古代龍
登場人物や名称一覧
現 世 :元々主人公が住んでいた世界。(物質世界)
霊 界 :今、主人公が生活している世界。(半物質半精神世界)
神 界 :神様が住む精神世界。
イヒン :霊界に存在する人族。魂の理解度が高く魔法が得意。
ドルーク :霊界に存在する人族。好戦的で力が強い。
イフアン :イヒンとドルークの混血。ドルークを敵対視している。
妖 人 :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等
亜 人 :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ベアーフット・ドワーフ・エルフ等
魔 人 :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ等
古代竜 :理を理解した竜。大抵1万年以上生きている。
ワーガ大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。
ペニ城 :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。
ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。
ドルクロイ:ヨルド村から陸続きで繋がっているドルークの国。
ババス :ドルクロイの首都。
イフアロイ:ドルクロイの東側にあるイフアンの国。
フォーセリア:亜人の国の連合国。一応エルフの国がまとめている。
オーガロイ:妖人の国。オーガの王を頂点とした体勢を築いている。
穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応魔王。魔王国の王。ただし政治は全て他人に任せている。
オルグ :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。
コムケ :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。
ゲルダ :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。
セレナ :ゲルダが作ったゴーレム。
ヨルドン爺:ヨドム村の墓守。境界の監視人。
ダイゴ :ヨドム村の自営団の団長。モルテガの子ども。
モルテガ :ヨドム村の村長代理。ダイゴの父親。
マスター :竜のゆりかご亭のマスター。
マリア :竜のゆりかご亭の料理人。マスターの妻。
ティアラ :竜のゆりかご亭の看板娘。マスターの娘。
ステラ :竜のゆりかご亭の店員。マスターの娘。ティアラの姉。
ドーガ :ドルクロイの元王。
エステル :ドルクロイ統合後、代王に任命される。ドーガの娘。
ドーテム :ドルクロイの元王子。現ドルクロイの将軍。ドーガの息子。エステルの兄。
ナラミス :フォーセリア連合国の元女王。ハイエルフ。現在はトールのメイド。
シュテム :オーガロイの王。ハイオーガ。
46 古代龍
魔海沿いでのんびり釣りしていると、コムケを頭に乗せた子どものリバイアサンが顔を出してきた・・・
ううーん。コムケや・・・リバイアサンがいると魚が釣れないのだが・・・・、まぁかわいいから許そう。ただ後ろでバーベキューの準備をしているナラミスの為に魚を捕ってきてもらいたいな・・・
なんて考えていたらリバイアサンが口をあけて大量の魚を吐き出した。誉めてもらいたそうに頭を出してきたので、よしよししてあげる。でもね、釣りは釣れなくてもその過程を楽しむものなんだよ。
ナラミスが大量の魚を物色している。そして、かたっぱしから血抜きして冷凍倉庫にしまっていく。さすがに神の森では魚が穫れないから、大量に確保できてうれしいらしい。
そんなこんなで、魔海沿いでのんびり過ごしていると、オルグから念話が届いた。部下の魔人が緊急の用事とかでこちらに向かっているらしい。オルグも合流するため、こちらに向かっているらしい。
国同士の戦いも一段落したのに・・・緊急って?イフアロイが攻めてきたか?でもそれならドルクロイから緊急の念話が届くはず??
そうこうしているうちに、山脈の西側の空にドレイクに乗った魔人の姿が見えてきた・・・・ん? ドレイクにしてはかなり大きい?
背中に乗っていたと思った魔人は、どうやら首に巻き付いていたらしい。大きな白いドラゴンは、森と魔海の狭間に降り立った。同時にオルグも空から降りてきた。
「オルグはドレイクに乗ってこなかったの?」 聞いてみると・・・急ぎだったので自分で飛んできたそうだ。
白いドラゴンは、首から魔人を降ろすと、鼻で魔人を押して何やら促している。
オルグの説明によると、「ドラゴンの巣」を監視していた魔人にドラゴンの方から接触があったらしい。本来ドラゴン族は魔人をも凌ぐ一族であまり他の種族に興味を持たないらしい。
「山に取り込まれたイヒンが山から解放され、さらに魔人にまで進化した理由が知りたいそうです。」
オルグが簡単に説明してくれた。
ドラゴンの巣・・・・山脈の西側に存在する認識できない空間。その1部は僕の体である山脈にも食い込んでいる。
白いドラゴンに背中を押された魔人が続けた。
「ドラゴンの巣には古代龍様がいらっしゃるのですが、魔王様が復活されたことを伝えると、ぜひ頼みごとがあるとのことでした。本来なら古代龍様がこの場に来られればいいのですが、巣の結界を張っているのが古代龍様なので巣から離れられないそうです。」
「そこでおやじ殿は我を遣わしたのだ・・・・。」
白いドラゴンから強力な念話が伝わってきた。
うーーむ。でかい。子どものリバイアサンの倍はある・・・・というかリバイアサンの子どもはドラゴンの姿を見た瞬間に、魔海に潜って逃げたんだが、それでいいのか未来の魔海の主よ。
「我の口から事情を話すのもおやじ殿に失礼になるので、申し訳ないがドラゴンの巣に来ておやじ殿の話を聞いてくださらぬか?」
いや~、とても丁寧な申し出だが・・・・神の森にゲルダの家、そしてドラゴンの巣。僕が認識できないものは大抵理解不能の存在だ。その白いドラゴンが頭を下げて頼みごとをしている。
ちらっとオルグを見ると・・・諦めたように首を振っている。
もーーー。ぼくの平穏な生活はすぐに崩れる。
「了解した。で、僕はどうすればいいんだ?」
「我の背中に乗っていれば、すぐドラゴンの巣につく。」
白いドラゴンは、首を前に垂らして前足を曲げ、背中に乗りやすいようにかがんでくれた。
「トール様、帰りはいつ頃になりますか?」ナラミスが聞いてくる。
「それは古代龍の頼みごとによるなー。できれば夕方のバーベキューには間に合いたいな・・・・。」ちらっと白いドラゴンを見るが、我関せずの雰囲気がでていた・・・
「僕が戻ってからバーベキューの準備でいいよ・・・。もし日が沈んだら・・・バーベキュー諦める・・・・。」ぼくののんびり生活・・・
白いドラゴンの背中は快適だった。速い速度で飛んでいるが、風が一切吹かない。それになぜか背中の重力が増しているようで安定感がある。一緒に乗っているオルグも関心していた。
そこにあるのに、認識できない空間。なんかざわざわする感覚だが、その空間に入った瞬間、ゲルダの家に入ったように元の次元がの認識できなくなった。
やはり次元が違うのだろう・・・とすると次元を超越する力を持っている古代龍は、いにしえの上級霊界に旅立った魔人と同等の力を持っているのだろう。僕なんか、その魔人が書いた本をちら見しただけで一瞬で体が朽ちたのに・・・・
そういえば、書庫の整理をしていたナラミスは、一階の書庫にナラミスが読んでも平気な本を。2階にそれ以外の危険な本を移動していた。6割の本がハイエルフのナラミスでも危険な本らしい。ナラミスが読める本を読んでみると・・・体が朽ちるのに時間がかかった。
それだけ次元に関する書物は危険なのだろう。それを読破していたゲルダでさえ、理の理解に至っていないのか・・・・
やがて一帯が黒い地面の場所に、白いドラゴンは降り立った。ドラゴンの巣に入ってから、この次元の自分の体を認識できるようになった。この黒い地面は僕の体の一部らしい。中にたくさんのドラゴンの意識が感じられる。
でも驚いたのはそこではなかった。目の前に巨大な黒いドラゴンが座っているのに・・・・全く気配がなかった。いるのに念話で声をかけられるまで気がつかなかったのだ・・・
「よく来てくれた。若い魔王よ。」
オルグも驚いたようで、あわてて見上げていた。冷静沈着なオルグの驚く顔・・・・僕も驚いたことは棚に上げて、少し楽しんだ。
「はじめまして。僕はトール。こちらは僕の眷属のオルグです。」軽く会釈をする。
「おーおー、我は古代龍、名は・・・・名は・・・。おい白いの、我の名は何という?」
「おやじ殿は、おやじ殿でございます。私が生まれた頃からおやじ殿と呼ばれておりました。」
「そーか、そーか。我の名は、おやじだ。よろしく頼む。」
古代龍って・・・古代龍だよな・・・・???
「それで・・・おやじ様は、この私に何のご用でしょうか?」
「おーおー、そうだった。そうだった。実は頼みがあるのじゃ。」
古代龍は静かに語り始めた。
「900年前にな、魔王に滅ぼされたこの大陸に新しいドラゴンの住処を作ろうとやってきたのだがな・・・・この山に着いたところ、いきなり若いドラゴンが取り込まれてしまったのじゃ。ある程度経験を積んだ者はすぐ体の回りに魔法壁を展開して難を逃れたのじゃが・・・。すでに山には、多数の虫や獣・・・イヒンの魂が封印されていて、このままでは若いドラゴンの自我が消滅すると思い、この空間を隔離したんだ・・・。」
「そのため、取り込まれたドラゴンは、この地面の下で普通に会話できるが、この地面から出られぬのだよ・・・。ところが先日、自我が消滅したはずのイヒンが脱出したり、あまたの獣や虫が山から飛び出しており、驚いたわ。」
「そこで、まわりをうろついていたイヒンの魔人に聞いてみたところ・・・1000年前の魔王が復活したというではないか!そこで、魔王たるお主に若いドラゴンの解放をお願いしたいのじゃ。」
地面の中にドラゴンの意識を感じた時点で、うすうす感づいていた。
ただ・・・問題がある。
「おやじ様・・・解放だけなら簡単です。そのドラゴンの魂ごと地面を引っ張り上げて、切り離せばよいのです。ただ・・・・」
「それはやってみたのだが・・・この地面、不思議な性質をしておってのう。堅くて柔らかいのだ・・・。わが爪でひっかいても表面で受け止めて・・・そのあとひたすら延びるもんだから切れなかったのじゃ。我のブレスなら焼ききれるが・・・そうすると中の魂も消滅してしまう。困っておったのだ。」
「かしこまりました。すぐに解放はできます。ただ・・・」
「ただ・・・とは何じゃ?」首を傾げる古代龍。
「すでに体が、わたしの体と同化してますので、解放したとしても私の眷属となってしまいます。もちろん眷属として扱うつもりはありませんが・・・・」
「何だ、それは気にするな。予想はついておった。解放された若いのが望むなら、眷属として扱っても構わん。ただ山に取り込まれて自我が消滅していくのが不憫だっただけだ。」
「それなら、すぐに解放いたしましょう。」
そこからは慣れた作業だった。ドラゴンの魂ごと体をひっぱり次元刀で切っていく。その繰り返しだ。
「うーむ、うーむ。恐ろしい技よの・・・。それなら我が体も傷つけることができるであろうのー。若いのに恐ろしい力を持っておるのー。」感心したようにぼそぼそ言う古代龍。全部念話でだだ漏れです・・・
合計12体のドラゴンを解放したところでドラゴンの魂は感じられなくなった。
「まずいのー。もう1体赤ん坊のドラゴンがいたのだが・・・自我が消滅しかけておるのー。これも運命か・・・しかたないのー。」古代龍が悲しそうにうなだれている。
そこでこの次元の体を全部取り込み、探ってみた。たしかに小さい魂が存在する。でも・・・消滅というより眠っているようだ・・・このままでは解放しても、体を維持できまい・・・困った。
ぼくの考えが解放されたドラゴンに伝わったようで、古代龍に念話が飛んでいる。
「そうか、そうか。眠っておるのか。それは良かった。ならばお主の体か、魔力をまとった物でゴーレムを作ってそこに魂を移せば、体を維持させる必要はなかろう。その子の世話をお願いできないかのー。」
古代龍と解放されたドラゴン12体が頭を下げてきた。さすがに無碍にはできず、了承した。
解放されたドラゴン達は、僕の前にひれ伏し、眷属としての命令をまっていたので、困った時には助けてもらうが、それまでは自由に生きるように指示をだした。
突然、古代龍は結界をやめたようで、急に元の次元が認識できるようになった。
「世話になったのー。我はもうすぐこの霊界からいなくなるが・・・それまではこの山に世話になるかのー。さすがに900年過ごしたからのー。」うんうんうなずきながら、空間を新しい住処に変えていく古代龍・・・・。うん。好きなようにしてください。
ゲルダが聞いたら喜びそうな話だ。なにしろ理に1番近い存在だ。
その後、眷属になったドラゴンに送られて、湖畔の小屋に戻ってきた。
すでにバーベキューセットは片づけられていたが・・・まだ日が沈むまでは時間がある。僕は大声で叫んだ!
「ナラミスー!バーベキューしよう!」
なんか週末にやっと続編を書ける状態です。
はやく続きが書きたいのに・・・寝てしまう。きっと疲れてるんだ。年末まで仕事がんばるぞ!おー!
一応、頭の中では、このあとイフアロイ編と東側辺境編でワーガ大陸編が終了予定です。まだ話が漠然としていたので、内容を決めていたドラゴン編を先に書いています。




