第32話 拡散 5
ノリノリに書いてますが……
確実に、睡眠時間は削りとられてます。
だんだん主人公が田中さんから
福永さんと酒井くんになりそうで
早く、研究所編(今頃、研究所編にしときゃ良かったとか思ってます)から
福岡市街地編(ほんとか?)に進んで 田中さんを出さないと……ぷぃと他の作品に行ってしまいそうで
焦ってます。
「はい、確かに……拘束しました。
3分隊で索敵、殲滅行動に出しましたが……
正直、外に出られたら……
どちらにせよ、そちら側からの部隊派遣もお願いします。」
青島が織田陸将補に状況説明をしていると、にわかに本部内がざわめきだし、非戦闘員達が自動拳銃を手にし始めたことに気づいた青島は、一旦連絡を中断し
「岩永!黒瀬!」
と叫んだ時
ビィィッ−・ビィィッー・ビィィッ−
けたたましいアラーム音が鳴り響き、薄暗い本部内は赤い警告色の点滅につつまれた。
「こちらは本部です。地下1階を感染体が徘徊しております。各自は部屋から出ないで下さい。
警備班が感染体を排除するために発砲する場合があります。」
「くろせ−−!くろせ−−!
何が発生したんだ!報告しろ−!」
黒瀬のデスクの方に目をやると、ごった返す本部員を掻き分けながら、黒瀬と岩永が近づいてきていた。
青島は田坂などと違いアラームを勝手に発令したことには一切触れずに
「何があった?」
インカムを操作しながら黒瀬が答えた。
「地下1階に感染体約8体発見。青山班の隊員と研究所員達です!」
「今、藤原達を呼び戻してます。」
言い終わるや、岩永はインカムからの返事を聞くために左手をインカムに添えて指示を出し始めた。
「感染体は地下2階から地上に出たんじゃないのか?」(青島)
青島も他の本部員にならい、自分のP226(自動拳銃)を引き抜きスライドを操作し発砲準備をした。
「わかりません。でも、青山班の連中が感染しているところを見ると……
地下2階とは違う個体かもしくは、はぐれた個体が地下1階に出て来たのかも知れません。
しかし、はぐれ個体なら、奴らはエレベーターのみならずICカードを使用して扉を開けて階段を登れることになります。」
自分の想像が、如何に恐ろしい現実を予測しているかに身震いしながら黒瀬が答えた。
「ICカードが使えるのか?
それだけの知能があるとなると厄介だな。
!本部警備班に入り口を固めさせるんだ!
発見した通路番号は?」
岩永が本部警備班長の元に飛んで行った。
「た、確か…C通路の5番…でした。」
「かなり近いな。普通に歩いたら2分もかからない距離じゃないか!」
少し青ざめながら、青島が黒瀬を引き連れ監視モニターの前についた。
「高柳!その後の感染体の動きは?」
黒瀬は監視を指示したオペレーターに叫ぶように確認した。
「監視カメラの音声もモニターするようにしました。
他の通路、具体的には居住区域のD通路で、青山班長と末永が3体と遭遇し交戦!
3体は無力化しましたが……一緒にいた保護対象者の5名が感染して、後退しながら交戦中です。
そこに、等々力と清水に研究所員7名。合計9名の感染体が合流して、班長達は交戦を断念して全力で後退中。
倒したしりから増えていってる感じです。
青山班の14名の内、感染体になって徘徊している隊員が6名。感染体と差し違えて絶命していると思われる者が2名。行方不明が2名。生き残り2名です。
C通路の感染体は、青山班長達が発砲した途端に向きを変えて銃声の方に行きました。
音に反応していように見えます。
それ以外、監視カメラからの情報だけですが10体近い感染体が確認されてます。」
「2尉!本部警備班長の志村曹長が4名を残し青山班長達の救出を願い出てますが藤原達を呼び戻していますので…却下しました。」
岩永が本部警備班と本部警備の確認を終えて戻り、警備班長のからの要望と却下したことを報告した。
「わかった。
藤原達は、今どのあたりだ?」
「藤原班!現在地を連絡せよ!
繰り返す、現在地を連絡せよ!」
岩永が、インカムに唾を撒き散らしていた。
「こちら、藤波!
地下1階にも感染体が出現とのことで……
藤原と相談し、隊の全滅を防ぎ地下1階の救助を行うために、二手に分かれることにしました。
元の班に戻しエレベーターに乗れなかった5名を追加して行動中。
藤原班はA号エレベーターで今上がり始めたところです。
我々はE階段で上がってます。」
黒瀬が無線に割って入った。
「藤波さん、E階段の地下1階出口に毛利准尉と秋葉2士が居るはずなので保護お願いします。」
「了解。二人に連絡がつくなら、扉を開けたままにして数メートル離れているように指示しておいてくれ!2分とかからない。」
黒瀬は藤波に返事をするのも忘れて、毛利達の無線回線にチャンネルを切り替えて喋りだした。
「毛利さん!黒瀬です。毛利さん?黒瀬です。返事をして下さい!」
数十秒が経過した。
突然にインカムに毛利の声が入ってきた。
「黒瀬、わりぃ!状況はどうなってる。」
かなり小さな声で毛利が話すので聞きとりにくい黒瀬は
「もっと大きな声で話してくれないと聞こえにくいですよ。」
「すまん!感染体が通路の角に3体いてるんだ。
さっきから、こちらの方に顔を向けているんだか…気づいてはいないみたいなんだ。
秋葉の感だが、見えてなくて、音に反応するんじゃないかと思われる。
さっきまで4体立ったんだが…1体が急にどこかに行ったと思ったら、暫くして凄い悲鳴が聞こえた。
多分、どこかの部屋から研究員が出たんだと思う。
で…何だ。
藤波が来る?
駄目だ!そんな大勢で駆け上がって来たらいっぺんに集まってくるぞ。」
「了解です。」
毛利と話しをしながら、紙に『藤波班停止』と書き、岩永に押し付けた。
読んだ岩永は抗議しかけたが、黒瀬の眼に逆らえずに藤波班に停止命令を出していた。
藤原班
「班長、10人はやっぱりきついですよ!」
隊員が愚痴るのを
「文句を言うな!」と
藤原は一喝した。
「松坂と和久井!もう直ぐで地下1階だぞ。扉が開き次第飛び出して、安全確保しろ!」
藤原に指名された二人は、狭い中でショットガンを握り直した。
チン!と音がなり、コンピューターの電子音声が
「地下1階に止まります。」と到着を告げた。
「俺が先に出るから」
右手にいる松坂が和久井に飛び出す順番を告げた。
「了解!気ぃつけて!」
本来なら、ショットガンを構えて銃口を前にしてエレベーターから出たかったが……
構えることが出来ないため、銃口を天井に向けた形で飛び出す用意をしていた。
扉が開いた。
飛び出そうとした松坂が見た目ものは、両手を前にだし掴みかかろうとしてくる3体の感染体であった。
「うあっ!」
松坂は叫ぶ間もなく感染体に抱きつかれる格好になった。
何事が起こったのかを一瞬に察した他の隊員達が、一気に松坂を盾に感染体をエレベーターから押し出しかけたが、隊員達の装備がお互い引っかかり、思うように動けなかった。
既に松坂の首にはがっちりと感染体が噛みついており、隊員達は松坂の首から噴き出る血飛沫を浴びることになった。
松坂は全身を痙攣させ、あろうことか、ショットガンのトリガー(引き金)を引いてしまった。
発射された散弾のその暴力的な破壊力はエレベーターの天井と、エレベーターを吊り下げているワイヤーに襲いかかった。
エレベーターの天井をやすやすと破った散弾の内、数発がワイヤーを傷つけた様子を見せ、エレベーターはガクンと片方向に傾き、ギシギシと軋み、ブチブチとワイヤーが切れていく音がなり響いた。
隊員達は口々に呪詛をはきながらも、そのまま怯まずに押し続け、4名の隊員の身体がエレベーターから出たところで、ワイヤーはエレベーターとその乗組員の重さ耐えられずに地下3階へと落下していった。
押された勢いのままで飛び出した和久井は、自身の足につまずいてしまい、数メートル先へと派手に転がってしまった。
しかし、それが幸いしたのかも知れない。
転がり終わり、その勢いで手放してしまったショットガンを拾い上げて、振り返ったエレベーターホールでは、和久井以外の3名はエレベーター落下から生き延びたのではなく、感染体の活き餌として生かされただけだったのかも知れない。
「うがあぁぁぁ。」
「いでぇぇぇ。」
「わ・く・ころ……し………」
「うおぉぉぉぉっっ!糞ったれぇぇぇー」
和久井は、仲間の隊員共々3組に2発ずつの散弾を撃ち込み、ピクピクと動きだそうとしている松坂にも留めの散弾を頭に撃ち込んだ。
しかし、エレベーターの落下音に続き、これだけの銃撃の音は付近の感染体に大きな声で呼び掛けているのと同じことであった。
音が聞こえる範囲にいた感染体は、まるでハーメルンの笛吹きに呼ばれたかのごとく、A号エレベーターに集結するためにフラフラ、ヨタヨタ歩き始めた。
エレベーターホールにいた感染体を排除した和久井は、開きっ放しのエレベーターの扉から、顔を出し、ライトで落ちた先を照らしてみたが地下3階は遠くはっきりとは見えないが動く者はいなかった。
何かを引きずるような音に気づいた和久井は、音の方向、エレベーターホールから地下1階に繋がる通路を見た。
「う・嘘だろ?」
ざっと見ただけで、10体近い感染体が通路から出て来かけていた。
和久井は、慌てて骸になった仲間の89式小銃を拾い上げて、予備弾倉をかき集めた。
「まだ、まだ、大丈夫。焦るな、焦るな。」
と自分に言いきかせ、89式小銃、自動拳銃に初弾を装填して、ショットガンにも弾を込め始めた。
感染体との距離が10メートルになった時、和久井は89式小銃をフルオートで左右に振りながら撃ち始めた。
感染体の身体に当たる度に、感染体は身体をよじったようにのけぞるが、一歩一歩と近づいてくる。
僅か20発の弾倉はあっという間に空になり、その都度新しい弾倉を89式小銃に装填しては撃つを繰り返した。
弾倉を7個使ったところで5体の感染体がボロ布のようになり崩れいった。
和久井は最後の弾倉を装填し、一番近い感染体の上半身に全弾を撃ち込みさらに1体を穴だらけにした。
そして、89式小銃を感染体に投げつけて
立てかけていたショットガンを握り
5発の散弾を使い、残りの感染体を倒すことに成功し、とうとう現れた10体の感染体を排除することに成功した。
ショットガンに、追加の弾を装填してたところで手持ちの散弾が尽きた。
予備弾薬を持った後輩は地下3階に落ちていった。
「どうすりゃぁいいんだよ。班長。」
10体の感染体を倒したところで…たった一人、しかも残弾も残り僅かとなり一気に不安がのしかかり、自然と涙が溢れ出てきた。
涙で霞んだ目に、通路から足を引きずりながら現れた自衛官が見えた。
(助かった!)
泣き顔を見せるのが恥ずかし、袖口で涙を拭き。
助けの礼を言おうと顔をあげると助けにきたのは自衛官ではなく、襲いにきた元自衛官の感染体だった。
絶望感を感じた和久井は力なくその場にへたり込んでしまった。
和久井は、ホルスターから拳銃を抜き、口にくわえ最後にもう一度奇跡を願いながら通路に目を戻した。
(やっぱり駄目かぁ)
「えっ!えぇぇぇぇぇぇー」
信じられない光景が目の前で起こったのだ。
突然、大柄な自衛官が感染体の逆の通路から現れて一閃!踵落としで感染体を葬ったのだ。
さらに、その大柄な自衛官の影からもう一人自衛官が現れ、和久井からは見えない位置にいてるらしい感染体にきっかり3発ずつ発射するバースト射撃で感染体を撃つていた。
そして、自衛官を背負った自衛官が和久井に向かってきた。
「衛生兵の中曽根だ。大丈夫か?
噛まれたりしてないか?」
和久井はただコクンと頷いた。
福永、酒井、中曽根、竹原の4人組みであった。
待機を命じられといたが、エレベーターの落下に気づいて地下2階から上がってきたのだった。
相変わらず、酒井は福永に
「感染体より、お前の方がえげつない殺し屋や!」
と、いじられていた。
バラまかれた空薬莢を見て福永がはニヤリと笑い
「素手の殺し屋の次は乱射のアル・カポネか!
俺は福永だ。宜しくな」
と、手を差し出した。
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