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小悪魔彼女に惚れられました。 作者:南条仁

小悪魔彼女

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第23章:愛ゆえの暴走《前編》

【SIDE:日野大河】

 こちらにやってきた希美と一緒に食事へ行くことにした。
 美鶴姉ちゃんは買い物中なので、駅前で合流することに。

「さぁて、それじゃ行くか」

「はい、兄さんっ」

 部屋を出るや、俺の手を握ってくる希美。
 いや、これは変な意味ではなくてですね。
 いわゆる仲のいい兄妹ならではのお約束と言いますか。
 女の子の手ってホントに細くて柔らかくて最高です。
 ……違うんだ、妹に手を握ってもらっただけで喜んでどうする、俺!?
 希美は可愛いが妹なのだよ、頑張れ、俺。

「どうしたんですか?」

「んにゃ、何でもないです」

 ちょっと反省しつつも、拒む理由がないので手は繋いだままだ。
 マンションの外に出ると自転車に乗っている可憐に出会う。
 嫌なタイミングで嫌な相手に出会ってしまった。
 妹と手を繋いでる俺=シスコン兄貴=変態?
 マズイ、ここは何としてもいいワケをして……。

「大河クン?あら、今日は女の子連れ?可愛い子じゃない」

「あ、あぁ。まぁね」

「もしかして、恋人?ついに春が来たの?」

「その言い方はどうかと思うが……恋人?」

 なるほど、普通に見れば兄妹というより恋人的なイメージに見えるのか。
 ……何が「なるほど」なのか、よく分からないが。
 とは言っても、可憐相手に嘘ついたら後が怖くて面倒だ。
 ここは素直に妹だと言っておくことにしよう。

「実はだな、可憐……」

「可憐……?もしや、この方が大河兄さんの近所に住んでいる親しい大学の同級生?」

「初対面の子にそこまで詳しく関係を言われたのは初めてよ。誰なの、大河クン?」

 何で希美が可憐の事を知ってるんだろう?
 あっ、梨紅ちゃんと話をしていたからその時に聞いたのかもしれない。

「紹介するよ、俺の妹の希美だ。春休みを利用してこちらにきたばかりなんだ。希美、彼女は俺の友人の可憐だ」

「はじめまして、可憐さん。希美と言います」

「へぇ、大河クンの妹さんかぁ。美鶴さんに似て美人なの子ね?兄妹そろって仲良くお出かけ?ふーん。大河クンって恋人いないけど、美人な姉妹に囲まれていれば自然と女の子を見る目も厳しくなるわるわけか」

 可憐は嫌味っぽく言いやがる。
 俺が恋人ができないのは性格のせいだと知ってるくせに意地悪な奴だ。

「可憐さんと大河兄さんは仲がいいのですか?」

「え?私と?別にそんな深い仲でも何でもないわよ。同じ大学の同級生でご近所同士のお付き合いがある程度なの」

「……本当にそれだけですか?」

「本当だけど……?」

 希美は可憐をジーッと見つめる。
 この子の癖みたいなものだろうか、昔から俺が紹介した女友達とかはよくこうして見つめるんだよな。
 俺の交友関係についてしっかり見てくれているのだろうか?

「あれ、しまった。財布を忘れた。すまん、希美。ちょっと取ってくる」

「はい。分かりました」

「可憐。悪いが俺が戻ってくるまで希美を見ていてくれ」

「いいけど?確かにこの辺、最近は治安が悪いけど、そんなに心配することないでしょ?変質者も昼間は出てこないわよ」

「希美をナンパするバカはいるかもしれんだろうが」

 俺の発言に可憐は口元を押さえながら笑う。

「……大河クンってシスコンよねぇ。美鶴さんの事を含めて」

「違うっての」

 何で姉ちゃん込みなんだ、希美はともかくそれは断じて違うと否定させてもらう。

「いいわ。少し話してみたいし。希美さんって……」

 別に冗談ではなく、ホントにここ最近のこの近所は治安がよろしくない。
 変質者っぽい人間がうろちょろしていると警察も警戒してるくらいだ。
 変な事件とか起きなきゃいいけどな。

「さっさと財布を取りに戻るか」

 横目で会話する希美と可憐を見ながら俺は再びマンションに戻った。



 
 俺が財布を取って戻ると、なぜか可憐は気まずそうな顔をしていた。
 ……はて、何だかデジャブを感じるような?
 そうか、梨紅ちゃんだ。
 確か梨紅ちゃんも同じような顔をしていたっけ?

「あっ、大河クン。おかえりなさい……。わ、私、もう戻るね。それじゃ」

 梨紅ちゃん同様に逃げるように去る可憐。
 なぜだろう、お兄ちゃんとしては妹が何か不手際をしたのか心配です。
 なんてね、希美がそんな真似をするはずもない。
 大方、関西圏出身者と関東の人間では初めて会った時に会話があいづらい、あの微妙な距離感の問題のせいだろう。
 不思議なことに関西人と関東人って初対面で仲良くなるには大変なのだ。
 文化の違いだろうか、どうにもうまくいかないことが多い。
 さて、帰ってしまった可憐を俺は「何だろう?」と疑問に思いながら、希美に言う。

「ふたりで話でもした?」

「兄さんのお話を少しだけ。ずいぶんあの方は兄さんを信頼しているんですね」

「可憐が俺を信頼?ホントかよ、俺にはそんな素振りを見せたことないって」

「……素直になれなさそうな方ですから。内心はどうでしょう。ただし、私の“敵”ではありませんけど」

 意味深に希美は言うと、再び俺と手を繋いで歩きだす。
 敵って何だろう……仲良くなれるとかそういう話?

「そろそろ行きましょうか。あまり姉さんを待たせては不機嫌にさせてしまいます」

「断言できるぞ、絶対に待ってない。むしろ、待つのは俺達の方だ」

「……姉さんならありえますね」

 さすがに希美も美鶴姉ちゃん相手にはフォローできないようだ。
 我が道を行くタイプの姉を持つと苦労するのである。

「それにしても、希美。成長したな?」

「分かります?ふふっ、こう見えてちゃんと成長してるんです」

 胸を強調して微笑む希美。
 うむ、中々に成長してますね……って、違うっ!?
 さすがに妹の発育具合に何か言うほど俺も変態ではないのだ。

「……誤解がないように言うと俺が言ったのは身長のことなのだが」

「分かってますよ。冗談ですっ」

 可愛く小さく舌を出して彼女は言う。
 ホント、可愛い自慢の妹です。
 ……美鶴姉ちゃんには似ないでホントによかった。
 
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