第三話
「変三君大丈夫っすか?」
「賢三だよ!
何だよ変三って。」
「一人でいきなり叫びだしたっすから…。」
「ドン引きじゃねーかよ。」
「それは当たり前っす。」
「うるせーい!後で理由教えるから黙っとれい!」
「弁解は意味をなさないっす。」
「賢三様!今何が起こったのでしょうか?」
どうやらゲボラが気付いたようだ。
ゲボラのステータスがどの程度変わったかみてみるかな。
鑑定!……あれ?、鑑定!……ん?
『鑑定スキルを使用する時は、対象をじっと見るだけでいいです。ププッ』
最初から言って!
頭の中だけど恥ずかしいから!
名前 ゲボラ
性別 女
種族 ボブゴブリン
取得PP 0/400
体力 280/280
魔力 0/0
攻撃力 102
防御力 94
魔攻力 0
魔防力 0
スキル なし
「え?女!」
「………あっはい!私は女です。」
「今のはれでぃに失礼な言葉っすね。」
「あっ…すいません!」
「頭をお挙げ下さい、賢三様は何も失礼なことはなされていませんから!」
「いやいや」←賢三
「いやいやいや」←ゲボラ
「いやいやいやいや」←賢三
「いやいやいやいやいや」←ゲボラ
『その茶番はもういいですか?』
茶番じゃないよ!
『茶番です。
さっさと次の説明をしたいのですが。』
あっ、すいません。
って最初から説明してくれるならしてよ!
『チッ……では、他者覚醒スキルと他者進化スキルの説明をしたいと思います。』
はい……。
『他者覚醒スキルとは、賢三様が取得したPPを他者に与えるスキルです。
このスキルによって闘うには弱すぎる生物にPPを与えて強化することができます。
また、取得PPは個々の強さにあわせて限界値があります。
この限界値までPPを取得する事によって他者進化スキルを使用し、対象の生物を進化することができます。』
じゃぁゲボラは、PPを限界値まで持ってたってこと?
『はいそうです。
また、スキルの横についているLvが高いほどスキルの効果が増します。
他者覚醒スキルのLvを上げると他者にPPを与える時に与えるPPの値が増えます。
現在はLv2となっているので、1.05倍です。
次に他者進化スキルのLvを上げると他者が進化した時に全部のステータスが増えます。
現在はLv2となっているので、1.05倍です。』
スキルのLvはどうやって上げるの?
『こちらが出す条件をクリアするか自分のLvを上げて下さい。』
次の条件は?
『ゴブリンの悩みを解消してあげてください。』
やっぱりかorz
「また、黙り始めたっすよ。
いやらしい事を考えてるに違いないっガハッ!」
「いい加減なことを!」
「それで、賢三様私はどうなったのですか?」
「あぁ、すまない。」
それから、賢三はゲボラにわかるように噛み砕いて説明をした。
「それでは、他にも私の様になれる者がいるのですか?」
「全員見てみないとわからないかな。」
「わかりました、全員集合!」
ゲボラが耳がおかしくなりそうな声をあげると、村に住む全てのゴブリンが集まりだした。
「これで村の全員です。」
ゲボラに言われて集まり、横一列に並んでるゴブリンを見ていくとちらほらとPPが限界値にまで貯まっている者が見られる。
「では、ギィ・ネヤニ・コヌラ・ラサエ・ニソニオは前にでてくれ。」
賢三は限界値まで貯まっている者を前にださせて、一人一人にスキルを使用した。
スキルを使用する毎にゴブリン達から様々な歓声があがった。
賢三により、進化したゴブリン達は自分の新たな姿を見てより一層信仰心が熱くなったのは言うまでもない。
「次に闘う時のチームを作りたいと思う。」
賢三の言葉に拍手喝采が起こった。
「 ギィ・ネヤニ・コヌラ・ラサエ・ニソニオを各チームの隊長として訓練をしてもらいたい。
これから隊長が各々のチームを鍛えてくれ。
ゲボラには、隊長をまとめる役としてもらう。」
賢三の言葉が終わった後、スタンディングオベーションが賢三が止めるまで続いた。