表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王と呼ばれた男  作者: あき
23/50

海賊 その2

登場人物や名称一覧


現 世  :元々主人公が住んでいた世界。(物質世界)

霊 界  :今、主人公が生活している世界。(半物質半精神世界)

神 界  :神様が住む精神世界。

イヒン  :霊界に存在する人族。魂の理解度が高く魔法が得意。

ドルーク :霊界に存在する人族。好戦的で力が強い。

イフアン :イヒンとドルークの混血。

妖 人  :魂の理解度が低い転生者。コボルド・ゴブリン・オーク・オーガ等

亜 人  :精霊の影響を受けた転生者。ノーム・ベアーフット・ドワーフ・エルフ等

魔 人  :魂の理解度がすすみ、寿命を超越した存在。バンパイア・リッチ等

古代竜  :理を理解した竜。大抵1万年以上生きている。

ワード大陸:ペニ城が存在した大きな大陸。魔王の登場で一度全生物が滅ぶ。

ペニ城  :魔王の襲撃を受けて滅んだイヒンの国の城。

ヨドム村 :隕石衝突後にできた魔海沿いの港町。

ドルクロイ:ヨルド村から陸続きで繋がっているドルークの国。

穴道 徹 :霊界では「トール」と名乗っている主人公。一応魔王。

オルグ  :元ペニ城の戦士長。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

コムケ  :元ペニ城の戦士。トールに救出されてからは魔王の眷属となる。

ゲルダ  :神様に幽閉された魔法使い。冬の女王。トールの登場で解放される。

セレナ  :ゲルダが作ったゴーレム。

ヨルドン爺:ヨドム村の墓守。境界の監視人。

ダイゴ  :ヨドム村の自営団の団長。モルテガの子ども。

モルテガ :ヨドム村の村長。ダイゴの父親。

マスター :竜のゆりかご亭のマスター。

マリア  :竜のゆりかご亭の料理人。マスターの妻。

ティアラ :竜のゆりかご亭の看板娘。マスターの娘。

ステラ  :竜のゆりかご亭の店員。マスターの娘。ティアラの姉。

23 海賊 その2


 いつものように、竜のゆりかご亭の自分の部屋に穴を開けて移動した。


 客室は、そんなに広くない。6畳ぐらいの広さに、簡単な机とイス、ベッドがあるだけだ。壁にコートをかける場所と、服などをしまうクロセットがある。トイレは1階の酒場と共同だ。


 不思議なのは、竜のゆりかご亭にはお風呂がないことだ。というよりもヨルド村の人々は風呂にはいる習慣がない。村に1軒だけサウナ兼水浴び場がある。みんなそこで汗をかき、水を浴びる。


 夏場は、各自家で水を浴びたり、ぬらしたタオルで体をふいて終わりである。お風呂派の僕としては、そこがつらい。だから毎日ゲルダの家に戻り、温泉を堪能している。


 何か食べようと、酒場に降りて声をかけるも・・・誰もいない。


 店が開いた形跡もない。すでに夕方はまわっているはず・・・定休日か??でもこの店が休んだところは見たことがない。


 勝手に木のジョッキにビールを注いで、干してあった肉を手に取り、表にでた。


 港の方から煙があがっている。


 なんか、ごつい鎧を着て大きな盾をもった人たちが近づいてきた。


 「こんな所に、まだ人がいるな。」

 「さっさと連れて行かねーと、お頭怒りだすぜ。」

 「ホール酒場まで連れて行くの面倒だな・・・。」


 なにやら相談して・・・いきなり大剣で切りつけてきた。あまりに突然だったのでよける暇もなかったが、剣は肩に食い込み・・・止まった。僕の体を切る性能はなかったようだ。


 細長い虫が、男達の口から中に入り、僕に情報を教えてくれる。


 一人は海賊で、もう一人はドルクロイの兵士らしい?海賊と兵士が一緒になってここで何をしてるんだ??


 海賊の方からはあまり情報が得られなかった・・・何も知らされてないらしい。魔虫が耳から出ると同時に崩れ落ちる海賊。なにやら呻いているので、命はあるようだ。やっぱり現世の記憶があるせいか、誰かを殺すことには抵抗がある。


 兵士の魂からさらに情報を引き出す・・・


 なぜだか、ドルクロイは直接オルグ村に攻め込めないらしい。そこで海賊をつかってヨドム村に傀儡政権を作る計画のようだ。


 ドルクロイといえば、山脈の反対側にあって、ヨドム村と陸路で繋がっている・・・同じドルークの国のはず。ただ、ここヨドム村の方が歴史が古く、独立を保っていたはずなのに・・・


 「これだから、国同士のまつりごとは嫌いなんだ。」


 思わずつぶやいてしまった。肉を食べながら、虫たちにホール酒場に偵察に行くよう指示をだした。







 「おまえが村長か・・・よし、選ばせてやる。奴隷になるか死か。たった今からこの村は、わしの村だ!おまえ等は奴隷として魔石を掘るか、死ぬか選ばせてやる。今なら楽に殺してやるぞ!ぐははははは。」




 なにやら、海賊の頭領らしき人物が、楽しそうにわめいている。その前に村人が数千人ほどすわらされている。よくこのホール酒場に入ったものだ。村長の少し後ろにマスターがいた。



 「いいこと聞いた。じゃ~お前を倒せば、この村は僕の村かな?」


 この村に恩を売るチャンスだ。このまま僕の村にして、この村を楽しむのもいいかもしれない。でも村長になるのはやだな・・・


 「マスター! マスターもマリアさんもいないから、勝手にビールと肉とってきちゃったよ。」



 村人を囲っていた重装備の海賊?が一斉に向かってくる。


 だが、目に見えないくらい速く飛んでいた魔虫が、つぎつぎと重装備のつなぎ目につっこんでいく。そして、カサカサ動きまわり、隙間を見つけては次第に中に入っていった・・・鎧の中を動き回る虫・・・・僕なら絶対にやだ!


 「うげー。」「ぐごー。」・・・・


 たぶん、魔虫が口や耳から中に入っていったんだろう・・・


 情報が一斉に入ってくるが、先ほどの兵士以上の情報はなかった。


 そのまま崩れ落ちる重装備の海賊達。たぶん死んでないはずだ。


 マスターの方に歩いて行くと、下半身だけ鎧を着た海賊の頭領が後ずさりして逃げ出した。それに続いて逃げていく海賊達。


 「トール!外にまだたくさんバトルスーツが置いてある。やつらきっと戻ってくるぞ!」


 マスターが叫ぶ。魔虫の目で見ると、大きな鎧の上半身を被ろうとしている頭領。さらに逃げ出した海賊達も大盾と大剣を装備しているところだった。


 ホール酒場から出ると、ちょうど港が見下ろせる広場がある。その端で戦闘態勢を整えこちらを向いている海賊・・・・


 沖に大きな軍艦が停泊している。海賊旗が見えるからやつらの船だろう。シルクをつれてきていたら、レーザーで一発なのだが、つれて来なかった。


 次元断が届くか試してみる。船までの距離は2kmぐらいか?皮剥ナイフを取り出し、一気に次元断をのばす。遙か上空まで延びきった次元断をそのまま船の方に倒す。


 一瞬、広場から海面、船の横っ腹に黒い線がひかれる。


 海面の線はすぐに消えたが・・・船の横っ腹の線は、徐々にずれ始め軍艦の前半分が先に沈み始める。小さい爆発がいくつか起こり、今度は後ろ半分が沈みはじめる。


 ぼくの次元断がとどいたみたいだ。


 唖然とした表情で、沈んでいく船を見つめる海賊達。


 「えーーと・・・。」なにやら言いたそうな頭領・・・しかし、口はすぐに魔虫に塞がれた。しっぽをふりふり口の中に入っていく虫が少しぐろい・・・

 でも、この頭領・・・ドルクロイから武器装備を提供されて、ここを襲うように言われただけらしい・・・本命は後ろの目立たない漆黒の鎧を着ている集団だった。


 虫が彼らの魂にたどり着いたようで、一斉に情報が入ってきた。彼らはいずれもドルクロイの諜報員らしい。


 海賊に襲われた事実を作って、その後海賊を排除してここを統治する計画のようだ。魔石が採掘できるヨルド村は、貴重な地らしい。それにしても哀れな海賊たちだ。


 後ろから村長のモルテガとマスター達がやってきた。


 虫たちから解放された鎧の兵達は、一斉に崩れ落ちた。


 「みんな、ただ気を失っているだけだから、縛った方がいいよ。」


 ぼくの一言で、あわててモルテガが指示をだす。そして沈んでいく軍艦をみつけて唖然とする。



 「一体・・・どうやってあの軍艦を沈めたんだ?」





ヨルド村の話の続きです。あと1話あります。

もう少しお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ