監獄の花嫁 入所初日 0日目
灰色の空の下、静香は白く無機質な警察署を仰ぎ見た。
心臓が小さく跳ねる。──ここから先はもう戻れない。
ギルの決断だった。
マイケルを殺した女として自首し、そのまま囚人として目的の監獄へ送られる。
潜入には最も早く、最も確実な方法だと。
署内に足を踏み入れた途端、冷たい鉄の手錠が両手に付けられた。
形式的な読み上げや書類の音は耳に入らない。
背筋に走るのは、これから落ちていく奈落の予感。
黒塗りの車に押し込まれると、鉄格子のはまった窓が視界を区切る。
車輪の震動に合わせて身体が揺れ、そのたびに手首の金属が擦れた。
平穏だった日々も、家族の笑顔も、すべて、街並みと一緒に遠ざかっていく気がした──
車に揺られながら、作戦を思い出そうと瞼を閉じると、
すぐに蘇る。汗に濡れた肌、膣奥を抉る熱、後ろ手に組んだ指が震えた
──あの一ヶ月の屈辱の訓練を。
▫️ 訓練が始まって数日後の夜 回想
ギルの膝の上で対面するように跨がされ、静香は手を背中で組んで必死に支えていた。
支えになるのは、内腿と膣とイチモツの結合部だけ。
腰を落とせば深く貫かれ、身体を傾ければすぐに崩れ落ちる。
内腿を震わせ、膣をきゅっと閉じて倒れまいとするその姿を、ギルは愉しげに見上げていた。
「……言え、静香。お前がやり遂げなければいけない十のタスクを」
低い声が耳を打つ。
「……ひとつ目……看守長に、気に入られます……」
ギルが笑い、下から強く突き上げる。
膣が一気に奥まで押し広げられ、思わず「あ……っ……ん……」と短い声が漏れる。
悔しさで眉を寄せ、涙目でギルを睨みつけるが、その視線すら彼を昂らせるだけだった。
「……ふたつ目……監獄のボスにも、気に入られます……っ」
後ろ手に組んだ指が震え、汗が背筋を滑り落ちる。
(……こんな屈辱……でも、やるしかない……!)
心で噛み殺すように誓いながらも、体は拒めない。
「……三つ目……二人から特別扱いされるように……
……よっ……四つ目……最奥部屋の噂を……集めます……っ」
ギルはわざと腰を深く沈め、静香の声を震わせた。
「……っああ.......、ご、ごめんなさい……続けます……」
必死に唇を結び直し、睨む静香。その眼差しは怒りで燃えていた。
「……五つ目──最奥部屋の鍵と出入り条件を探ります……」
ギルの腰がぐっと引き寄せられる。
「……六つ目……ヴェロニカと……仲良く……なります……っ」
その瞬間、ギルが腰をがっちり掴み、急に激しく突き上げた。グチュグチュグチュ、、、
「──っああっ!? ギ、ギル……っ、ご、ごめんなさい……途中で、、、イキます……っ!」
がくがくと腰が揺れ、声が裏返る。
「あーーーっ!!」
全身が反り返り、結合部はどちらの何の分泌液なのか判別できないほどぐちゃぐちゃに混じり合い水音を立てる。
奥からぎゅううっと収縮が押し寄せ、入り込んだ熱を何度もきつく締め上げ、うねる波が脈打つように繰り返された。
絶頂の余韻でピクピクと震えながらも、静香はギルを鋭く睨みつけた。
瞳に怒りと屈辱を宿し、(オモチャのように……絶対に許さない、けど今は……!)と心で叫ぶ。
ギルはその視線を見て、口元をさらに歪める。股間がより硬く、膨張していくのが分かった。
「……七つ目……医師コールマンから……情報を……得ます……っ」
ニタニタと笑みを浮かべるギル。
「怒った顔も、たまらんな。ますます締まってきやがる」
唇を噛み、汗に濡れた髪を振り乱しながらも、必死に言葉を続ける。
「……八つ目……イベント準備に……関わります……っ」
ギルの視線は獲物を嬲る獣のそれ。怒りと羞恥を必死に飲み込む静香の姿が、彼の昂ぶりをさらに煽っていた。
「……残り二つだ」
「……九つ目……イベント当日の……同行許可を……得ることです……っ」
「……十……十個目……当日の混乱を……利用して……最奥部屋に……入る、です……っ!」
最後の言葉を言い終えると、ギルがふっと動きを止めた。
(……細かすぎる作戦内容は、即興の素人が覚えられるわけがない。まずは大枠のタスクを叩き込む。あとは“夫婦面会”で舵を取ればいい……)
ギルは心の中でそう呟き、怒りに濡れた静香の眼差しを愉悦に浸りながら受け止める。
「……よくやったぞ、静香。イッてよし」
「……ありがとうございます……イきます……っ」
静香は涙を滲ませ、憎しみの視線を外さぬまま、自分の腰を動かした。
ぐちゅぐちゅと水音を立て、快楽に抗いながらも限界まで高め──
「あっ……っ、あぁ……っ!」
再び奥からぎゅうっと収縮が押し寄せ、脈打つようなうねりでギルを締め上げる。
「……くっ……!」
ギルもその締め付けに呼応するように、どく、どく、と熱を吐き出した。
静香の膣内を突き破るように熱が流し込まれ、奥を満たしていく。
「……あっ……や、やだ……っ……」
静香は奥に溢れ込む感触に、ぞわりとした嫌悪を覚える。
自分の意志など関係なく、体の内側をギルの白濁が侵食していく。
子宮口を叩くたびに熱が溜まり、じわじわと広がる感触がどうしようもなく気持ち悪い。
ギルは目を細め、あたかも自分の所有物に刻印するかのように吐き出し続けた。
「……やっぱり……お前の中は最高だ……全部受け止めろ、静香……」
我が物顔で射精を続けるその姿に、静香の胸に強いムカつきが込み上げる。
だが声には出せない。
歯を食いしばり、涙を滲ませながら、ただ堪えるしかなかった。
(……っ……旦那と子供を救うまでは……絶対に……っ)
熱と屈辱が混じり合い、静香の身体は小刻みに震え続けた。
瞬間、緊張が解かれて後ろで必死に組んでいた手が崩れる。
支えを失った身体は前に傾き、静香はギルの毛むくじゃらの胸板へと倒れ込んでしまった。
頬に刺さるざらついた毛の感触。
──耐えてきた緊張の糸が切れ、男の胸に凭れかかる自分。
それは敗北の証のようで、屈辱が込み上げる。
(……最悪……っ……)
怒りに震える瞳を閉じ、震える吐息をもらすしかなかった。
だがギルはその姿に満足げに笑い、彼女を抱き寄せるように腕を回した。
「やっぱり従順になると、ますます締まるな……怒り顔のまま抱かれるお前、綺麗だ」
その言葉が、さらに静香の屈辱を深く刻み込んだ。
静香は胸元に顔を預け、荒い呼吸を整える。
ギルはその頭を撫で、「SEX中の打ち合わせでも、ちゃんと思考が回り始めてえらいぞ」と微笑む。
(……くそ……けど、これも助けるため……)
静香は心の中で強く呟いた。
「では──これからは二人だけの性接待訓練だ!」
ギルがずん、と腰を打ち込む。
「あっ……やめ……今動かれたら……っ!」
静香は背を反らし、再び快楽に飲み込まれる。
その顔を見て、ギルはニヤリと笑う。
そして息を弾ませながら、「あとみっちり──寝る間際まで接待だぞ!」と腰を動かし続ける。
「……っ、ひ、1時間……っ!?」
その言葉にゾッとする静香。だが、波打つ中で再び声が漏れる。
「……また……イキます……っ!」
セックスの最中でも思考を巡らせることはできるようになってきた──だが、快感は日に日に深く刻み込まれ、抗えば抗うほど体に馴染んでいく気がしてならなかった。
──そして、現在。
黒塗りの移送車の中で、静香は十の任務を思い出してイラついた、
脳裏に浮かぶのは作戦と──ギルに抱かれ、汗に濡れながら声を震わせていた自分の姿だった。思い出すだけで腹の奥がじんと熱を帯び、息が乱れそうになる。
(……最悪……どうして、こんな時に……っ)
羞恥と嫌悪に唇を噛み、目を閉じる。
それほどまでに性交を通じて叩き込まれたのだ。
訓練の記憶は、吐息と水音と共に、肉体の深部にまで染み込んでいる。
──車輪が止まり、鈍い衝撃と共に扉が開く。
差し込む外気はひどく澄んでいて、ここが地獄の入口だとは信じられないほどだった。
潮の匂いと、海風の冷たさが頬を撫でる。
静香はゆっくりと顔を上げる。
視界に現れたのは、断崖に聳え立つ巨大な要塞。
磨かれた石壁は一見すると荘厳で美しく、まるで城のようだった。
しかし門扉の前には銃を構えた私兵が立ち並び、塔の上からは監視の目が絶えず注がれている。
その“清廉な美しさ”こそが逆に不気味で、静香の胸に冷たい汗を走らせた。
(……外見は綺麗でも、中は……きっと地獄……)
鎖につながれた足枷が、かちゃん、と乾いた音を立てる。
静香は一歩、また一歩と鉄の門へと進んでいった。
やがて正門をくぐると、そこには二つの視線が待ち構えていた。
一人は、黒革の手袋を嵌めた看守。
日焼けした褐色の肌と鋭い眼光、その奥に潜む支配欲が肌を刺すようだった。
もう一人は、白衣の裾を翻す医師。
知的な微笑みを浮かべていたが、その眼差しは患者を診るものではなく、獲物を舐め回すようにいやらしく光っていた。
二人の目が、入所したばかりの静香を上から下まで測るように這った瞬間──
静香は無意識に喉を鳴らし、震える呼吸を押し殺した。
(……正文……和樹……あなたたちは、ここに……)
(……必ず、助け出す……!)
その決意を胸に、静香は監獄の闇へと足を踏み入れていった。
「ようこそ、ブラックリーフ監獄へ」