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第四話

「ここで鉄がとれそうなのか?」


「はい、ここが一番とれそうです。」


「わかった。」


現在賢三は、鉄鉱石を取りにきていた。

もちろんゴブリン達の装備を整えるためだ。


「どうやって採掘するつもりっすか?」


「エリーさんにお任せします。」


「いやいやいや、どうやってやればいいんっすか!」


「使えない絶壁だ。」


賢三は、肩をすくめながらやれやれといった感じに言った。


「どこがっすかぁ?」


「いえ、なんでもないです。」


『完全抽出は、Lv1なので1立方メートルの範囲を抽出できます。』


どうやるの?


『試しにその岩壁を触って下さい。』


こう?


『そのまま欲しい鉄鉱石の特徴を頭の中に思い浮かべてください。

全レシピ解放スキルがあるので容易だと思います。』


わかった。


賢三が思い浮かべると岩壁を触っている手がだんだんと熱くなっていく感じがしていき、触っていない方の手から何かが放出される感触がしていた。


「キモいっす!」


エリーが大声で言ったが賢三は集中していて、エリーの声に気付いていないようだ。


『そろそろいいです。

自分の左手の下を見てください。』


助言者に言われて賢三が左手の下をみると、そこには一本分の鉄のインゴットが出来ていた。


「スゲー!」


「流石です、賢三様!」


『次に作りたい物を思い浮かべてください。』


やったよ。


『すると、必要な素材が頭の中にでてくるのでその素材を鉄のインゴットの横に置いて下さい。』


賢三は、鉄のインゴット横に木の棒を置いた。


『その上に手を置いて下さい。

そして、集中しながら作りたい物を思い浮かべ続けて下さい。』


ふむふむ……ピッケルピッケルピッケルピッケル。


『するとあら不思議、ピッケルの完成です。』


「おぉ~!」


『この作業は魔力を使うので注意してください。

貴重な物ほど魔力を使います。』


「作るのは鉄の剣じゃないんっすか?」


「まずは岩壁に穴を掘ってもっと様々な鉱石がほしいし。

はい、エリー。」


「いやっす!しんどいっす!」


「黙れい!エリーが力持ちなのは知っているぞ。」


「めんどくさいっす。」


「はぁ~エリーの為にスゴい武器を作ろうと思ったのにな~。」


「え?」


「そんなことだからゲボラ、頼むよ。」


「待つっす、私がやるっす。」


「エリー、無理しなくてもいいんだよ。」


「無理してないっす!

バリバリやる気っす!」


「そう?ならお願いするよ。」


「任せて欲しいっす。

いっぱい掘りまくってやるっす。」


エリーはピッケルを手に取り、ピッケルで思いっきり岩壁を掘り始めた。

顔にはださないていたが、賢三はエリーの掘るスピードに驚いていた。

力持ちというのはわかっていたが、あまりにも強すぎるため、エリーのステータスに興味がわき鑑定スキルを使用した。


名前 エリー

性別 女

Lv 1

種族 ヒューマン(?)

経験値 0/25

体力 250/250

魔力 70/70

攻撃力 200 (+20)

防御力 152 (+15)

魔攻力 40

魔防力 57

スキル 鎌術Lv2


は?エリーの奴レベルの割りに強すぎるだろ!

ゲボラより強いし。

しかもヒューマン?ってなんだよ!


結構エリーは、三十分ほどでかなりの大きさの洞窟を掘りあげていた。


「こんな感じでいいっすか?」


エリーはヒーヒー汗を流している。


「あぁ十分だ、何かリクエストはあるか?」


「もちろん鎌っす。

凶悪な奴を一本欲しいっす。」


「エリーが掘ってくれた洞窟の鉱石次第だな。」


「早く中に入るっす。」


「はいはい。」


そのまま一時間ほど洞窟内を歩き鉄鉱石・銅鉱石・銀鉱石・魔鉱石・氷晶石などが主にとれた。

ごく少量だが水晶石・金鉱石・炭石もとれた。


その後、村のゴブリン達を洞窟まで呼びインゴットにした鉱石を村まで運ばせた。


「それじゃぁ俺は装備を作るから自分たちで鍛えていてくれ。

後、飯はどうするんだ?」


「はい、動物を狩って食べます。」


「気を付けて狩りをしてくれよ。

絶対に無理はするなよ、まだ負けてもおかしくない実力なんだからな。」


「賢三様がくださったこの身、大切に使わせてもらいます。」


「頑張れよ。」


「はっ!ありがたきお言葉。

皆の者!賢三様を拝むのだ!」


「「「「はは~」」」」


ゲボラの言葉にゴブリン達は一斉に手を合わせて拝んでいる。


賢三は頭を書きながら内心、信仰心がまた一層強くなっていることに冷や汗をかいた。


ゴブリン達が狩りに行く班と鍛練班に別れると賢三は、ゴブリン達が用意したこの村で一番大きい家の中に入っていった。

ゴブリンには建築技術がない為、この家は元々廃屋でこれを修復しただけらしい。


エリーは鍛練班についていき、ゴブリン達の鍛練の様子をみている。


「なかなか本格的っすね~。」


ゴブリン達は元々使っていた武器で、打ち合っている。

エリーがゴブリンの鍛練を見ているとこの班の隊長であるギィがエリーの所にやってきて鍛練に交ざらないかと言ってきた。


ゴブリン達にとってエリーの存在は、賢三の第一家来の様で結構尊敬されているのである。


「いいっすよ、ちょうど暇だったっす。」


エリーは、ゴブリンの木刀の様な武器を受け取るとたギィと打ち合いを始めた。


エリーとギィは木刀とガンッと鳴らせながら打ち合っていたが、だんだんとギィが押されはじめたが、ギィの木刀を受け止めると見せかけてエリーの木刀を受け流し、エリーに攻撃をしようとしたが、そこにエリーの姿はなくいつの間にか首もとに木刀を当てられていた。


「王手っす。」


ギィは降参の意味として、木刀を離して両手をあげた。

それを見ていたゴブリン達から盛大な拍手をされてエリーは照れながら、頭をかいていた。




「ふぅやっぱり魔力が足りないな。」


その頃賢三は、ゴブリン達の装備を作っていた。

正確にいうと村には六十四人のゴブリンが住んでおり、剣とプレートを作るだけでも多量の魔力が必要となるのである。


『あと、四個作ればレシピ解放スキルのレベルが上がります。』


ゴブリン達を助けるのが条件では?


『それは他者進化スキルと他者覚醒スキルです。』


それじゃぁスキル毎に条件があるってこと?


『はい。』


それなら初めから教えてよ。


『初めから攻略をみるなんてつまらないとおもいませんか?』


そうだけどさぁ~。


『お黙り!』


っ!

『レシピ解放スキルのレベルを上げると使うの量と魔力作った物の品質があがります。』


助言者さんマジぱねーっす。ぼそっ


『聞いてますか?』


サー、イェッサー。


『Are you kill me?』


ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。


『なら、返事は?』


はい!


このごろ助言者に調教されてきていると感じる賢三であった。

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