかった。


 なのに、どうしてこんなことになってしまったのか。


 今日は土曜日で会社は休日だ。普段なら今頃は自宅で惰眠を貪っている頃だ。


 しかし、現在、シュンサクは地球軍に所属する宇宙戦闘用駆逐艦ヒコボシの艦橋内にいた。壁のいたるところで何らかの計器や装置が群れを成している景色が目の前にあった。その中で、軍服に身を包んだ乗組員達が、せっせと仕事をこなしていた。

 スイッチがぎっしり埋まっている制御盤前から、赤毛をおさげに束ねた女通信士がこちらを窺ってきていた。彼女は冗談でもなく、疑うでもなく、一サラリーマンに過ぎないシュンサクに告げてきた。


「シバウス艦長、発進の許可をお願いします」


 念のためにもう一度断っておこう。


彼はシュンサク・マナベ。おもちゃメーカーの平社員だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ