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美脚ミミック、ハルミさん ~転生モンスター異世界成り上がり伝説~  作者: 藤孝剛志
2章 闇の森

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第19話 SIDE:アルドラ迷宮、メンテナンスエリア

「ところが、ちゃーんと見てるんですよねー」

「何やってんの、ハルミちゃん……」


 ここはアルドラ迷宮のメンテナンスエリアにあるアルドラの部屋。

 アルドラは豪奢なソファに座っていて、前のテーブルには水晶玉が置かれていた。

 そして、蜘蛛女(アラクネ)のマリニーも向かい側の床に座り、水晶玉を見つめている。

 水晶玉には、ハルミの様子が映し出されているのだ。


「うーん、ペコちゃん、いい子だったんだけど、なにか勘違いしちゃったのかなぁ。ハルミちゃんを助けてあげてね、って伝えたんだけど」

「そりゃ、無理ってもんじゃないですかぁ? たぶんですけど、自分がエリモンセンターに行って、エリモンになってやるぐらいの気概を感じましたし」

「まあ、強いて推薦するなら、ペコちゃんだったんですけど。そこは、けっきょく推薦してなかったってことを考えてほしかったですね」

「まあ、レベル15の地下一階出身モンスターの部下になれって言われて、いろいろと勘ぐっちゃったんじゃ……」

「他意はなかったんですけどね」

「で、どうします、ハルミちゃん」

「どう、とは?」

「ちょっと問題じゃないですか? 立場上は部下ですし、状況によっては切り捨てる必要もあることはわかりますけどぉ。これ、ただの八つ当たりとか、憂さ晴らしとかで殺してません?」

「そうねー。組織の一員と考えると、問題行動よねぇ、これって。でも、エリモンになろうって子は組織とかそーゆーのは考えなくても、自由にやってもらっていいかなって気もしますよね」

「アルドラ様がそうおっしゃるならそれでー」


 そんな話をしていると、水晶玉に映っていたハルミの姿が唐突に消えた。

 ハルミがペコのスピリットが入っているフラスコを収納してしまったのだ。

 水晶玉に映し出された光景は、ペコを経由して送られてきていた。ペコも知らないうちに、ハルミを監視するために利用されていたのだ。


「で、ハルミちゃんの監視ができなくなっちゃいましたけど」

「うーん。このままほっとくのもちょっと不安よねぇ」


 アルドラがぱちんと指をならす。

 すると、マリニーの隣に黒い影があらわれた。


「およびですか、アルドラ様」


 それは本当に黒い何かとしか言い様のない存在だった。人の形をしてはいるのだが、全身が黒く立体感がまるでないのだ。


「ハルミちゃんって子がね、エリモンセンターに向かってるんだけど、監視役がいなくなっちゃったのよ。代わりに行ってもらえないかしら?」

「承知いたしました」


 そして、影は唐突に姿を消した。


「あの、今のは……」


 マリニーも知らないモンスターだったのか、不思議そうな顔になっていた。


「大戦時の仲間、かな。たまに顔を出してくれるから、気安く使っちゃうのよねぇ」

「仲間って感じの扱いじゃなかったですけどね……」

「ハルミちゃんはちょっと危なっかしいから、放っておくわけにもいかないのよねー」


 余計なことをせずに争いを避けて進めばエリモンセンターに辿り着くのはそう難しいことではないはずなのだが、どうにも怪しいとはマリニーも感じていた。


「あ、そうそう。アルドラ迷宮評議会から呼び出しがあったんですよぉ。一応、ハルミちゃんは追い出しましたって、人間たちに報告しとこうかと思うんですが、銀級の冒険者は返還しちゃってもいいですか?」


 会いにいくに当たって手土産は必要だろうとマリニーは考えていた。


「そうですね。勇者でもうけすぎちゃいましたし、そのあたりは返しちゃいましょうか」

「コソ泥のマッケンジー、絶剣のジョージ、極星のノートン、軽装のフルコムですね。こいつらが復活しちゃうと、ハルミちゃんにちょっかい出す可能性がありますけど」

「それはそれで、いーんじゃない? ハルミちゃんはもっと成長しないといけないんだし!」


 アルドラは気軽に言う。

 ハルミの前途は多難なようだった。

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