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魔王と呼ばれた男  作者: あき
38/50

オーガロイ

登場人物や名称一覧


現 世  :元々主人公が住んでいた世界。(物質世界)

霊 界  :今、主人公が生活している世界。(半物質半精神世界)

神 界  :神様が住む精神世界。

イヒン  :霊界に存在する人族。魂の理解度が高く魔法が得意。

ドルーク :霊界に存在する人族。好戦的で力が強い。

イフアン :イヒンとドルークの混血。ドルークを敵対視している。

妖 人  :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等

亜 人  :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ベアーフット・ドワーフ・エルフ等

魔 人  :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ等

古代竜  :理を理解した竜。大抵1万年以上生きている。

ワーガ大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。

ペニ城  :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。

ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。

ドルクロイ:ヨルド村から陸続きで繋がっているドルークの国。

ババス  :ドルクロイの首都。

イフアロイ:ドルクロイの東側にあるイフアンの国。

フォーセリア:亜人の国の連合国。一応エルフの国がまとめている。

オーガロイ:妖人の国。オーガの王を頂点とした体勢を築いている。

穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応魔王。

オルグ  :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

コムケ  :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

ゲルダ  :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。

セレナ  :ゲルダが作ったゴーレム。

ヨルドン爺:ヨドム村の墓守。境界の監視人。

ダイゴ  :ヨドム村の自営団の団長。モルテガの子ども。

モルテガ :ヨドム村の村長代理。ダイゴの父親。

マスター :竜のゆりかご亭のマスター。

マリア  :竜のゆりかご亭の料理人。マスターの妻。

ティアラ :竜のゆりかご亭の看板娘。マスターの娘。

ステラ  :竜のゆりかご亭の店員。マスターの娘。ティアラの姉。

ドーガ  :ドルクロイの元王。

エステル :ドルクロイ統合後、代王に任命される。ドーガの娘。

ナラミス :フォーセリア連合国の女王。ハイエルフ。

シュテム :オーガロイの王。ハイオーガ。


38 オーガロイ


 「うぅぅ・・・。古傷が痛む。」


 大きなひょうたんに入った酒を一気にあおるとシュテムは一息ついた。


 まだシュテムがただのオーガだった頃。彼はワーガ大陸の東側に入植した。ここは彼の先祖が住んでいた土地と聞いていたからだ・・・。


 シュテムとその一族は、並外れた腕力と膨大な魔力で、先に入植していた妖人や妖獣を配下にし拠点を築いた。しかしワーガ大陸の東側は、草木があまり生えず、乾燥して住むには過酷な土地だった。


 配下の妖人が増えるにつれ、数少ない穀物では生活できず、やがて住みやすい土地を求めて少しずつ西に移動を開始した。その頃になると妖人の間にシュテムの名前は知れ渡り、誰も敵対しなかった。


 しばらく西に進むと、沼地と平原が入り交じる広い平野に出た。そしてそこに住まうトカゲに似た姿の妖人の国と領土を巡る戦いが勃発した。激しく長い戦いの末、トカゲの妖人は敗北を認めシュテムの配下に加わった。そして、シュテムはこの地に国を築いた。


 ショテムの名声が広がるにつれ、周辺の妖人が次々傘下に入りたいと訪れ、オーガの国、オーガロイは一気に勢力がました。


 沼地は開拓され、一大農耕地へと変貌した。また平原にはたくさんの果物の木が植林され、オーガロイはワーガ大陸一の農耕国家として栄えた。


 ところが300年以上前。北からドルークの一団が攻めてきた。ワーガ大陸の北側、沿岸沿いはもともとイフアンが住んでいた。彼らは、妖人の土地を尊重し、南下することはなかった。しかし、ドルークはそんなイフアンを駆逐し、さらに肥沃なオーガロイの土地を求め、侵攻をすすめた。


 個人の能力なら、ドルークよりもオーガやトカゲの妖人の方が優れている。しかし、妖人は己の肉体のみで戦うことを好んだ。一方ドルークは様々な兵器を開発し、集団で攻めてきた。


 妖人はどんどん攻め込まれ、肥沃な農耕地のほとんどを奪われた。オーガロイは、拠点周辺の沼地まで撤退し防御をかためた。さすがのドルークの兵器も沼地では火力や機動力を発揮できず、侵攻は止まった。


 あれから300年。ドルークのパワースーツに手痛い傷を負わされたシュテムは、傷を癒しながら理の理解と修練を積み・・・気がつけばハイオーガに進化していた。


 理の理解度が進んだシュテムではあったが、妖人の王として国民を見捨てることはできなかった。頼られれば、応えようとするそんな男だった。


 「300年前は、兵器と数の暴力で苦渋をなめた。だがドルクロイの弱点は分かっている。彼らの火力と数の暴力には恐ろしいものがあった。あの頃のワシでは勝てなかった。だが・・・ドルークは一人一人は弱い。圧倒的な火力で突き進めば、崩壊する。そして、今のワシにはその火力がある。」


 シュテムは、一気に酒をあおった。


 妖人部隊に召集をかけてから1週間がすぎていた。目の前には、大勢の妖人たちが隊列を作っている。


 「リザードマンは、この拠点周辺の防御だ。ゴブリン以下力が弱い種族は、物資の運搬と拠点づくり。オークはその警護にあたれ。今回は、ハイオーガとオーガのみで一点突破で侵攻する。雑魚には構うな、敵の将の首が穫れればいい。」


 オーガ族・・・身長は3mに達し、筋肉も魔力もある妖人屈指の種族だ。しかしそこは妖人、社会性よりも個人の欲望を優先する。そんな彼らが国を築いているのは驚愕にあたいする。


 オーガロイには3人のハイオーガが存在する。シュテムの腹心のハイオーガ二人は、身の丈4mに達し禍々しいオーラをかもしだしている。しかし、シュテムは逆に身長は3mしかない。ハイオーガになった頃は4m以上合った身長が、理を理解するごとに低くなり、反対にオーラは精錬され濃縮されていった。


 理を理解しつつある彼に国への執着はない。ただ彼を慕ってくる妖人たちを捨てることはできなかった。


 「ドルクロイの問題が片づいたら、退位も悪くない。」


 シュテムの呟きを聞いて、腹心のハイオーガは緊張した面もちで畏まった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 エステルの元に次々開戦の報が届く。


 南東の農耕地に次々オーガロイの兵が進入しては拠点を築いているらしい。南西にある山エルフの都市にも兵が集結している。東側、イフアロイの兵も国境に集結しつつある。軍を4つの部隊に分け、ひとつを東の国境に。ひとつを南西の国境に。そしてふたつの部隊を南東の妖人の部隊鎮圧に向けた。


 トール王から、当面の対処は任されている。


 フォーセリアにはハイエルフが。オーガロイにはハイオーガがいる。彼らは魔人に匹敵する者だ。ただのドルークの身では、太刀打ちできない。ハイエルフとハイオーガが出てくるまでの露払い、それが私の役目。


 エステルは、円卓を囲む将たちにつぎつぎ指示をだしていった。


 オーガロイを制圧する部隊の総大将は、エステルの兄だ。トール王と対戦したときは、何もできずに虫に飲まれた・・・。すでにパワースーツへの驕りはない。力のある者との力量の差を見極める大切さも学んだ。ハイオーガに戦いを挑む愚かなことはしないはず。


 エステルは、心を鬼にして大好きな兄に出撃を命じた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 「魔王さま、お迎えにあがりますので、まずはフォーセリアにお越しください。」



 珍しくオルグが頼みごとをしてきたので、フォーセリアに向かうことにした。こちらからは攻め込む意志がないことを伝えるつもりだが、信じてはもらえないだろう。話のわかる相手であって欲しい・・・。


 ペンダントを通じてエステルに、フォーセリアに向けた部隊は国境を越えないように指示を出した。


 山エルフのすぐ側に穴を出すことも考えたが、オルグ達が出迎えるので、国境からゆっくりやってきてくれと言われている。今回はオルグの策略に乗ることにした。


 シルクにまたがりながら国境付近に穴を出し移動した。シルクに乗っての移動ということで、腰にふかふかのクッションをおき、優雅な鳥馬旅としゃれ込んだ。


 シルクは2本足だが、ゆっくり歩いていると振動があまりない。足のバネで衝撃を吸収しているようだ・・・これが走るモードになるとバネが堅くなり、地面の凸凹がリアルに伝わってくる。



 ゆっくり山エルフの都市に向かい事にした。




種族紹介


オーガ:いわゆる鬼。気性は荒く、腕力も知力も優れている反面、社会性はあまりない。個体として優れているため、繁殖力はあまり強くなく個体数は少ない。神通力を纏うようになるとハイオーガと呼ばれるようになり、土地神として祭られることもある。



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