死者の徘徊する街
皆さんのゾンビものに触発されて一念発起、書いてみました。優しく見守って下さい。
俺(田中一郎。平凡な名前だと笑わないでくれよな。40年も付き合い、なやんでんだから)は渾身の力で何度目かの特殊警棒を「ソレ」に叩きつけていた。
特殊警棒って?
刑事ドラマでたまに見かける、昔の制服の警察官が腰にぶら下げてた木の棒だよ。えっ?知らない?仕方ない、適当に調べてくれ。
「ソレ?」についても説明が必要だよな。
少し待っててくれるかな、安全なところまで移動しないとヤバいから。
俺は完全に動かなくなった「ソレ」を確認し、隣で倒れいる警官(多分特殊部隊SATだと思うが)を抱き起こして移動した。
街角や路地から…湧いてくるように「ソレ」は出てきている。
丁度10メートル程離れた所に交番(今は派出所っ言うだったか?)が あるんで、何とか「ソレ」が近寄ってくる間に交番にたどり着いた。
此処なら、ガラスにも鉄線が入った強化ガラスだから、破られないだろう。
取り敢えず、意識のない警官を椅子に座らせて、たしか交番ってぇのは休憩室か何かが奥に在るはずだよな。
俺は、特殊警棒を握り直しゆっくりと奥の部屋を調べようとした。
扉は内開きだ、ほんの少しだけ開けて様子を見てみようとし時
「ガン!ガン!」と交番の入り口のガラスドアにたどり着いた「ソレ」がガラスドアをのっそりと叩き始めた。
まさか、叩き破られることはないよな?。
しかしタイミングが悪いなぁ。心臓が止まるかと思っちまったぜ、これだけの音を立ててるんだから、一気に行くしかないと、部屋に踏み込んだが……
助かった!誰も居なかった。1階には休憩室とキッチン。2階には2部屋分の仮眠室があったが無人だった。
額に大量に流れでる汗を拭いながら、特殊警棒を握りしめた自分の右手の指を左手で一本一本剥がしていった。
外から数体の「ソレ」が緩慢な動きでガラスドアを叩いている音がやかましかったが、ガラスドアにはヒビが入る様子もなく大丈夫そうだ。
こうやって、明るい交番の中にいてるといやでも目立つので、警察官を担いで休憩室に入り込み、受付部屋(みたいなもんだよな?)の電気を消して静かに息を潜めることにした。
なんだってんだ?今日は?
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