第17話 伊集院 剛 1週間前②
少しずつ 更新のペースを上げて行きたいとは思ってます。
11000PVを超えました。
ありがとうございま。
伊集院 剛
「米軍は600名近い犠牲者がでたんだな?」
沈黙を破ったのは伊集院であった。
「もし、同じ条件下で自衛隊が対応していたならば、どの程度の被害規模かシュミレーションは可能か?」
「シュミレーションは可能です……
しかし、米陸軍レンジャー部隊であれば自衛隊のレンジャーでもひけはとらないでしょうが……
デルタ分遣隊やSEALsなどは 自衛隊では、同等の能力を有する部隊はありません・・・・・・
しかも、決定的な違いがあります。 自衛官の殆どが、『人』に向けて、発砲した経験がありません。
また、保有する弾薬量も怪しいです。
さらには、福岡と今回のユタでは、地形が違い過ぎます。
同じエンデミックでも、アウトブレイク(拡大)の伝達スピードは比べものにならない速さになるでしょう。
私も、軍関係はあまり得意にしている訳ではありませんし……
戦闘シュミレーションなどは完全な専門外なので一度、調べてみます。」
流石に、公安警察の経験者である。専門外などとは言いながらも、素人の伊集院には最もな説明に聞こえた。
「わかった。君はシュミレーションを中心に、最適と思われる、初期対応方法を検討してくれ。
くれぐれも、情報が漏れないように頼む。」
指示を出して、電話を切ろうとした伊集院は、あらためて、受話器を強く握りしめ
「源五郎丸君、この情報はどの辺りまで知れ渡っていると判断すればいいんだ?」
…………………………………………………………
「難しい質問ですね。
私が得てる情報からの判断ですが福岡の件までを知っているのは……限られていると思います。
おそらくは
アメリカは、大統領や補佐官と中央情報局(CIA)長官、国土安全保障省(DHS)長官、国家安全保障局(NSA)長官。ぐらいかと。
日本国内であれば、
蔵前翁サイド。社長と社長の情報源。柊博士とその関係者。
情けない話しですが、防衛省情報本部にいたっては、ユタの大規模な戦闘行為すら、NSAからの、イスラム過激派系の流れを汲む新興宗教集団の、特殊作戦群第19特殊部隊への大規模な自爆テロという説明で丸め込まれています。
唯一、私の古巣の警視庁の公安 外事1課長が、色々と嗅ぎ回ってます。まぁ、あまり穿りだされる前に私の方から釘を刺しておきますが・・・
感染体の噂の件は、かなり広がっていると思われます・・・・・・・。
未知の生命体と思われる『ゾンビ』ですので、既にアメリカ国内には各国の情報員が、ゾロゾロと活動を始めています。
幸いなことに、『ゾンビ』という特殊すぎる対象なだけに、各国とも友好機関同士でも一切情報交換が無く、全員が暗中模索状況です。
どの国もかなり活発に行動していますが、特にといえば
イギリス情報局秘密情報部(SIS・旧MI6)。
ロシア対外情報庁(SVR・旧KGB)。
ドイツ連邦情報局(BND)。
フランス対外治総局(DGSE)。
イスラエル諜報特務局。
中国は国家安全部と人民開放軍参謀部第二部。
朝鮮人民軍総参謀部偵察局。
韓国の国家情報院(旧韓国中央情報部 KCIA)
変り種ですが、先ほどのタウンゼント卿のロイズ保険。
もう一つが、ちょっと厄介なんですが、EC最大手の製薬会社のユニバーサル・サイエンスケミカルも情報線に参戦しているんです。
ここには、この10年間でドイツ連邦情報局を超一流の機関に育て上げた、ゲルト・マイアー元長官がいてまして、
第一線からは退いたと思ってましたが何故だかこの件に限って最前線で指揮を執ってます
こんなところかと思われます。」
矢継ぎ早に繰り出される、情報機関名など、一般人の伊集院には覚えられるはずも無く・・・・
「兎も角、その、たくさんの情報機関が、一歩間違えれば日本に土足で乗り込んでくるんだな・・・・・
先ほどのシュミレーションに追加して、各国の情報機関の詳細とそのヘッドの人物評価、想定される投入される情報員やチームの概要など。
また各の情報機関への対策方法など。
無理を言うが朝早めに、そうだな、10時には何人か信用の出来るメンバーを揃えて対策を検討したいので、9時に資料を持ってきてくれるかな?
最後に、そいつらに対抗する手段を教えてくれると助かるんだがな・・・・」
大きなため息をつきながら、相手の返事も待たずに伊集院は電話を切った。
確か、防衛長官は姫山君だったよな。一緒に悩んで貰うとするか。
休む間も無く伊集院は、受話器に手を伸ばしていた。
ご意見、ご感想 お待ちしてます。